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2025年4月

2025.04.20

「ピーナッツ・ギャングのスクールライフ」の図録を読む③

さすがに今回で終わりにします…。

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これは図録のみで実際には展示されていないものだと思いますが、192ページに「眠りっ子、ペパーミント パティ」というコラムがあります。

ここでは彼女が居眠りをする理由として『シングルファーザーの父親が仕事から帰ってくるのを、毎晩遅い時間まで寝ないで待っているからなのです』と書かれています。

ワタシ的には、これは半分は合っていますが100%ではない、という風に思えます。

父親がいないために夜更かしをしているというのは間違いないと思いますが、それは必ずしも帰りを待っているわけではないと思います。心ある父親であれば、自分の帰りを待たずに早く寝てほしいと考えるでしょう。要するに彼女は父親が不在で干渉が無いのをいいことに奔放にしているだけじゃないんですかね。

父親は帰りが遅いだけでなく、出張で家を空けることもあるようです。ペパミント・パティは夜中の2時に電話を掛けたりすることもありますが、こういう日は恐らく父親が出張なんでしょう(さすがに在宅していたら注意するでしょう)。

そもそも、彼女は最初から居眠りキャラだったわけではありません。確か最初はスケート大会に出場するために早起きして練習をしているために昼になると眠くなる、というものだったと思います。しかしシュルツさんは居眠りネタが面白いと感じたんでしょうな。そこで定番化に際し父親の設定を絡めて夜更かしをしているということにしたんじゃないでしょうか。

ともかく、このネタでペパミント・パティを父親想いの優しい子みたいに評するのは微妙だな~と思うのであります(彼女が父親想いで彼を愛しているのは紛れもない事実ではありますが)。

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あともう一つ。チャプター3「宿題の時間です」で、1974年1月3日のストリップ(月刊SNOOPYで言うところの『アメリカ版オバQ』最終回)を取り上げていますが、これはコミックを読んでいないとさすがに意味不明でしょうな。注釈にあるようにこの時期はコホーテク彗星が地球に接近していたんですが、スヌーピーはこれをこの世の終わりと考えて布を被るという行動に出たわけです。

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何故布を被るのかスヌーピー本人も理解していなくてナンセンスですな。このエピソードのちょっと前にも『スノウリーグが設立されて雪ダルマ作りは大人の監視下に置かれることになり、子供は自由に雪ダルマが作れなくなる』というナンセンスなエピソードがありまして、これも面白かったですね。クライマックスのチャーリー・ブラウンの"自由への疾走"にはテンションが上がりましたし、その後訪れる虚しい幕切れには苦笑したもんです。当時はピーナッツを読み始めたばかりでしたので、中々に思い入れがあります。

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最後は企画展から脱線しましたな。特定のストリップを観てそれを読んでいた当時が思い出されるということは往々にしてあるわけでして、ワタシにとってピーナッツはある種の郷愁装置になっているのです。

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2025.04.17

「ピーナッツ・ギャングのスクールライフ」の図録を読む②

スヌーピーミュージアム企画展の原画のチョイスを誰が行っているのかが気になることがあります。日本側にはキュレーターがいませんので本家ミュージアム側が行っている可能性が高いと思いますが、何なら企画立案自体もアチラがやっている可能性も考えられます。

となりますと、今回の「スクールライフ」というテーマなのにダンス教室ネタがあったり、「ホリデー」なのに祝日ではないハロウィンなどがあったり、「旅」なのに旅ではない海水浴があったり…というのもアチラが決めていることになります。あまり考えたくはないですが、ちょっと雑に扱われていますね。

原画のチョイスにどれだけの自由度があるのか判りませんが、ちょっとこれは無いんじゃないの?というのはずっとありますね。

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今回の「ピーナッツ・ギャングのスクールライフ」のチャプター2「勉強はお好き?」の中で、『サリーと学校さん』のエピソードが二つ選ばれています。一つはまだサリーが学校に対して敵意を持っている時期のものですが、もう一つはチャーリー・ブラウンが校舎に話しかけているところをルーシーに見られ…という内容のもので、この二つだけですと全く話が繋がらず見る人が困惑するのではないでしょうか。つまり、一つ目ではサリーが校舎に話しかけているのに二つ目ではチャーリー・ブラウンが校舎に話しかけている事になっているからです。

これは展示を観に来る人が『サリーが病気で登校できなくなったときに校舎にそのことを伝えるように兄にお願いして、彼はバカバカしいと思いつつも校舎に話しかけ運悪くそれをルーシーに目撃されてしまう』という話の流れを知っていれば問題ありませんが、必ずしもそういう人ばかりではないですよね。更に言うと、初めは校舎に向って悪態をついていたサリーもそのうちに愛着を持つようになる。という感情の変化も解っていないと何故チャーリー・ブラウンが校舎に話しかける羽目になるのかも解らないという事にもなります。

もう一つ、所謂『金の星事件』のエピソードから一篇だけチョイスされていますが、これもスヌーピーがペパミント・パティに変装しているところだけですので果たしてどうなのかな?と感じます。まあ前後関係なく『スヌーピーが面白い、可愛い』で済ますことはできますので展示する側的にはイイのかもしれませんが。

それぞれ図録では118ページと260ページに補足解説がありますが、10ページの凡例によるとこれは図録のみの企画のようですので、展示だけを観て図録を買わない人にはちょっと厳しいんじゃないですかね。

展示作品については『画』を観ることに全振りしているので話の流れは二の次である―――という事でしたらまあ納得せざるを得ませんが、そうではないですよね。それでは企画展の意義自体が無いことになります。

この118ページの内容も、掲載されている二つのストリップの一つは先に書いたサリーの感情の変化を表したものなのでいいチョイスだと思いますが、もう一つはこの一連のストーリーが始まる3年前の『サリーが校舎を蹴る』というもので、実はこの頃からサリーと校舎には因縁があるんだよと言いたいんでしょうか…中々にマニアックですな。

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同じ趣旨のものがチャプター5「ジョー・クールのだらだらキャンパス・ライフ」にもありまして、ジョー・クール登場(1971年)より遥か昔である1959年の『スヌーピーがキャンパスの人気者になることを夢想する』というものを参考作品として紹介しています。これも中々にマニアックな掘り起こしであります。

ただし、この1959年のこれはあくまでも『犬』として人気者になりたいというものですから、のちのジョー・クールとは全く性質の異なるものです。ベンジャミン・L・クラークはこれをもって『「クール」なふりをさせたのはこれ(1971年のストリップ)がはじめてではありません』と書いていて、ジョー・クールの萌芽がこんな昔にあったんだと言いたかったんでしょうが、これは事実誤認と言ってもいいでしょうな。

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話をチャプター3に戻します。『金の星事件』については260ページから「13話連続ストーリー」と銘打って本エピソードの全ストリップを掲載しています。これはこれで大胆ですな。何故このエピソードに限って全話紹介する気になったのかはよくわかりません。ただ、「13話連続ストーリー」などと銘打たれますと13話も続いたすごいストーリーみたいですが、そのくらいの話数の連続物はザラですから、このタイトルも良くわかりませんね。

ともかく、これらを図録のみの企画とするのはとてももったいなく、作品理解のプラスになるものですから原画ではないにしろ展示しても良かったんじゃないですかね。

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しかし、チャプター5「ジョー・クールのだらだらキャンパス・ライフ」で、1971年9月12日のサンデー版の原画が展示されているというのは素晴らしいですね。このチョイスは賞賛に値すると思います。このストリップがジョー・クールのすべてを表しているといっても過言ではありません。例えジョー・クールがこの一作だけで消えていたとしても、ジョー・クールというキャラクターは歴史に残ったであろう―――それほどの完成度だとワタシは思います。

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何だかこの原画だけは生で観たい気がしてきました。

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2025.04.16

「ピーナッツ・ギャングのスクールライフ」の図録を読む①

スヌーピーミュージアムの新企画展「ピーナッツ・ギャングのスクールライフ」は3月8日にスタートしていましたが、図録の一般販売は3月31日からとなっていました。ワタシは今月上旬には図録を入手していましたが、ようやく読みました。

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今回も序文をはじめ解説は本家チャールズ・シュルツ・ミュージアムのキュレーターであるベンジャミン・L・クラークが手掛けています。

序文によりますと、シュルツさんは1961~2年にかけてPTAの副会長~会長を務め学校の運営を内部から知る機会も得ていたとのことです。ならば、実際にその経験が作品に活かされていたのかどうかは気になりますね。というわけで、「ピーナッツ全集」の6巻(1961-1962)をおさらいしてみました。

この頃の主な学校ネタは、
1.「ライナスの母親が息子のお弁当に手紙を入れる」
2.「ライナスの父親が月曜日の夜にPTAの会合に出席する」
3.「オスマー先生が給料をもらっていることを知ってライナスがショックを受ける」
4.「学校のクリスマス会の出し物について」
といった感じです。

1.はジョイスさん(当時の奥さん)がやっていたのか、そうでなければPTAで仕入れたネタをヒントにしたのかもしれませんね。
2.はPTAをやっていたからこそのネタのように思えます。
3.はこれもPTAで仕入れたネタのように思えます。
4.もPTAですかね…。

しかしまあ、何とも言えませんね。ありがちと言えばありがちなネタですし、所詮は一読者の推測でしかありません…。

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次のチャプター「学校へいこう!」の解説文では、『「ピーナッツ」の仲間たちは1950年に連載が始まるとすぐに学校に通い始めましたが…』との記述があり、ん?連載が始まってすぐ??そうだったかな~、となりました。

原文を見ますと、"immediately" という単語を使っています。これはもう「直ちに」とかそういうニュアンスになります。『連載始まってすぐ』のギャングたちは未就学児どころか幼稚園すら通っていないような印象も受けますので、ここはちょっと事実誤認では?という感じがします。この不正確さがベンジャミン・L・クラーク氏らしいですけどね。

このチャプターで紹介されている『バス停ネタ』は全て1990年以降のものです。晩年になってから定着した定番ネタになりますが、この頃の子供を見る目はもう父ではなく祖父ですよね。何故『バス停ネタ』が連載末期に増産されたのか?ここに迫れれば大したキュレーターだと思いますけど、そこのところは残念ですね。もうちょっと頑張ってほしいところですな。

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今日はここまでです。

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2025.04.13

ピーナッツ谷啓期吹き替え声優ご健在の件

このブログでは年末に一年の総括をしていますが、その時に必ず訃報を振り返ることになります。昭和のピーナッツ吹き替え声優の訃報は本当に毎年あって辛いものですが、今月はご健在のお二方のお姿を拝むことができました。

お一人は、4月4日に主演映画が公開された三代目サリー・ブラウン声優の松島トモ子さん。まあ映画自体は川崎実監督作品ということで期待はしていませんでしたが、氏の監督作品としてもかなりつまらない部類に入るんじゃないでしょうか。ワタシはくだらない映画は好きですが、つまらない映画というのはちょっと。「ヅラ刑事」はくだらなくて良かったんですがね。

唯一の救いは松島トモ子さんがしゃべっているシーンが一番良かったという点ではないでしょうか。

ただ、今後も映画に出演し続けていただかないと、この「サメ遊戯」が遺作になってしますので、頑張っていただきたいと感じております。

もうお一方は、初代ルーシー声優のうつみ宮土理さん。4月10日放送の「徹子の部屋」に出演されていました。愛川欽也氏が亡くなってからもう10年なんですね。あの頃はメディアを通じて相当辛い状態になっていると伝えられていましたから、このように元気に復帰されたのは喜ばしいことです。今はキンケロ・シアターの舞台にも立てれているとか。しかし、うつみさんの方が松島さんより年上だったんですね。キャリアは断然松島さんの方が長いですが。

番組では懐かしの愛川欽也氏出演時のVTRの少し流しましたが、失礼ながら氏の話す戦争についての下りの方がインパクトがありました。これは今の子ども食堂に通じるものがあります。政府は子ども食堂への支援を呼びかけるのではなく、子ども食堂が不要な社会の実現を考えてほしいですな。昔は無かったんですからね。

ともかく、こういった感じでご健在なお二方の姿を偶然にも短期間に拝見することになったのでした。

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2025.04.12

今年の年末に河出書房新社から出版される本は?候補は3冊

河出書房新社は「ピーナッツ全集」刊行を機にピーナッツ関連の書籍を毎年年末に発売するようになりました。大変ありがたく思っています。

今年も何らかの書籍が刊行されることを期待していますが、今年は75年目のアニヴァーサリーイヤーということもあり、アメリカでは記念本の刊行が相次いでいます。

元旦の記事8月に刊行される "Snoopy, the Story of My Life: The Myth, the Legend, the Beagle!" というハードカバー(アンドリュー・ファラゴ著)が有力候補ではないかと書きました。最近になって書影や中身見本などが公開されました。

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中々イイ感じではないでしょうか。

しかし、あれから4か月たっていますので、他にも刊行予定の情報が出てきました。

"The Essential Peanuts: The Greatest Comic Strip of All Time" というハードカバー(マーク・エヴァニアー監修)が10月に発売されます。連載開始日に合わせて10月に設定したと思われますが、チップ・キッドがデザインを手掛け、ストリップの他、ポストカード、版画、刺繍パッチ、ステッカーなど、ピーナッツ関連グッズを多数収録するとのことです。

著名人のコメントも多数収録するようですが、ワタシ的にはこれが一番楽しみです。気になるコメンテーターは、
ロブ・アームストロング(フランクリンのアームストロング姓の元ネタの漫画家)
ベン・フォールズ(「それは小さなことだけど」の主題歌の作詞作曲歌唱。かつてはヒット曲を出していました)
ベンジャミン・L・クラーク(本家ミュージアムのキュレーター。何を書くのやら)
チップ・キッド(ピーナッツ関連本を手掛けるデザイナー)
ジェフ・モロー(Apple TV+のピーナッツ・アニメの音楽を手掛ける作曲家)
谷川俊太郎(!…いつ頃のコメントでしょうか?)

期待はしたいですが、発売が10月ということもあり、年末までに翻訳は間に合わないでしょうな。来年の刊行になるでしょうか?

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今月22日には "Only What's Necessary 75th Anniversary Edition: Charles M. Schulz and the Art of Peanuts" という本も刊行されます。これは2015年に65周年記念として出版された本の75周年改訂版で、日本では2016年にディスクユニオンの出版部門であるDU BOOKSから「スヌーピーとチャールズ・M・シュルツの芸術 必要なものだけを」のタイトルで刊行されました。…あの時は嬉しかったですね。というのも、2010年の60周年の時も記念本の出版はあったんですが、日本の出版社はどこも動かなかったんですよね。そういう事があったので期待していない中でのまさかの出版でした。ディスクユニオンさんありがとう。

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これも編集・デザインがチップ・キッドなんですよね。3冊の記念本のうちの2冊を同一人物が手掛けているという状況ですね。

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総括しますと、"The Essential Peanuts" は発売日からして今年は難しそうで、"Only What's Necessary" は発売日が早いものの改訂版なので個人的には後回しにしてほしく、そうするとやはり"Snoopy, the Story of My Life" が有力なのかな、という気がします。

あとは値段ですね。どれもハードカバーですから結構な額になるんでしょうね。そこだけが心配です。

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2025.04.07

「鳥」展でウッドストックとコラボ

もう周知されていることですが、昨年国立科学博物館でやっていた「鳥 ~ゲノム解析で解き明かす新しい鳥類の系統~」展が、3月15日から名古屋市科学館で再開されています。

WEBの紹介文の中に「ハヤブサはタカよりもインコに近い仲間?」という記述がありますが、ワタシは「隼は猛禽類ではなく雀の仲間」と教わりましたので、ここはちょっと引っ掛かります(敢えて調べずに書いていますが違ってましたらすみません)。

それはそれとして、ウッドストックとのコラボです。国立科学博物館の時は「ピーナッツとコラボ予定」という情報はあったものの続報に触れられなかったのでスルーしていましたが、ちゃんとグッズ化されていたんですな。鳥繋がりですからピラミッド展のような強引さは無くていいんじゃないでしょうか。

で、展開されるグッズのメインの意匠はサンデー版の七面鳥風のウッドストックでした。

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このカットはかわいいですから結構人気で、海外でもTeeシャツなどにプリントしたものが売っていますね。元々感謝祭に関連したカットですから、所謂ピルグリムファーザーズ風の服装のスヌーピーを合成したものもあったりしますが、ここは日本ですからそういう事もなくヌケサク鳥たちをあしらったデザインになっています。

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ここから下は余計なことかもしれませんが…

DEIを推進している今日この頃、そろそろハリエットにリボンを付けるのは止めてもいいんじゃないですかね。リボンなんて典型的な女の子のアイコンじゃないですか。シュルツさんは元々ハリエットにリボンを付けていませんでしたし。

ミニー・マウスはどうなんだ、という話もあるかもしれませんが、あちらは最初からそういう意匠ですからね。最近のディズニーの動向を見ていますと、将来的にミニーのリボンもなくなる可能性はゼロではないと思いますが、どうでしょう。リトルマーメイドとか白雪姫とか色々やらかしてますが、さすがにミニーは聖域ですかね。

DEIを抜きにしても、女の子だからリボンを付ける、という発想自体が安易ですよね。これはベルについても言えますね。

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2025.04.06

ウッドストック・メドレーのPV

リー・メンデルソン・スタジオのYouTubeチャンネルに、「チャーリー・ブラウンのイースター」のサントラ盤のボーナス・トラックのPVがアップされていました。

 

パーソネルは、

デヴィッド・ベノワ(ピアノ、ローズ)

スワード・マッケイン(ベース、フルート)※「チャーリー・ブラウンのイースター」サントラのオリジナル・ベーシスト

マイク・クラーク(ドラム)※「チャーリー・ブラウンの感謝祭」サントラのオリジナル・ドラマー

となっていますが、何と「チャーリー・ブラウンのイースター」サントラのオリジナル・ドラマーであるエリオット・ジグムンドもWEBでコメントを寄せています。2021年現在ではありますがガラルディ以外はみんなお元気で、観ていて涙がチョチョギレます。PVのラストにはリー・メンデルソンも登場し、更にエ~ッ!となりましたが、流石にこれは編集でした(彼は2019年に亡くなっています)。

ベノワがジャズを志したのはガラルディの影響ですし(本人談)、伝説のガラルディの共演者とセッションできたというのは相当に嬉しかったでしょうね。グラミー賞アーティストであるベノワ本人もレジェンドと言えばレジェンドです。レジェンドがレジェンドを呼びレジェンドを演奏する。これは本当に素晴らしいPVです。

このPVは是非観てください。英語が苦手な人は字幕をOnにして。ガラルディの晩期である1975年までのピーナッツのTVスペシャルに思い入れのある人でしたら絶対に感じるものがあるはずです。

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2025.04.05

「チャーリー・ブラウンのイースター」のサントラCD届く

3月21日の発売から約10日を過ぎ、「チャーリー・ブラウンのイースター("It's The Easter Beagle, Charlie Brown")」のCDが到着しました。早速ライナーを読んでいこうと思います。

配信を聴いた感想は3月22日の記事に書きましたが、やはりライナーを読まなければ判らないことも多々あるものですな。

まず、タイトル曲とエンドテロップの曲が繋がって1曲になっていた件。ワタシはこれはオンエア時に切り離したのだと思いましたが、実はサントラ用に繋げて1曲にしたというのが正解でした。逆だったんですね。確かにこの方が美しさが増してよかったと思います。

ベートーヴェンの交響曲第7番第2楽章のアレンジは(3月22日の記事では書きませんでしたが)TVスペシャル本編で聴けるサウンドと印象が違っていたのが気になっていましたが、これはラテンジャズのグルーヴを取り入れていることを強調するためにサントラ用にベースとドラムを強調したミックスにしたのだそうです。なるほど~、確かにこれはこれでいいですね。

ベートーヴェンとバッハを使用した件について明確な理由は書かれていませんでしたが、ガラルディは熱狂的なクラシック・ファンだったそうです。これは知りませんでした。ドビュッシーなど印象派から影響を受けたジャズ・ピアニストは多々いますが、ガラルディもそうだったんですね。このサントラでもベートーヴェンのピアノ・ソナタ第3番を弾いていますが、クラシックのレッスンも受けていた人だったようです。

また、メインテーマにフルートを起用した理由についても書かれていませんでした。イースターバニー(イースタービーグルのルーツ)が定着したのが16~17世紀(諸説あり)と言われているのでその時代の雰囲気を出そうとしたのかもしれません。ガラルディ作曲のメインテーマとベートーヴェンの7番第2楽章(イースタービーグルのテーマ曲)の双方にフルートが用いられていることによって、音楽的に違和感がなくなっているという効果もあります。

3月22日の記事で、この作品用の録音が少ないことを指摘しましたが、1973年10月に「チャーリー・ブラウンの感謝祭」、1974年1月にチャーリー・ブラウンのイースター」、同年3月に「ミステリーだよチャーリー・ブラウン」と立て続けに録音しており、手際よく済まそうとしていたのからなのかもしれません。作曲もちゃんとはしておらず、例えば23秒の曲だったらアドリブで演奏してエンディングだけガラルディが決める、というような感じだったようです。

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デヴィッド・ベノワのボーナス・トラックについて。

このサントラのラストにはデヴィッド・ベノワのトリオによる「ウッドストック・メドレー」という7分の曲が収録されていて、それで何とかトータル29分になっています。この「ウッドストック・メドレー」について、ワタシはてっきり時間調整のために新録されたものだと思っていましたが、実は2021年に録音されていたものでした。

ライナーによるとこの年、ベノワはガラルディのテーマを取り入れたオーケストラ曲を手掛けていて、その合間にこの曲の録音をしたのだそうです。参加ミュージシャンは「チャーリー・ブラウンのイースター」のオリジナル・ベーシストのスワード・マッケインと、「チャーリー・ブラウンの感謝祭」のドラマーのマイク・クラーク(ハービー・ハンコックともやっていた人ですね)で、マッケインはフルートも演奏しています。更にレコーディング・スタジオも「チャーリー・ブラウンのイースター」と同じ場所だったそうです。この偶然的な拘りが違和感なくアルバムに収まった要因だったんでしょうな。

しかしガラルディは心臓発作で夭折してしまいましたが、こうやって一緒にセッションした人はまだ存命してるんですな。ジャズマンもドラッグとかで早死にした人も多いですが、長寿な人も多いですよね。つくづくガラルディは残念です。

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ガラルディとギターについて。

このサントラでもガラルディはギターをガンガンに弾いていますが、効果的にはもう完全にギタリストのそれですね。しかし、デリック・バングによるとこの年の春のライヴからはエレクトリックからアコースティックへ回帰していったそうです。スワード・マッケインによるとガラルディは飽きたということのようなんですが、TVスペシャルでは電気楽器を使用し続けていますし、"You're A Good Sport, Charlie Brown" というエレクトリック・ガラルディの最高峰も誕生しています。この辺のことは新たなサントラ盤が発売になった際に色々と判明してくるんでしょう。楽しみに待ちます。

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しかし、このライナーを読んで色々と気になることが増えてしまいました。

まず、デヴィッド・ベノワの2022年のガラルディのテーマを使ったオーケストラ曲ですね。ライヴをやったそうですが全然知りませんでした。

あと、2009年に "In Full Bloom: Peanuts at Easter" というドキュメンタリー番組が作られていたそうで、これらは調べないとイカンと思いました。

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2025.04.03

タウンショップ新宿店、4月25日オープン

タウンショップについて記事を書くのはかなり久々だと思います。昔は結構追いかけていたんですよ。坪数とかをリストにしてデータベースを作っていたこともありましたが、PCが壊れてそれっきりになってしまったり…あのデータ消失は自分的には痛かったです。

フェイスブックにニュースがあったんですが、今月だけで3店もオープンするんですね。

4月1日に「広島パルコ店が4月18日オープン」というニュースがあって、今日4月3日に「名古屋パルコ店が4月25日オープン」と「新宿店が4月25日オープン」というニュースが出ていたようです。で、新宿店が33店舗目で名古屋と広島がどちらも32店舗目なんだそうです…だってそう書いてあるんだもん。

タウンショップ関連の記事はずっとスルーしてきた、といいますか、全然引っ掛かってこなかったので知らなかったんですが、タウンショップというのは「しあわせは…あったかい子犬」がテーマなんだそうで、これは知りませんでした。うーん、いつからこうなっていたんでしょうか?

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それはそれとして、『おかいものスヌーピー』のサイトにも久々に行ってみたんですが、いつの間にか書籍の取り扱いを辞めていたんですね。

これまでも取扱商品一覧の一番最後に書籍があって、そんな扱いに憂いていたもんですが。いやあ、遂に極まったか、って感じですね。

まあ効率とか在庫リスクとか色々と考えたんでしょうな。書籍を買いたい人は書籍専門のサイトを使ってくださいという事なんでしょうし、恐らくほとんどの人がそうしていたんでしょう。売れていなかったんでしょうし、仕方が無いですかね。

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それでも敢えて書きますが、

原作著者についての紹介ページが無い公式サイト

原作書籍を取り扱わない公式通販サイト

本当にこんな事でいいんでしょうかね?

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