1968年に何が日本上陸したのか?
2018年は『ピーナッツ日本上陸50周年』として盛り上がり(?)もとい、盛り上げようとしていましたが、果たして何が上陸したのかは定かになっていません。
ウィキペディアによりますと1968年に「女性セブン」がサンデー版を掲載していたようですが、確証はありません(同サイトではピーナツブックス刊行が1967年となっており信憑性がありません)。
産経新聞の50周年関連記事よりますと、『日本で初めてピーナッツのキャラクター商品が作られたのは昭和43年』とあるんですが、それが何なのかは判りません。ピーナツブックスは1969年、ぬいぐるみは1970年の発売で、鶴書房とファミリア以前に権利を取得した日本企業はないはずですので、有りうるとすればホールマークがグリーティングカードもしくはそれに類するステーショナリー的なものを販売したということになると思います。
調べてみますと、とりあえず1965年には既に日本に代理店を設置してデパートなどでカードを売っていた模様。当時の日本は労働力が安く(1ドル360円の固定相場 )輸出が盛んでホールマークのカードも明治44年設立の図書印刷株式会社が下請けで印刷を請け負っていたようです(「国勢総覧」による)。
1968年(もっと前からでしょうが)には既にクリスマスシーズンにクリスマスカードが店頭に並ぶようになっており、そういったカードの中にピーナッツの図柄のものが含まれていた可能性はあります。
それをして『ピーナッツ日本上陸50周年』と言っているのかもしれませんが、これも確証はありません。『これが日本初のピーナッツのキャラクター商品だ!』みたいに画像の公開でもあればスッキリしたんですがね。
いずれは60周年が来ますので、その時までにはもう少し明確にしておいていただきたいものですが。
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実はピーナッツが初めて日本に上陸したのは1968年ではありません。輸入品が持ち込まれていたとか紛らわしいことは抜きにして、最初に翻訳された本が出版されたのは1966年になります。
日本基督教団出版部から出版されたロバート・ショート著の「ピーナッツ福音書」です。日本人の手によって翻訳された純然たる最初の日本産のピーナッツ商品と言えるでしょう。
キリスト教徒ではない植草甚一氏も所有していることを書いていましたが、それが原書でなければ一般書店でも販売されていたということになります。 どれだけの部数が出たのかは判明しませんが、ワタシの手元にも届くくらいですからそれなりに売れていたのでしょう。
いずれにせよ公式は詰めが甘かったということになります。
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