杉山佳寿子(学研ビデオ)版

次に登場したのが杉山佳寿子をチャーリーブラウン役に据えた布陣で、90年代に"Gakken HOME VIDEO"から販売されたシリーズである。

これもまたビデオソフト用の吹替であるが、商品として先の古田版と違うのはレンタルだけではなくセル(販売)市場も視野に入れている事と英語教材的な側面を持たせている事である。

初登場は"CHARLIE BROWN AND SNOOPY SHOW #11"" #12"" #13"" #14"" #16""SNOOPY'S GETTING MARRIED, CHARLIE BROWN" の6作である。
ショートコントの寄せ集め"CHARLIE BROWN AND SNOOPY SHOW" が本邦初公開されたのはこのシリーズなのである。

1990年、学習研究社から「スヌーピー&チャーリーブラウン」のシリーズ名で、5月に7タイトル、11月に5タイトルの全12タイトルのVHSが書店販売用にリリースされた。5月の7タイトルは基本的に吹替版で、そのうちの3タイトルだけが吹替版と二ヶ国語版の2種類が販売された。11月の5タイトルは全てマルチ録音版(1)のみの発売となっていた。

レコード店(所謂CDショップ)用としては、ビクター音楽産業から同仕様のものが同年6月に7タイトル、12月に5タイトルがリリースされた。

同社からは6月、レンタル用のVHSが「スヌーピー&チャーリーブラウン」のタイトルで、1本2話収録にまとめられて3巻でリリースされた。これは吹替のみだったようである。

1992年になると書店以外の発売元が東宝ビデオになり、セル用12タイトルをレンタル用として6月~8月に毎月4タイトルづつ、合計12タイトルをリリースした。仕様はそれまでのものと同様である。東宝ビデオはレコード店用セル商品は出さなかったようである。


チャーリーブラウン・・・杉山佳寿子
サリーブラウン・・・松井菜桜子
ルーシーヴァンペルト・・・三輪勝恵
ライナスヴァンペルト・・・伊倉一恵
リランヴァンペルト・・・こおろぎさとみ
シュローダー・・・折笠愛
ペパーミントパティ・・・山田栄子
マーシー・・・林原めぐみ
フランクリン・・・富沢美智恵
シャーミー・・・真柴摩利
ピッグ・ペン・・・水谷優子
バイオレット・・・川村万梨阿&水谷優子
フリーダ・・・伊藤美紀&水谷優子
ロレッタ・・・水谷優子
キャンプでCBを呼び出す男の子・・・水谷優子
サリーに定規を壊された男の子・・・水谷優子
モトクロスのスターター・・・水谷優子

野沢雅子版以来の「子供の声を大人の女性があてる」吹替である。
ベテラン揃いの野沢版と違い、こちらは(べテランも勿論いるが)当時の若手声優が多数参加している。林原めぐみが出演しているのにはちょっと驚く。
水谷優子は基本的にサブ/ゲスト・キャラ専門のレギュラーだったようだ。

パティ(ペパミント・パティでない方)は結構セリフがあるのだが、クレジットが無い。それもそのはず、シナリオをみるとパティが"GIRL"と表記されている。日本版スタッフはパティの事を名無しキャラだと思っていたようだ(だから水谷優子がやっていたようである)。

杉山チャーリーは野沢版直系という感じで、ゆっくりテンション低くしゃべる。ライナスはとても落ち着いた語り口で印象に残る。ルーシーは他のキャラクターが思い浮かびすぎる。

ダイアログは、かなり谷川俊太郎訳を意識している。マーシーの台詞に顕著で、"Sir"は「先生」、チャーリーブラウンの事は「チャールズ」と(まだ原作ではチャールズと言っていない時代の作品でも)呼んでいる。

翻訳は全般的に子供向きに平易になっているようだ。例えば「スヌーピーは名探偵」での法廷のシーン、「被告」「原告」が「訴えられた人」「訴えた人」となっていたりして残念。


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二ヶ国語版とマルチ録音版と2種類の表記があって解りづらい。どちらもステレオトラックの右と左に英語と日本語が収録されているのは同じなのだが、マルチ録音版はモノラルトラックに日本語を収録しているところが違う、ということだと思う。
二ヶ国語版、マルチ録音版には対訳のシナリオが封入されていた(実際の吹替用シナリオではないので全然合っていない)。