カテゴリー「ピーナッツ・音楽」の268件の記事

2025.05.09

"You're Good Sport, Charlie Brown" のサントラ盤、7月11日発売決定!

リー・メンデルソン・フィルム・プロダクションズから7月11日に"You're Good Sport, Charlie Brown" のサントラ盤が発売されるというアナウンスがありました。

先日、"Coming Soon" の動画がアップされたばかりでしたが、早い発表でしたね。YouTubeチャンネルではサントラから"Motocross"がアップされています。

 

この1曲を聴いた感想ですが、正直言いましてちょっと不安ですね~。

ミックスがあまりよくありません。ベースが前に出過ぎていて、アープストリングがほとんど聴こえません。TVスペシャルを観ればわかりますが、この曲はアープの過剰さが一種魅力になっているのです。全体的にこのようなバランスにならないことを祈るしかないですが…。

「チャーリー・ブラウンのイースター」収録のベートーヴェンの交響曲第7番第2楽章については楽器のバランスが調整できたわけですから、ひょっとすると『自然なバランス』になるように意図的にこのようなミックスにしたという可能性もありますが、果たして最終的にどうなりますか。

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リー・メンデルソン・フィルム・プロダクションズからのCDはこれで6枚目になりますが、これまでリリースされてきたCDが日本のガラルディ・ファンの手元にどれだけ届いているのかがちょっと気になります。

国内盤が発売されていないのは勿論ですが、タワーレコードやHMVなど主要な輸入盤を扱うショップで発売日前に予約しても入手まで1か月以上かかるのですから、当然リアル店舗で店頭販売はされていないでしょう。snoopy.co.jp、おかいものスヌーピー、ブラウンズストアなど、公式と言われるところでも全くアナウンスされていません。

つまり、需要はあるかもしれませんが、情報自体が全く足りていないのです。

ワタシのように、

1.リー・メンデルソン・フィルム・プロダクションズのYouTubeチャンネルをお気に入り登録している

2.デリック・バング氏のブログ "Impressions of Vince" をブックマークしている

3.定期的に "Charlie Brown" のキーワードで海外の音楽系ショップのサイトをチェックしている

というように自分から情報を取りに行っていないと中々得られないと思います(まあ、現在であれば1.または2.だけチェックしていれば充分ですが)。

ワタシと同世代で70年代にNHKでTVスペシャルを観ていた人であれば、ヴィンス・ガラルディの音楽に惹かれた人も少なくないのではないかと思うんですが。もちろん、若い方でもいるでしょう。そういう方々には是非とも入手していただきたいんですが、如何せんこのような弱小ブログで宣伝しても殆ど効果は無いでしょうし、何とももどかしい限りです。

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そういえば2017年、アメリカのサントラ専門レーベルKRITZERLANDから、映画"A Boy Named Charlie Brown" の『音楽だけ』のサントラCDが限定発売されました。確か全世界で限定1000枚で、あの時はタワーレコードで買えました。

タワーレコードは元々あのレーベルが強くて、マニアックな限定CDをよく取り扱っていましたね。「ナイトライダー」のCDとか買っちゃいましたよ。閑話休題。

ワタシも情報収集していたおかげでこれを見逃さず入手できましたし、拙ブログでそれを知った数人の人から購入できた喜びの声をいただいたこともありましたっけね。今も微力ながらもそのような貢献ができていればいいんですが…。

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2025.05.08

「シュローダー」の別ヴァージョン(from "Jazz Impressions of A Boy Named Charlie Brown: Expanded Edition")

本題の前に、昨日の記事で『曲によってステレオ感が弱いようなミックスがある』ということを書いたことについて。ライナーをよく読みますとセッションは5月26日と9月11日にサンフランシスコのコースト・レコーダーズ、10月26日に南カリフォルニアのホイットニー・スタジオで3回に分けて行われたようです。この辺がムラの原因でしょうかね?

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今回発売になった "Jazz Impressions of A Boy Named Charlie Brown: Expanded Edition" の目玉と言えば、「シュローダー」の別ヴァージョンの収録でしょう。

この「シュローダー」という小品は、ショパンのプレリュード作品28-7を思わせる落ち着いた雰囲気のピアノ・ソロ曲で、正に「シュローダー」というタイトルにふさわしい感じに仕上がっています。

しかし実はこの曲にはピアノ・トリオで演奏したヴァージョンもあって、それが今回のアルバムに収録されるというアナウンスが発売前から流れていたので、それは一体どのようなものなのかと、とても興味を持っていました。

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さて、「シュローダー」の別テイクは、7曲目にテイク3、10曲目にテイク2が収録されています。

まずテイク2です。お馴染みのメロディがスタッカート気味に登場します。確かにトリオ演奏ですが、テーマを2回繰り返すだけでブリッジが無く、48秒で終わってしまいます。う~ん。発展途上とはいえ寂しい。ちょっと肩透かしでしたかね。

テイク3を聴いてみましょう。  これは…。これまた悩ましい。ガラルディは全然別物に仕上げてきました。出だしはちょっと「チャーリー・ブラウン・テーマ」を思わせるメロディで、聴き進んでいくと薄っすらと「シュローダー」のような気がしてきますが、いやいやコレは別物でしょう。テイク2からテイク3へと大きく軌道修正した後、どのようにピアノ・ソロのあの完成形に辿り着いたのかが、逆に不思議になってきました。これは全テイクが公開されないと判らないですね。

結論からしますと、ちょっと期待が大きすぎたようですな。ワタシが勝手にあの完成形にベースとドラムが加わったようなものを想像していただけですから。テイク3は別の曲としてはまあまあ楽しめますのでそれで良しとしますかね。

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しかし、この曲には他にも謎があるのです。

今回のアルバムには未収録ですが、歌詞が付いたヴァージョンも存在しています。

そのヴァージョンは、「チャーリー・ブラウンの休日(原題:Charlie Brown's Holiday Hits)」というCDに、"Oh, Good Grief! (Vocal)" というタイトルで収録されています。曲は子供2人によるアカペラです。


ああ、君は野球で900試合も負けたし
それに君を罵るのは僕らは大好きだし
それに君は凧揚げも習ったことないし
それに君はペンがないから書くこともできないし
それに君はお昼休みは一人で座って落ち込んでるし
君は優柔不断な間抜けなヤツさ
チャーリー・ブラウン、チャーリー・ブラウン
君には希望なんて一つもないよ

「やったー!やったー!
 あの新しい女の子が
 今日お昼休みに、僕に微笑んでくれたんだ!」

そして今夜、僕は家に帰って祈るよ
明日彼女が来てこう言ってくれるように
「チャーリー・ブラウン、チャーリー・ブラウン
 あなたと知り合えて嬉しいわ」

ああ、あの新しい女の子がこっちを見てるよ
ああ、ヤレヤレ、こっちで呼んでるよ
「チャーリー・ブラウン、チャーリー・ブラウン
 何してるの?」

「ああ、何でもないよ!何でもないよ!
 何かしたいことある?」
「私の新しい凧を揚げるのはどう?」

「君の凧を揚げられたら、とても誇りに思うよ。
 僕は全力で走るよ。」
「チャーリー・ブラウン、チャーリー・ブラウン。
 しっかりつかまえててね。」

ああ、彼は凧を空に上げてるよ
ああ、ソイツは木に当たって、壊れちゃうよ
「チャーリー・ブラウン、チャーリー・ブラウン
 壊しちゃったみたいね」

「僕はあの木に登るよ
 僕は君の凧を降ろしてあげるよ」
「気をつけて、気をつけて
 木から落ちちゃうよ」

「あぁ、恥ずかしくて死んでしまいそう」
「大丈夫よ、男らしいトライだったわ
 チャーリー・ブラウン、チャーリー・ブラウン
 あなたと知り合えて嬉しいわ」

…歌詞は大体こんな感じです。

最後はチャーリー・ブラウンの願いが叶うというオチにはなっているものの、最初のヴァースの歌詞の辛辣なこと。これがショパンのプレリュード7番に似た優雅なメロディに乗るんですからね。

しかもいつの間にかチャーリー・ブラウンの歌になってしまっていますし。特に♬チャーリー・ブラウン~チャーリー・ブラウン~、のところはメロディにぴったりで、最初からそのような譜割りで作曲しているようにすら思えます。

この曲は何のために作られたのでしょうか。そして、トータルタイムが原曲よりも長くなっているという皮肉。しかし、愛らしい小品であることに変わりはありません。

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2025.05.07

"Jazz Impressions of A Boy Named Charlie Brown: Expanded Edition"のCDを聴く

一昨日、このアルバムのリリースにまつわる話についてライナーノートで知ったことなどを書きましたが、今日は収録曲についてです。

まず、リマスタリングについてですが、全体的にペシャっとしたサウンドだったのが改善されてかなり聴きやすくなっていまして、ここは良かったと思います。ただ、曲によって今一つステレオ感が弱いようなミックスもあったんですが、ここまでは改善できなかったのは残念です。まあ贅沢ですが。

ただ、ヴィンス・ガラルディの代表作ともいえる「黒いオルフェ」では、旧盤CDなどでドラムとベースが曲によって左右入れ替わったりドロップアウトがあったりといった問題点がリマスター盤ですべて改善され劇的に聴きやすくなったといった例もありましたんで、多少は期待していました。

ともかく、今後このアルバムを購入する(日本の会社がCDをリリースする)場合は、こちらのヴァージョンにしていただきたいなと感じます。

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続いてDisc2の未発表音源です。曲順はオリジナル版ではなく未発表音源のものです。

Disc2は「ライナス・アンド・ルーシー」のスタジオ・テスト・ヴァージョンで幕を開けます。そうなんですよね。「ライナス・アンド・ルーシー」が初めて世に出たのはこのアルバムなんですよね。早めのテンポでサッとピアノで弾いていますが、粗削りながらもテーマ~ブリッジ~エンディングという曲の構成は既に確立されています。リー・メンデルソンはコレを聴いて「なぜか私の人生全体に影響を与えるような確信を持った」と思ったそうですが、70年代からピーナッツのTVスペシャルを観てきたワタシとしても、コレがピーナッツの代表曲だという刷り込みがない状態でも最も印象的な曲だと思いましたし、この曲には特別なマジックがありますね。

次いで2曲目に収録されているテイク3ではブラッシュアップされたトリオ演奏になっていますが、なぜかテストであったブリッジやエンディングが消えてしまっています。これは不思議ですね。逆だったらわかりますが。「とりあえずテーマ部分だけトリオで演奏してみようか」という感じで録ったんでしょうかね。

3曲目は「ハピネス・テーマ(Take4)」。完成版では「ハピネス・イズ」にタイトルが変わっています。このTake4はほぼ完成形ですが、ひょっとするとこっちの方が好きかもしれません。中間のソロもいい感じですし。エンディングについては完成版の方が考え抜かれている感じがしますが、こちらのように消え入るような終わり方をしているのも味があっていいですね。

4曲目は「ペブル・ビーチ(Take7)」で、7テイク目ですからもうほとんど完成されています。ブリッジのピアノ・ソロはこちらと完成版とどちらが好みかという違いしかないように思います。ほとんど差はありません。ただ、その後テーマに戻ってからエンディングに向っていくところの展開は基本的に同じ枠組みでありながら完成版の方が良いように思えます。テイク7の方がフェイドアウトしていないにも関わらずタイムが短いというところを見ても、完成版の方が明らかにノッてますね。

「ベースボール・テーマ」は5曲目(Take1)と8曲目(Take2)とで2ヴァージョン収録されています。テイク1はブリッジがほとんどない尺の短いヴァージョンで、ほぼ原型と言った感じでしょうか。テイク2は短いブリッジがあってやや長くなっていますが、まだ完成形には及んでいない感じがします。一応これもフェイドアウトなしで全曲聴けますので、ちゃんとクロージングまで聴けるというのは利点と思いますが。あと、リズムが微妙に違いますね。

「オー・グッド・グリーフ」も6曲目(Take1)と9曲目(Take1 Later session)とで2ヴァージョン収録されています。テイク1はテーマからソロに入ったと思ったらあっという間に終わります。テイク1ですし、これもほぼ原型なんでしょうな。レイターセッションの方は思わせぶり(?)なフレーズが続いた後1分30秒くらいしてようやくテーマが出てくるという構成です。これもフェイドアウトなしで全曲聴けます。って、フェイドアウト曲が多いですね、このアルバム。

11曲目は「ブルース・フォー・ピーナッツ」です。これは「ブルー・チャーリー・ブラウン」の原曲と思われます。「ブルー~」よりもキーが高くなっていますが、低い方がブルージーでいいと思って録り直したんでしょうな。因みにこの曲(テイク)は2009年のガラルディのベストアルバム "the definitive Vince Guaraldi" にも収録されていますので初登場ではありません(曲のラストに「ライナス・アンド・ルーシー」のフレーズがお遊びで入ってますが、そこも一緒です)。

で、「ブルー・チャーリー・ブラウン」の方はテイク1が13曲目に収録されています。完成版が7分27秒であるのに対し、こちらは5分27秒と2分短くなっていますが、完成版がラスト近くで速弾きになるのに対しこちらは前半から速弾きで攻めているところと、ソロの後にテーマに戻って所謂「Aトレイン」のエンディングで終わるというところが大きな違いです。これはこれでベタですがイイですね。こちらのテイクも捨てがたいです。

12曲は「チャーリー・ブラウン・テーマ(Take4)」ですが、何とキーが低いですね。ブリッジのソロも大筋は同じですが、テーマに戻る前にちょっと小休止のようなパートが挿入されているところと、これまた「Aトレイン」のエンディングで締めくくられるというところが違います。「Aトレイン」で終わった曲は全部ボツなんでしょうか??

14曲目は「フリーダ(Take1)」です。このテイクは2010年に60周年記念盤として発売されたCD「ピーナッツ・ポートレイツ」に "Alternate Version" として収録されていたものと同じで、初登場ではありません。これは完成版が4分38秒なのに対して6分10秒と長尺になっています。完成版は『テーマ~ブリッジ~テーマ~ブリッジ~テーマ』という構成で、最後のテーマ部分でフェイドアウトで終わるんですが、テイク1はその後にもう一回『ブリッジ~テーマ』があるんですね。長尺になっているのはそれが理由です。しかし、そこを除けば構成も同じですしソロも結構似ています。細部でどちらが好みなのかという話にもなりますが、甲乙付け難いというか大差ないというか…。難しいですね。

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長々書いてきましたが、今日はこの辺で。あと1曲「シュローダー」を残していますが、これはまた改めて。

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2025.05.05

"Jazz Impressions of A Boy Named Charlie Brown: Expanded Edition"のCD届く

4月11日発売のこのCDをようやく入手しました。

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ヴィンス・ガラルディがFantasyで録音したピーナッツのアルバムは「チャーリー・ブラウンのクリスマス」ばかりが評価され、こちらの1964年のアルバムは些か日陰者のような存在になっていました。全セッションを収録した5枚組CD/DVDが発売になっている「チャーリー・ブラウンのクリスマス」に比べれば、今回の2枚組という仕様もほんのささやかなものかもしれませんが、それでも発売されたということが大きいですね。

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「チャーリー・ブラウンのクリスマス」は同名のアニメーション番組のサントラですが、「A Boy Named Charlie Brown」は同名の未公開ドキュメンタリー番組のサントラです。

ワタシはこの「未公開」というところにずっと疑問符が付いていましたが、今回のデリック・バング氏のライナーによって真相を知ることができました。何と、番組を制作したものの、三大ネットワーク(NBC,CBS,ABC)すべてが興味を示さなかったというのです。前作"A Man Named Mays" が好評で、人気漫画家のシュルツさんのドキュメンタリーであるにも関わらず、です。リー・メンデルソンは30分の短縮ヴァージョンも作りましたが、それてもダメだったそうです(シュルツミュージアムで販売されたDVDはこの短縮バージョンで、フルサイズのものは残っていないようです)。

ヴィンス・ガラルディとFantasyは、「番組はお蔵入りしたけどレコードは作る」と発言し最後までやり遂げましたが、このようにして恐らく史上初であろう『放送されない番組のサントラ盤』という珍妙なレコードの誕生と相成った、とのことです。

確かに、アルバムのタイトルは"Jazz Impressions of A Boy Named Charlie Brown" となっており、サントラとは謳っていませんが、のちにジャケを差し替えて再発した際はしっかりと "The Original Sound Track Of The CBS Television Special" と書かれています(ここでCBS云々と書かれているのは1969年に"Charlie Brown and Charles Schulz" のタイトルで放送されたドキュメンタリーに一部が流用されたことに因るのかもしれません)。

Fantasy側は完成したアルバムに出来については評価していて、実際世間の評判も良かったようですが、テレビ放映による相乗効果が得られなかったことによる売り上げの消失は不満だったようです。まあそうでしょうな。

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ちょっと長くなりましたので、音楽の話はまた改めて。

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2025.05.04

"Oh, Good Grief!" のレコード/CDも再発!

ピーナッツ75周年。

アメリカでも当然盛り上がってますが、記念本の発売、ファンミの開催、サントラ盤の再発など、本来の在り方はこうでしょうって感じがします。対して日本でやっていることは精々グッズ販売程度でもう全然異次元のレベル違いですね。

4月に "A Boy Named Charlie Brown" の豪華版が発売になったばかりですが、今月30日にはガラルディの1968年のアルバム"Oh, Good Grief!" が再発売になります。

 

これはボーナストラックなど一切ないシンプルなものですが、CD/ブラック・ビニール/イエロー・ビニールの3種で発売されることになっており、コレクターはイエロー盤に飛びつくだろうな、と思われます。

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このアルバムはワーナー移籍第一弾としてリリースされたものですが、2018年以降はオムニヴォア・レコーディングスが権利を持っていて、同社からのリリースは2018年に次いで2度目(セットではない単独盤としては初)となります。

気になるのは、オムニヴォア・レコーディングスのサイトによるとマイケル・グレイヴス(この人もグラミー受賞者)のマスタリングということになっている点です。実は2018年盤もマイケル・グレイヴスのマスタリングなんですよね。果たして彼は2度目のリマスタリングを行ったのか?それともただの再発売なのか?。これがプレス・リリースだけでは読み取れないんですよね~。

こうなってきますと、購入の動機はデリック・バング氏の新しいライナーノート一点ということになってきます。2018年の時もかなり濃いライナーを書いていたんですが、それを超えてくることを期待してしまいますね。イエロー盤は23.98ドルですのでやはりCDになるかもですが…。

しかしこのレコード、過去一度も日本盤が発売になったことが無いんですよね。ピーナッツ関連売上の数割を日本だけで占めているという状況の中で、書籍や音盤やビデオなどストーリー性のあるものにはほとんどお金を払っていないというこの現状、いかがなものでしょうか?

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2025.05.03

COMING SOON (!!!)

リー・メンデルソン・フィルム・プロダクションズが12秒の新しい動画をアップしました。

タイトルは "COMING SOON" 。

 

古式ゆかしきプレスマシンでレコードを作る様子と、それに被されるガラルディのカウント。そしてその後に流れるベース・リフ…。

これは紛う事なき "You're A Good Sport, Charlie Brown" ではありませんか。

つまり、次に発売されるCDはコレだってことですね。素晴らしい。まだ発売日などは発表されていませんが、少なくともこの調子で1969年以降のサントラ盤は発売してほしいものです。

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2025.04.06

ウッドストック・メドレーのPV

リー・メンデルソン・スタジオのYouTubeチャンネルに、「チャーリー・ブラウンのイースター」のサントラ盤のボーナス・トラックのPVがアップされていました。

 

パーソネルは、

デヴィッド・ベノワ(ピアノ、ローズ)

スワード・マッケイン(ベース、フルート)※「チャーリー・ブラウンのイースター」サントラのオリジナル・ベーシスト

マイク・クラーク(ドラム)※「チャーリー・ブラウンの感謝祭」サントラのオリジナル・ドラマー

となっていますが、何と「チャーリー・ブラウンのイースター」サントラのオリジナル・ドラマーであるエリオット・ジグムンドもWEBでコメントを寄せています。2021年現在ではありますがガラルディ以外はみんなお元気で、観ていて涙がチョチョギレます。PVのラストにはリー・メンデルソンも登場し、更にエ~ッ!となりましたが、流石にこれは編集でした(彼は2019年に亡くなっています)。

ベノワがジャズを志したのはガラルディの影響ですし(本人談)、伝説のガラルディの共演者とセッションできたというのは相当に嬉しかったでしょうね。グラミー賞アーティストであるベノワ本人もレジェンドと言えばレジェンドです。レジェンドがレジェンドを呼びレジェンドを演奏する。これは本当に素晴らしいPVです。

このPVは是非観てください。英語が苦手な人は字幕をOnにして。ガラルディの晩期である1975年までのピーナッツのTVスペシャルに思い入れのある人でしたら絶対に感じるものがあるはずです。

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2025.04.05

「チャーリー・ブラウンのイースター」のサントラCD届く

3月21日の発売から約10日を過ぎ、「チャーリー・ブラウンのイースター("It's The Easter Beagle, Charlie Brown")」のCDが到着しました。早速ライナーを読んでいこうと思います。

配信を聴いた感想は3月22日の記事に書きましたが、やはりライナーを読まなければ判らないことも多々あるものですな。

まず、タイトル曲とエンドテロップの曲が繋がって1曲になっていた件。ワタシはこれはオンエア時に切り離したのだと思いましたが、実はサントラ用に繋げて1曲にしたというのが正解でした。逆だったんですね。確かにこの方が美しさが増してよかったと思います。

ベートーヴェンの交響曲第7番第2楽章のアレンジは(3月22日の記事では書きませんでしたが)TVスペシャル本編で聴けるサウンドと印象が違っていたのが気になっていましたが、これはラテンジャズのグルーヴを取り入れていることを強調するためにサントラ用にベースとドラムを強調したミックスにしたのだそうです。なるほど~、確かにこれはこれでいいですね。

ベートーヴェンとバッハを使用した件について明確な理由は書かれていませんでしたが、ガラルディは熱狂的なクラシック・ファンだったそうです。これは知りませんでした。ドビュッシーなど印象派から影響を受けたジャズ・ピアニストは多々いますが、ガラルディもそうだったんですね。このサントラでもベートーヴェンのピアノ・ソナタ第3番を弾いていますが、クラシックのレッスンも受けていた人だったようです。

また、メインテーマにフルートを起用した理由についても書かれていませんでした。イースターバニー(イースタービーグルのルーツ)が定着したのが16~17世紀(諸説あり)と言われているのでその時代の雰囲気を出そうとしたのかもしれません。ガラルディ作曲のメインテーマとベートーヴェンの7番第2楽章(イースタービーグルのテーマ曲)の双方にフルートが用いられていることによって、音楽的に違和感がなくなっているという効果もあります。

3月22日の記事で、この作品用の録音が少ないことを指摘しましたが、1973年10月に「チャーリー・ブラウンの感謝祭」、1974年1月にチャーリー・ブラウンのイースター」、同年3月に「ミステリーだよチャーリー・ブラウン」と立て続けに録音しており、手際よく済まそうとしていたのからなのかもしれません。作曲もちゃんとはしておらず、例えば23秒の曲だったらアドリブで演奏してエンディングだけガラルディが決める、というような感じだったようです。

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デヴィッド・ベノワのボーナス・トラックについて。

このサントラのラストにはデヴィッド・ベノワのトリオによる「ウッドストック・メドレー」という7分の曲が収録されていて、それで何とかトータル29分になっています。この「ウッドストック・メドレー」について、ワタシはてっきり時間調整のために新録されたものだと思っていましたが、実は2021年に録音されていたものでした。

ライナーによるとこの年、ベノワはガラルディのテーマを取り入れたオーケストラ曲を手掛けていて、その合間にこの曲の録音をしたのだそうです。参加ミュージシャンは「チャーリー・ブラウンのイースター」のオリジナル・ベーシストのスワード・マッケインと、「チャーリー・ブラウンの感謝祭」のドラマーのマイク・クラーク(ハービー・ハンコックともやっていた人ですね)で、マッケインはフルートも演奏しています。更にレコーディング・スタジオも「チャーリー・ブラウンのイースター」と同じ場所だったそうです。この偶然的な拘りが違和感なくアルバムに収まった要因だったんでしょうな。

しかしガラルディは心臓発作で夭折してしまいましたが、こうやって一緒にセッションした人はまだ存命してるんですな。ジャズマンもドラッグとかで早死にした人も多いですが、長寿な人も多いですよね。つくづくガラルディは残念です。

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ガラルディとギターについて。

このサントラでもガラルディはギターをガンガンに弾いていますが、効果的にはもう完全にギタリストのそれですね。しかし、デリック・バングによるとこの年の春のライヴからはエレクトリックからアコースティックへ回帰していったそうです。スワード・マッケインによるとガラルディは飽きたということのようなんですが、TVスペシャルでは電気楽器を使用し続けていますし、"You're A Good Sport, Charlie Brown" というエレクトリック・ガラルディの最高峰も誕生しています。この辺のことは新たなサントラ盤が発売になった際に色々と判明してくるんでしょう。楽しみに待ちます。

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しかし、このライナーを読んで色々と気になることが増えてしまいました。

まず、デヴィッド・ベノワの2022年のガラルディのテーマを使ったオーケストラ曲ですね。ライヴをやったそうですが全然知りませんでした。

あと、2009年に "In Full Bloom: Peanuts at Easter" というドキュメンタリー番組が作られていたそうで、これらは調べないとイカンと思いました。

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2025.03.22

「チャーリー・ブラウンのイースター」のサントラを聴く

3月21日、ついに「チャーリー・ブラウンのイースター」のサントラ盤が発売になりました。例のごとくCDの入手には時間がかかりますので今回も配信で聴いたところです。

詳しいことはCDが手元に届いてから書きますが、まずは聴いた感じでの雑感をば。

本作のセッションで録音された曲はとても少ないようです。これまでのサントラですとアウトテイクなどが多数収録されていましたが、今回はそういったものが全くありませんでした。このTVスペシャルはセリフなしのシーンが意外と多く音楽が鳴りっぱなしなんですが、それでも全部で22分というのは随分と短いですな。ラストにデヴィッド・ベノワのトリオによる「ウッドストック・メドレー」という7分の新録が収録されていて、それで何とかトータル29分になっています。

一つ一つのカットの長さに合わせた短い曲をどんどん録っていったという感じがします。あまりメロディを作り込まずリフだけ決めてあとはジャムるという感じの無駄の少ないセッションだったんでしょう。まあ長ければいいということでもなく、ワタシはこの内容で満足しています。

一番驚いたのは、エンドテロップの曲が単独で録音されていなかったという事実です。タイトル曲とエンドテロップの曲は実は1曲で、オンエアでは分断して使っていたんですな。しかしこうやって1曲として繋がっているのがこの曲の美しさを一層引き立てています。こういうメロディが繰り返し出てくるというのを何というのかちょっと言葉が見つかりませんが、正式な用語はあると思います。バロック音楽なんかでありそうな曲構成ですな。

サウンドはすごくラウドでした。これにもびっくりしましたね。Apple TV+でアニメ本編を視聴できますが、それと比べても随分と印象が違います。特にウッドストックのエレベーターごっこでかかる「Snoopy and Woodstock」という曲が低音が凄いです。

話は逸れますが、このエレベーターごっこのシーンはコミックを読んでいない人にはとてもわかりづらい演出になっていまして、基本的にアメリカの視聴者はコミックを読んでいるので理解できたと思いますが、日本では殆どの視聴者には伝わらなかったんではないかと思います。これはアニメの話ですが…。

デヴィッド・ベノワの新録は、収録曲として浮かないようにアレンジされています。これは中々にイイです。

CDの到着が待ち遠しいです。ガラルディは何故大事なシーンの曲を自作ではなくベートーヴェンにしたのか、とかの謎が解けるといいなと思っています。

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2025.03.08

"Jazz Impressions of A Boy Named Charlie Brown"の Expanded Edition のCD発売決定!

2月9日の記事の後半で書きました、ヴィンス・ガラルディの "Jazz Impressions of A Boy Named Charlie Brown" のレコード・ストア・デイ限定盤の続報です。

この時点では3400枚のレコードのみ限定でCDや配信は予定無しだったんですが、その後CDと配信の発売が決定となりました!。4月11日発売です。そして既に予約できる状態になっています。

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仕様を見ますとCDは2枚組で、1枚目がオリジナルのアルバムで2枚目がアウトテイク集になっています。このオリジナルアルバムの方は何とポール・ブレイクモアがリマスタリングしています。グラミー賞エンジニアですよ。ビル・エヴァンスやマイルス・デイヴィスの発掘音源のリマスターとかをしている人ですよ。もうガラルディはエヴァンスやマイルスと同格ですか?。

アウトテイク集の収録曲はCD版は16曲入りで、レコード・ストア・デイ版のアナログ盤より2曲多くなっています。しかしまあ増えた2曲というのが過去にCDのボーナス・トラックとして収録されていた "Fly Me to the Moon" と "Autumn Leaves" ですので、これは微妙と言えば微妙ですな。

一番気になるのが "Schroeder (Take 2)"と"Schroeder (Take 3)" の2曲のトリオ・ヴァージョンです。タイトルからして元々ソロ・ピアノ用に作曲したのだと思っていましたが、トリオでも録音していたんですな。 

発売元のCraft Recordings のサイトにはプレスリリースがありますので、こちらもご参照いただければと思いますが、"Linus And Lucy"のスタジオ・テスト・ヴァージョンの配信のリンクが貼られていますので、ちょっと聴いてみるのもいいでしょう。"Linus And Lucy" が初めて世に出たのはこのアルバムですから、正に原型と言えましょう。

また、VinceGuaraldiMusicのYouTubeチャンネルでも、このアルバム収録の "Pebble Beach (Take 7)" がアップされています。

 

ワタクシ事ではありますが、テレビで初めてピーナッツのスペシャルを観てから今年で50年です。今回のリリースといい、リー・メンデルソン・スタジオのリリースといい、今まで切望しながら叶わなかったことが去年あたりからどんどん実現していっています。何なんですかこれは。ワタシはもうすぐ死ぬんでしょうか?

・・・いやいや、死ぬのはガラルディの手掛けた15作品すべてがCD化されてからです。何があっても頑張って生きましょう。

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