劇場版アニメの吹替

劇場版アニメの吹替は、以下のバージョンが存在する。

 野沢雅子版(1973~1976)
 塩屋翼版(1984)
 松岡洋子版(1984~1985)
 坂本千夏版(1991)
 古田信幸版(1986~1987、1999)※
 下條アトム版(2003)
 鈴木福版(2015)

※古田信幸版については別項もあるので、そちらも参照を。

 
 

●野沢雅子版

劇場版アニメ1~3作の、70年代に劇場公開された時の布陣である。首都圏では基本的に"有楽町スバル座"での単館ロードショーだった。

当時の邦題は
第1作「スヌーピーとチャーリー」
第2作「スヌーピーの大冒険」
第3作「がんばれ!スヌーピー」

ピーナッツ映画の日本初登場は1972年9月23日(土)に公開された「スヌーピーとチャーリー」(有楽町スバル座)だが、これは英語版のみの上映だった。

よって、野沢雅子版の初登場は、1973年の8月11日(土)から10月5日(金)まで公開された第2作「スヌーピーの大冒険」である(有楽町スバル座での単館上映だったが、横浜・相鉄映画でも8月18日から1週間だけ上映している)。1日7回の上映のうち、5回目までが吹替版で、6回目以降は英語版だった。

1975年には「スヌーピーの大冒険」が7月26日(土)から9月26日までリバイバル上映された(この時はフランスの短編映画「風船と少年」との併映だった)。前回2回あった英語版の上映は1回に減らされている。

そして、1976年7月10日(土)から9月24日まで第1作「スヌーピーとチャーリー」がリバイバル上映されたが、ここで初めて同作の吹替版が登場した(今回は吹替のみの上映)。2ヶ月と2週間のロングランで、10万人以上動員したそうである。

第3作「がんばれ!スヌーピー」は吹替版のみで、1977年7月16日(土)から9月2日まで公開されたが、途中から"新宿ビレッジ2"が加わり、シリーズ初の2館上映が実現した。(以上、あくまで首都圏での状況である。また、所謂"二番館"上映については割愛)


チャーリーブラウン・・・野沢雅子
サリーブラウン・・・貴家堂子
ルーシーヴァンペルト・・・平井道子
ライナスヴァンペルト・・・松島みのり&太田淑子
シュローダー・・・吉田理保子&松島みのり
バイオレット・・・山本嘉子
パティ・・・丸山裕子
フリーダ・・・友近佳子
シャーミー・・・小宮和枝
ペパミントパティ・・・丸山裕子
マーシー・・・杉山佳寿子
フランクリン・・・白川澄子
ピッグ・ペン・・・松金よね子
クララ・・・杉山佳寿子
ライラ・・・増山江威子
サマーキャンプのワル1(リーダー)・・・松金よね子
サマーキャンプのワル2(太っちょ)・・・小宮和枝
サマーキャンプのワル3(前歯)・・・浅井淑子

(以上、1~3作目のキャストをごちゃ混ぜ表記)

1作目でライナス役の松島みのりが2作目ではシュローダーに。3作目では元に戻っている。これは吹替え版の公開順が2作目・1作目・3作目だったためであろう。

1作目のパティと2作目のペパミント・パティがどちらも丸山裕子っていうのは・・・。
2作目のクララと3作目のマーシーがどちらも杉山佳寿子っていうのは顔が似ているから?。
「がんばれスヌーピー」の対訳シナリオ(別冊SNOOPY)を見るとマーシーはPパティのことを「おねえさま」と呼んでいるが、実際の公開作品ではどうだったのだろう。


●塩屋翼版

1984年12月27日(木)17:04~18:00に日本テレビで放送された時の布陣(1984年以前にも放送されていた説もあり)。
2003年4月19日(土)10:00~11:30にカートゥーン・ネットワーク(CN)でも放送された。
3作目のみ。

邦題は
「スヌーピーとチャーリーブラウン」
CNでは「スヌーピーとチャーリー・ブラウン がんばれ!スヌーピー」


チャーリー・ブラウン・・・塩屋翼
サリー・ブラウン・・・井上瑤
ライナス・ヴァンペルト・・・塩沢兼人
ルーシー・ヴァンペルト・・・山田栄子?※3
シュローダー・・・?
ペパミント・パティ・・・小宮和枝※2
マーシー・・・山田栄子?※3
フランクリン・・・龍田直樹※2
サマーキャンプのワル1(リーダー)・・・富山敬※2
サマーキャンプのワル2(太っちょ)・・・たてかべ和也※1※2
サマーキャンプのワル3(前歯)・・・肝付兼太※1※2


※1)ささやんさん提供の情報(多謝)
※2)morikenさん提供の情報(多謝)

塩屋翼は同時期にTVのなべおさみ版でライナスを演じている。準主役から主役へと昇格ともいえる。

肝付兼太は谷啓1期版シュローダーからワル3(前歯)に降格してしまった。

入れ替わりで野沢雅子版ワル2(太っちょ)の小宮和枝はペパミント・パティに昇格。後の松岡洋子版ではルーシー役と更に昇格する。

山田栄子は杉山佳寿子版でペパミント・パティをやっていたが、こちらでは?
※3)morikenさんによると、ルーシーは声が山田栄子っぽくないとの事。とするとマーシー?

ラテ欄に富山敬の名があったので、てっきりシュローダーかフランクリン役だろうと思っていたが、実はサマーキャンプのワルのリーダー役であった。レギュラー陣を差し置いて名無しのワル役の方が載るというのは役者の格なのであろうか?




●松岡洋子版

80年代に角川映画の併映作として1・2作目が劇場公開された時の布陣。ピーナッツは角川映画だったのだ。

当時の邦題は
第1作「スヌーピーとチャーリーブラウン」
第2作「スヌーピー・アドベンチャー」

1980年に角川書店が廃刊となっていた鶴書房版"ピーナッツブックス"を"スヌーピーブックス"として復刻、更に新刊もリリースする事になった。恐らくは角川書店として書籍の宣伝も兼ねての公開だったと思われる。

第1作は1984年3月19日(土)公開の「スヌーピーとチャーリーブラウン」。「少年ケニヤ」の併映だけあって、全国東映系での一斉ロードショーとなり、関東だけでも60館以上の劇場での公開となった。勿論、併映といっても対等な訳がなく、宣伝も広告も完全に差をつけられた"おこぼれ頂戴"状態だった(新聞広告のスペースだけだったら、単館上映だった野沢雅子版の頃の方が大きかった)。

続く第2作は1985年4月27日(土)公開。アフレコ・シナリオの段階(録音は84年12月)では「スヌーピーの大冒険」のタイトルだったが、何故か公開時には「スヌーピー・アドベンチャー」となった。関東では新宿東映ホール・1のみの単館上映で、前回に比べ極端なまでの小規模公開になってしまった。この時は「スヌーピーとチャーリーブラウン」との二本立てだった。ポスターなどのビジュアルイメージもフットボールの格好をした本編とまるで関係ないものになっていた。


チャーリーブラウン・・・松岡洋子
サリーブラウン・・・大杉久美子&及川ひとみ
ルーシーヴァンペルト・・・小宮和枝
ライナスヴァンペルト・・・松島みのり
シュローダー・・・戸田恵子
バイオレット・・・藩恵子
パティ・・・田中真弓
フリーダ・・・滝沢久美子
ペパミントパティ・・・山本圭子
ピッグ・ペン・・・千々松幸子
ライラ・・・大杉久美子
クララ・・・堀絢子

スヌーピー・・・山崎唯
ウッドストック・・・田中真弓


なんと、ライナスは野沢雅子版と同じ松島みのりであった。
1作目でサリーを演じた大杉久美子は2作目でもシナリオの段階ではサリー役だったが、結果的にライラにシフトした。これは「ライラのテーマ」を歌う必要性からだと思われる(この版は挿入曲を含めて完全吹替であった)。
スヌーピー&ウッドストックの山崎唯と田中真弓もミュージカル要員で、歌唱のみの出演と思われる。

この布陣の作品は全くソフト化がされていない(1988年に発売されたレーザーディスクのパッケージのクレジットはこの布陣になっているが、これは全くの間違いで、内容は野沢雅子版)。

残念だがこれ以上書ける事柄が無い。私は1985年の二本立てを観ているのだが、"スヌーピーのマーチ"のシーンで「ああ、田中真弓の声だなあ…」と思った事以外記憶が残っていないのである。



●坂本千夏版

1991年8月22日にTBS「木曜シネマシアター」で放送されたものの布陣。
"特集・スヌーピーとチャーリーブラウン"と題し、深夜の1時35分から明け方の4時40分までかけて1・2作を連続放送した。その為、通常3時30分に放送している「CBSイブニング・ニュース」を休止している。夏休み期間中とはいえ、何故深夜に放送されたのかは謎。

邦題は
第1作「チャーリーブラウンという男の子」(DVDは「スヌーピーとチャーリー」)
第2作「帰っておいで、スヌーピー」(DVD及び、2010年以降のカートゥーンネットワークでは「スヌーピーの大冒険」)

かつては深夜に1回TV放送されたバージョンだったためマイナー扱いだったが、現在では流通しているDVDもカートゥーンネットワークで放送されている版もこの坂本版になったため、逆に最もメジャーな存在となっている(ただ、ノン・クレジットなので坂本千夏=CBの認知度は低いかもしれない)。

最初の放送時では1作目がノーカット版だった(それまでのソフトはカット版)。
この2作が初めてDVD化された時は、それまでのVHSの音声(野沢版・古田版)ではなく、この坂本版を使うようになったが、何故かまた1作目はVHSと同じ箇所がカットされたままだった(アメリカのDVDはノーカット)。メーカーによれば、マスターがそうなっていたとの事だが・・・。

しかし、2008年以降にカートゥーンネットワークで放送されている坂本版は、最初のオンエア時のようにまたノーカット版に戻っている。


チャーリーブラウン・・・坂本千夏
サリーブラウン・・・山田妙子
ルーシーヴァンペルト・・・渕崎ゆり子
ライナスヴァンペルト・・・横沢啓子
シュローダー・・・鈴木みえ
バイオレット・・・玉川沙己子
パティ・・・深雪さなえ
フリーダ・・・稀代桜子&池上麻里子
スヌーピー・・・松本梨香
ペパミントパティ・・・前田雅恵
ピッグ・ペン・・・高乃麗
クララ・・・稀代桜子
ライラ・・・三田ゆう子

1作目でフリーダ役の稀代桜子が2作目ではクララをやっている。
クレジットでは松本梨香がスヌーピー役をやっている事になっているが、勿論スヌーピーにセリフは無い。


●古田信幸版(1期)

1986年~87年にリリースされたビデオソフト用の布陣で、唯一TVシリーズと同じキャスティングが存在するもの。
2・4作のみ。

邦題は
第2作「スヌーピーの大冒険」
第4作「スヌーピーとチャーリー ヨーロッパの旅」


チャーリーブラウン・・・古田信幸
サリーブラウン・・・神代知恵
ルーシーヴァンペルト・・・滝沢久美子
ライナスヴァンペルト・・・堀内賢雄
シュローダー・・・小野健一
ペパーミントパティ・・・羽村京子
マーシー・・・?
フリーダ・・・木藤聡子
ライラ・・・吉田美保
クララ・・・木藤聡子
その他・・・松井菜桜子 etc...


●古田信幸版(2期)

尚、1999年7月に3・4作目のビデオが再発売された時、一部キャストを変更してアフレコし直したようである。

その際の邦題は
第3作「スヌーピーとチャーリーブラウン がんばれ!スヌーピー」
第4作「スヌーピーとチャーリーブラウン ヨーロッパの旅」


チャーリーブラウン・・・古田信幸
サリーブラウン・・・神代知衣
ルーシーヴァンペルト・・・滝沢ロコ
ライナスヴァンペルト・・・関俊彦
ペパーミントパティ・・・伊倉一恵
マーシー・・・高田由美
その他・・・菊地正美、吉田古奈美、藤本譲、大木民夫、田中敦子、大川透

ブラウン家以外は総入れ替えとなった。


●下條アトム版

2003年12月29日にNHK-BSの"冬休みBSアニメ特選"枠でで突如放送された吹替えヴァージョン(再放送・2004年12月31日)。 
古田版がWOWOWやカートゥーンネットワークに持っていかれてしまった(?)ために、新規に吹替えをしたのだろうか。
今の所4作目のみ。

邦題は
「スヌーピーとチャーリーブラウン ヨーロッパの旅」


チャーリーブラウン・・・下條アトム
サリーブラウン・・・小桜エツ子
ルーシーヴァンペルト・・・まるたまり
ライナスヴァンペルト・・・森川智之
シュローダー・・・成瀬誠
バイオレット・・・吉田小百合
ペパーミントパティ・・・杉村理加
マーシー・・・山崎バニラ
ピッグ・ペン・・・私市淳
ピエール・・・私市淳
ビオレット・・・白鳥由里
男爵・・・佐々木勝彦
アメリカの空港の係員・・・坂口賢一
イギリスのレストランのウエイター・・・坂口賢一
キャビンアテンダント・・・加藤ゆう子
ヒースロー空港の入国審査官・・・斉藤志郎
イギリスのタクシー運転手・・・斉藤志郎
ウィンブルドンのテニスの審判・・・稲田恵司
フランスのレンタカー係・・・稲田恵司
女性教師の声・・・まるたまり


全体的になべおさみ以降の大人配役版と大きなイメージの変化は無い。配役の変化に気付かない人もいるのではないだろうか。

まるたまりはルーシー役というよりは、女性教師役といったほうがいいかもしれない。ルーシーは台詞が一言しかない。

登場場面が多いペパーミントパティは海外ドラマに出てくるOLのようなしゃべり。


●鈴木福版

2015年12月4日に全国339劇場で公開された35年ぶりの劇場用アニメ第5作目の布陣。
劇場用アニメが子役によって吹き替えられたのは、この鈴木福版が初めてである。

邦題は
「I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE」

全国週末興行成績(2015年12月5日~6日)で初登場3位、動員約11万4,700人、興収約1億5,400万円を記録。累計興収8億円見込。

チャーリーブラウン・・・鈴木福
サリーブラウン・・・小林星蘭
ルーシーヴァンペルト・・・谷花音
ライナスヴァンペルト・・・藤村真優
シュローダー・・・石井陽
ペパーミントパティ・・・野呂真愛
マーシー・・・須藤風花
フランクリン・・・里村洋
ピッグ・ペン・・・ラヴェルヌ知輝
フリーダ・・・清水詩音
パティ・・・池田優音
ヴァイオレット・・・千野羽舞
シャーミー・・・杉村透海
赤毛の女の子・・・芦田愛菜
そのほか・・・大河原爽介、大川春菜、萱野優、堀川恭司、細川晴太、森尾俐仁、森香奈衣、橋本佳奈、山崎智史