カテゴリー「ピーナッツ・アニメ」の370件の記事

2025.01.14

1976年の「スヌーピーとチャーリー」リバイバル公開がいかに凄かったか

拙サイト LOCAL CACTUS CLUB 移転準備中ですが、また小ネタを一つ。

1月5日に「1972年の新聞記事」という題で「スヌーピーとチャーリー」の新聞広告を載せましたが、今度は1976年のリバイバル時についてです。

実は1972年のロードショーは字幕版のみの上映でした。1973年の「スヌーピーの大冒険」で初めて吹き替え版が登場し、1976年にこの「スヌーピーとチャーリー」の吹き替え版が満を持して登場したのですが、この3年の間にピーナッツの人気はかなり高まったのでしょう。2か月間で10万人以上を動員したとされています。

この数字について大したことはないと思われるかもしれませんが、各地のシネコンで上映していたのではなく、有楽町スバル座の単館上映でのものですからね。

当時のスバル座の座席数は270席でした。ざっくり10万人を60日で割って1日6回上映として更に6で割りますと、1回あたりの入場者は277人となります。つまり毎回ほとんど満席か立ち見状態だったわけです。

そのため、当初7月10日(土)から9月5日(日)までの上映予定だったものが9月24日(金)までの延長となったのでした。

この時の新聞広告がちょっとアレなんですけどね。

202501122317

8月20日の広告では『夏休みの想い出に…ぜひお見逃しなく!』と煽っていますが・・・

202501122318

当初の最終日の2日前の9月3日の広告では『大盛況につき9月24日(金)まで続映!』と、ちゃっかり延長しちゃっているのでした。煽られて急いで観に行った人の立場は?

やはり70年代のピーナッツ・ブームはすごかったんだな~と、当事者として改めて思うのでした。

| | コメント (0)

2025.01.05

1972年の新聞記事

サイト移転の準備で色々とスクラップを漁っていますが、一つ新聞記事をちょい載せします。

1972a

1972年9月14日の新聞広告です。

これは1969年の映画 "A Boy Named Charlie Brown" がいよいよ日本でも公開される(英語版のみ)という広告で、翌9月15日から指定席券の前売りが始まるというタイミングで出されたものになります。

昔は金曜日の夕刊には映画の広告がたくさん載っていましたね。最近はどうなんでしょうか(実はワタシは夕刊をとっていないのです)。因みに1972年の9月14日は木曜日でしたが、翌15日は敬老の日だったので前売り券も土曜日ではなく金曜日発売となったようです。また、祝日は夕刊が休刊になります。

前売りも好調のようで、もう結構ピーナッツは人気だったというのがうかがえます。『ホロにがい人生の味が大人たちをとらえ 面白さと可愛さが子供たちを熱狂させる 世界で人気No.1の傑作がスクリーンで動く!』という説明文からも期待感の高まりが感じられます。

しかし何と言いますか、見ていてワクワクする広告だと思いませんか?。図柄的にはスヌーピーを押し出てはいるものの、冒頭の雲を見るシーンをチョイスしているのと、余白が多めなレイアウトになっているのが中々に寂しげな感じが出ていてすごくいいんじゃないでしょうか。ピーナッツを知らない人でもちょっと目を引く仕上がりになっていると思います。

散りばめられたコメントは、試写を観たのであろう愛川欽也、落合恵子、犬養智子、やなせたかし、といった面々。愛川欽也のコメントがいいですね。

広告はこの後、公開前日に1回と、「大ヒット上映中」といった感じのヤツなど複数回打たれることになります。

| | コメント (0)

2025.01.01

謹賀新年2025

あけましておめでとうございます。

年が明けました。本年もよろしくお願いいたします。

今年は長らく更新が滞っている拙サイト "LOCAL CACTUS CLUB" を移転させて全面的にリニューアルしたいと思っています。移転先はGoogle SITE にしようかな、と。

それで、まだ話をしていませんが、某若手のマニア氏に編集権限を付与させていただいて、ワタシが死んだあとは引き継いでもらおうか…なんて野望も持っています。

ともかく、更新しやすい仕様にしたいですね。そうすれば新しい情報もすぐに上げられると思いますし。

あと、こんなところでちまちましていないでウィキペディアに書けば?という意見もありますが、歴史的にはワタシのサイトの方が古いですし、誰かがこちらのサイトをパクってをウィキペディアに書いたりしてますので、まあワタシが率先する必要はないかと思っています。『谷啓時代第1期』なんていう分類とかはワタシが作ったものなんですけどね…。

・・・・・・

それはそれとして、今年こそがピーナッツ連載開始75周年です。

グッズ商戦の方は置いておいて(充実するでしょうな)、ワタシは新刊本に期待をしたいところです。

アメリカでは、8月に "Snoopy, the Story of My Life: The Myth, the Legend, the Beagle!" というハードカバーが刊行されるようです。

著者はアンドリュー・ファラゴというサンフランシスコのカートゥーン・ミュージアムのキュレーターをしている人です。タイトルからするとスヌーピーがメインのようですし、レビューの感じでは子供向けの本っぽいんですが、今のところこれが75周年記念本ということになるのかもしれません。8月ですから翻訳を頑張れば12月の刊行に間に合うんじゃないですかね?河出書房新社さん。期待していますよ。

・・・・・・

その他、スヌーピーミュージアムでどんな企画展があるのか一応興味深く見守っています。

Apple TV+ の新作アニメも期待ですね。そろそろリディアが出てくる話があってもいいんじゃないでしょうか?というような期待もしていますが、どうなることやら。

サントラ盤の発売にも期待したいです。今年も2枚出してほしいですな。ワタシも老い先短いですから。

劇場用新作映画については情報が出たのが一昨年の11月で、「アイ・ラブ・スヌーピー」の時のことを考えますと公開は恐らく来年でしょう。これは気長に待ちますかね。

・・・・・・

そんな感じで、仕事は頑張らず、ピーナッツを頑張りましょうかね。

| | コメント (0)

2024.12.31

2024年私的ピーナッツ10大ニュース

2024年も約12時間したら終わりですな~。

今年は個人的には厄年かと思えるほど小さいトラブルが絶えませんでした。特に小銭を稼ぐというか節約しようとして裏目に出てしまうなんて事が本当に多くてがっかりですよ。来年はいいことが多いと願いたいです。

さて、今年のピーナッツはどうだったんでしょうか(あくまで私的な事柄のランキングです)。

・・・・・・

1位:谷川俊太郎死去

12月に入ってきたこのニュースが一番の衝撃ではないでしょうか。私事ですが、翻訳をしていたのが谷川さんであり、そしてあのようなダイアローグでなかったとしたら、ここまでこのコミックに惹かれることは無かったと思います。それほどのインパクトでした。
谷川さんは1979年に一度翻訳を降板すると宣言していたんですが、1980年に角川から刊行が再開した時にはしれっと復活していました。最近思っているのは、谷川さんと鶴書房の間に何か確執が生じ、それが降板宣言にまでなったんではないか、ということです。想像ですがそうであれば、角川で復活したことも合理的です。
逆に、鶴書房が倒産せずに月刊SNOOPYが継続していたら谷川さんは予定通り降板して50年の連載のうちの最初の28年分の翻訳者に留まっていたわけで、これはもう運命としか言いようがありません。
そういえば、谷川さんは生前フランチャイジーの集まりに行くと原作書籍関係者は肩身が狭かったと語っていましたね。
ご冥福をお祈りいたします。

2位:ヴィンス・ガラルディが手掛けたTVスペシャルのサントラ盤が2枚発売になる

2023年は1枚、今年は2枚発売されました。個人的には夢のような気分です。特に "It Was A Short Summer, C.B." のクロージング・テーマの完奏ヴァージョンが聴けたのはン十年分の夢がかなったと言っても過言ではありません。
残念なのは、ここ日本に於いては公式サイトもお買い物スヌーピーもブラウンズストアもその他諸々販売店・販売サイトも完全に黙殺しているところです。この国にもTVスペシャルが好きでガラルディの音楽に魅せられた人は多数いると思います。そういう方々に果たして届いているのかどうか。公式と名の付くところはもうちょっと考えていただきたいものです。

3位:Apple TV+ にて新作アニメ「おかえり、フランクリン」が配信される

Apple TV+ の新作アニメ・シリーズ(所謂「スヌーピー・プレゼンツ」シリーズ)は良作揃いで、ワタシは基本的に大好きです。
悩み落ち込むルーシーや、ゴルフに造詣が深いマーシーなど、原作とはちょっと違う性格設定になっていますので無問題ではないんですが、それを補って余りあるストーリー・テリングがあるので良作たり得ていたんだと思います。
しかし今作はちょっと首をかしげたくなるような内容でした。
”父親の仕事の都合で転校を余儀なくされてきた少年が遂に親友を得て町に受け入れられた”、というストーリーは良かったんですが、”父親がベトナムに従軍している”という原作の設定を”軍人の父親の転属に伴って転校を繰り返している”ことにしたために、いろいろと不都合が出てきました。
まず、チャーリー・ブラウンたちが住んでいる町が「基地のある町」になってしまいました。このような舞台の具体化はあまり良くないのではないかとワタシは思います。また、基地のある町であればフランクリン同様軍人の子息が学校にもたくさんいるはずですので、何故そのコミュニティに入らず孤独になろうとしているのかという疑問も出てきました。
フランクリンのアームストロング姓のモデルであるロブ・アームストロングをスタッフに入れたり、フランクリンに「この町は多様性が足りない」と言わせたり、わざわざ黒人歴史月間に配信したりと、ちょっと政治的なにおいも感じさせたのもワタシ的にはマイナスでした。
それに輪をかけて残念だったのが日本語吹き替えです。これまでの新作はみな女の子が主人公で、優等生のフランクリンはそれなりのセリフをしゃべるだけで済んでいました。しかし今作は性格に深みがあるキャラになっていたので演技力が必要とされましたが、現声優ではちょっと不充分だったかな、と思えました。こう書くとキツイですが、「スヌーピー宇宙への道」の時の声優だったら良かったと思いました。
ダイアローグもよろしくなく、子供っぽい言い回しが多くて作品の性質に合っていませんでした。カートゥーンネットワーク作品などのような生き生きしたところもなく、谷川俊太郎訳のように惹かれるところもありませんでした。視聴するなら英語音声がおすすめです。

4位:Apple TV+ にて新シリーズ「スヌーピーのハッピーキャンプ」が配信される

アニメですともう一作、夏場に(といってもアメリカの夏休みに準じて6月ですが)「スヌーピーのハッピーキャンプ」というシリーズが配信されました。
内容はキャンプに参加するような子供向けのもので、アニメとタイアップしたキャンプの手引書も発売になっていましたね。8月には早くも来年のシーズン2が決定しました。
人間たちのストーリーには見るものがありましたが、スヌーピーのパートについては「スヌーピーのショータイム!」に見られたような "ヌケサク鳥たちが馬鹿なことをしてスヌーピーがキレる" というような展開が多くてちょっとう~ん、でした。
あと、これは誰も言及していないのですが、ナオミが明らかにブラックウォッシュされていました。何故だれもこれを話題にしないのかちょっと不思議でしたね。

5位:ピーナッツ関連の書籍、刊行される

ピーナッツは深い、癒しだ、哲学だ、という風潮は、1995年にツワルスキーが著した「いいことから始めよう 」が新潮社から刊行され、それに講談社が乗っかったところがスタートだったとワタシは分析していますが、これはもう覆せないほど完全に根付いてしまったようです。ワタシ的には残念なことです。
「13歳からのきみへ スヌーピーの自分らしく生きることば」は正にそういう本でした。ブルータスの6月1日号ではピーナッツをして「ワンフレーズの金字塔」とまで書かれてしまいました。これを「ヤレヤレ」と思わずなんとすればよいでしょうか。
アメリカではZ世代のピーナッツ・ファンが増えているといいます。シュルツさんが亡くなり、70年代辺りからの再掲載が新聞で始まったころに読み始めた世代だと思いますが、子供の頃に読んでいたピーナッツを読み返して別の解釈ができるようになり再びファンになる、というようなことのようです。日本で例えれば、何気なく歌っていた「アンパンマンのマーチ」の深さに大人になってから気づくとか、そんな感じですかね。
やはり子供のころから読んでいるという土壌があることが大切だと思います。大人相手に癒しや哲学として売り込み子供を置き去りにするという今のやり方では確実に先細っていくでしょう。

6位:年末恒例、河出書房新社から書籍刊行

「しあわせはあったかい子犬」と「クリスマスはいっしょの時間」の2冊が刊行されました。前者は何度目かの再販ですが、後者は本邦初登場であり、谷川俊太郎さんの遺作ということでもありましたので、NHKのニュースにも取り上げられていました。 
谷川さんを亡くし、果たして来年以降の翻訳はどうなるのでしょうか。
コミックを引用した評論タイプの本の場合は、恐らくコミック部分については谷川さんの訳を使用するでしょう。そういう意味では「谷川俊太郎:訳」というクレジットは永久に不滅でです!と言えるかもしれません。
仮にKaBoomのグラフィックノヴェルのようなコミック本の翻訳となった場合、どのような方がこれを担当するのか。人選は河出書房新社の方にかかってくると思いますので、編集の方には吟味をお願いしたいところです。

7位:スヌーピーミュージアムには金輪際行かないと誓う

ワタシは元々2021年を最後にミュージアムには行っていませんでした。理由は企画展が2000円に見合わないと思ったからなんですが、全く行かないつもりだったわけではありませんでした。しかし館長がテレビで大嘘をこいたのでもう絶対行かないと決めました。アイツは許せません。
それにしても、近頃の企画展は企画に無理があるものが多いんじゃないでしょうかね。
ピーナッツというコミックには子供しか登場しないが故の「ファミリーが描けない」という致命的な欠陥があるのです。
そのため、食がテーマの「きみの大好物はなに?」では団欒である夕食が全く扱えていません。「旅するピーナッツ。」では旅ではないサマーキャンプや海水浴で水増しをしていました。チャーリー・ブラウンの家族旅行にしてもペパミント・パティの父とのフランス旅行にしても、話の中心になるのは残された者たちについてでしたし、そもそも旅行嫌いの漫画家の展示会で旅をテーマにしてはイカンということですな。「ホリデー」では謳い文句こそ”ピーナッツを通じてアメリカ文化を…”でしたが、家族こそが重要である感謝祭はもちろんイースターについてもアメリカ文化を知るには程遠い内容でしたね。少なくとも感謝祭をテーマにするならTVスペシャルの原画を展示した方がまだ良かったと思います。
企画はもっと熟考した方がいいでしょうな。

8位:ピーナッツ連載開始75周年祭が始まる

5年ごとの周年祭を前後合わせて足掛け3年やることになりますので、周年祭の期間が2年9か月となり、祝っていない期間の方が短くなってしまうという計算になります。何だかすごいですよね。

9位:ピーナッツ声優、堀絢子さん、田中敦子さん死去

お二方とも映画版の声優で、それぞれクララ役、女教師役、と脇役を担当されていました。ご冥福をお祈りいたします。今年はメインキャラ声優の訃報はありませんでしたね。

10位:ファン歴50年を迎え過去を振り返る

拙ブログにて自分とピーナッツについての歴史を綴ったりしました。過去を振り返ったことにより、何故こんなにピーナッツに惹かれるのかということを改めて考えるいいきっかけになりました。拙サイト LOCAL CACTUS CLUB を移転リニューアルする際には書き直して掲示したいと思っています。来年のいつ頃になりますかね。

・・・・・・

以上、良いお年を。

| | コメント (0)

2024.12.12

2010年のカートゥーン・ネットワークの人気投票がヤバかった

LOCAL CACTUS CLUB 移転のために色々と古い資料を漁ったりしています(今度は画像ももっと増やしたい)が、ちょっとヤバいものを見つけました。

2010年、カートゥーン・ネットワークはピーナッツ連載60周年を記念して「みんながえらんだチャーリー・ブラウンとスヌーピー」と題し人気投票を行い、上位3位の作品を放送するという企画をしました。

この時のプレスリリースが出てきました。

202412122

202412123

企画はまあいいとしまして、問題はこのプレスリリースの後半です。

202412124

このように「珠玉のエピソードを紹介」と題して、3エピソードを紹介しています。一応「実際の放送エピソードは投票結果によって決定しますので、今回紹介のものとは異なります」という注釈付きです。

で、投票結果なんですが、

202412121

このように、プレスリリースで紹介された3エピソードがそのまんま上位3作品になってしまいました。え?まさかプレスリリースを見たまんま投票したとか??

・・・・・・

こういう表現をするのは良くないかもしれませんが、カートゥーン・ネットワークの視聴者は各作品についてあまりこだわりを持たず、惰性で観ていたのではないでしょうか。

個人的意見としてですが、70年代にNHKでホリデーシーズンにポチポチと放送されていた時分、当時は一期一会のような感覚で観ていましたし、1話1話に対するこだわりや思い入れはとても強いものがありました。

そういう放送形態だった頃と比べますと、TVスペシャルだけでなく "The Charlie Brown and Snoopy Show" の作品とごちゃ混ぜで帯で放送されてしまうのを見せられてしまいますと、どうしても気持ちが入らず、どれが面白いのかな~と曖昧な気持ちになってしまうのもある程度仕方が無かったのかもしれません。

もう一つ証拠があります。

この投票は、なぜそれに投票したのか理由を書くようになっていました。2位に入っている「#1 君の犬だ」ですが、これの投票理由として「やはり第1話だから」と書いている人が割といました(ログを取っておけばよかった)。ホントですよ。

一応説明しますと、この「#1」というのは放送するために便宜上振られたただの数字であり、別に第1話ではないんです。思考停止と言いますかホントに作品の中身はどうでもいいという人が多かったんでしょうな。まあ偶然この「#1 君の犬だ」は名作の部類に入りますが。

・・・・・・

それにしても、欧米で名作として扱われている作品が全然上位に入っていないことに改めて驚かされますな。「クリスマス」ですら11位ですもんね。

アメリカ人には知られたくないな~。

| | コメント (0)

2024.11.26

クララ役声優堀絢子さん死去

1985年に劇場公開された映画「スヌーピー・アドベンチャー」でクララ役を務めた堀絢子さんが18日に亡くなられました。ご冥福をお祈りいたします。

"スヌーピー・アドベンチャー"? "クララ"? と思われるかもしれませんが、「スヌーピー・アドベンチャー」とは原題 "Snoopy, Come Home!" 、つまり「スヌーピーの大冒険」「帰っておいでスヌーピー」という邦題でも知られる劇場映画第2作目のことで、クララというのは旅する途中のスヌーピーを拉致する女の子です。

クララに相当するキャラは原作にも登場しますが原作では名前が無く、映画化の際に名前が付けられました。しかし、原作では他にクララという別のキャラがいますのでとても紛らわしいです。しかもこの2人の登場エピソードはピーナツブックスではどちらも37巻所収なんですよね。

2人のクララは髪型が同じで眼鏡をしているか否かの違いしかありませんでしたので、シュルツさんもあまり気にしていなかったのかもしれません。別キャラのクララはのちにマーシーになったという説もあります(これはマーシー初登場の時に「覚えていますか?」と言っていたことにも拠ります。デリック・バング氏も否定はしていませんね)。

話を戻して映画のクララですが、ちょい役ではありますがミュージカル的には貢献度が高く、特に「スヌーピー・アドベンチャー」は挿入歌も吹き替えていましたので堀さんも活躍されていました。

・・・・・・

しかし、堀絢子さんといえば個人的には「新オバケのQ太郎」です。ワタシはドラえもんよりもオバQが好きでして…。オバQの魅力というのは藤子不二雄マンガの非人間の主人公の中では稀有ともいえるほどの無能なキャラというところではないでしょうか。とてもかわいい。

まあ「新オバケのQ太郎」も末期になるとQ太郎が感情的になることが多くなり、あまり楽しくなくなりましたが。そのあとの再リメイク版は観ていません。

・・・・・・

クララとQ太郎の話ばかりでご本人を全然語っていませんが悪しからず。

| | コメント (0)

2024.11.18

「チャーリー・ブラウンのバレンタイン」のサントラ発売決定!

Lee Mendelson Film Productions がまたやってくれました。来年1月17日に1975年放送のTVスペシャル「チャーリー・ブラウンのバレンタイン」のサントラが発売になります。

このところ結構リリースのペースが早いですね。「短い夏だったね、チャーリー・ブラウン」のサントラが7月で、「選挙に勝とう、チャーリー・ブラウン」のサントラが9月。ここが2か月で特に早かったですが、今度も4か月を空けただけでのリリースです。有難いことです。

ワタシはこの作品の音楽がかなり好きです。

20241118

↑プレスリリースの一部ですが、今回はこんなジャケなんですね。右上のスヌーピーのところには "50TH Anniversary Extended Edition" と書かれています。2025年の1月は、このTVスペシャルの放送50周年になるんですな。

・・・・・・

放送50周年、つまり本放送は1975年なわけですが、この頃のヴィンス・ガラルディは更に進化しているように感じられます。

ガラルディがメインで使っているのは、フェンダーローズとアープストリングです。これがまたヴァレンタインというテーマにぴったりな何ともロマンティックな効果を出しているんですよ。

そして、これまでのように管楽器奏者やギタリストを加えたりはせずに、多重録音を駆使してベースとドラムのトリオだけで演奏しています。ライナスがチョコレートを投げ捨てるシーンの曲ではギターが聞こえますが、これはガラルディが弾いているのだそうです。

収録曲のタイトルを見ますと、シュローダーが弾くベートーヴェンのピアノソナタ第20番や、足人形劇のBGMのショパンのノクターンや、オルゴールのバッハのメヌエットなど、ガラルディ作曲以外の曲もありますね。ショパンのノクターンは劇中では蓄音機で再生されているレコード音源という設定でしたのでワウフラッターがかなりかかっていましたが、あれはテープ効果で歪ませているんだと思いますので、恐らくサントラでは普通のサウンドになっているでしょう(推測)。

・・・・・・

ちょっと気になるのは、やはりエンドテロップでかかる曲がショパンのノクターンだというところです。いや、これでいいんですけどね。ただ、1978年に東京12チャンネルで放送された時はノクターンではなくベートーヴェンのピアノソナタ第20番だったんです。これは録音してありますので記憶違いではありません。

現在DVDや配信で観られるものはノクターンになっていますし、エンドテロップの画はスヌーピーの足人形劇なので、やはりノクターンのほうが合っているんですが、何故あの時はベートーヴェンだったんでしょう?。とても謎です。

・・・・・・

デリック・バング氏も自身のブログで取り上げていましたが、相変わらず「売り上げが悪いとこのリリースは止まってしまうよ。自分用とプレゼント用に2枚買いましょう」と脅してきています(笑)。

今から発売が楽しみですが、ワタシは発売日には配信で聴いて、CDは確実に入手できるサイトを使ってゆっくり待つことにします。このパターンが一番いいですね。

| | コメント (0)

2024.11.17

スヌーピーミュージアム企画展「ホリデー」の図録を読む

20241117001951

9月7日から開催しているスヌーピーミュージアムの「ホリデー」展の図録をようやく入手しました。

巻末の原亜樹子さんのページを読んでハロウィンが休日になっていないことを知りました。

休日じゃなかったんだ。…てことは、「ホリデー」というテーマなのにハロウィンとヴァレンタインという平日が2つも紛れ込んでいるわけで、前回の「旅するピーナッツ」展並みに厳しい内容になっているわけですな。

・・・・・・・・・・・

以下、図録の感想ですが、同時に企画展の感想も兼ねてますかねという感じで。

最初は、ハロウィン。

ほとんどがカボチャ大王ネタでした。これでアメリカの休日文化を伝えるにはちょっと厳しい内容ですかね。「お菓子をくれるかいたずらするか」を描いたストリップも沢山あるわけですから、何はなくともこういうのは展示するべきだったのでは?

そういえば、初めてピーナツ・ブックスで「お菓子をくれるかいたずらするか」を読んだ時は、何だこりゃ、と思ったものです。

で、ペパミント・パティが大王にプレゼントをお願いしてライナスに激怒されるエピソードを採用していますが、例のごとく最後のオチが無くて残念でした。アダムとイブよろしくプレゼントというリンゴを食べてカボチャ畑を追放されるところまでがあって成り立っていると思うんですがね~。

・・・・・・

次は、サンクスギビング。

う~ん。ウッドストックのネタばかりで、感謝祭が何なのかというのは全く伝わりませんな。”家族を描かない”ピーナッツを使って”家族で過ごす日”を紹介するというのは土台無理があるんですな。むしろアニメ「チャーリー・ブラウンの感謝祭」を紹介した方がナンボかマシです。

参考資料でメイシーズのパレードの写真と説明があるのは良かったんですが、紹介されている写真がスヌーピーばかりなのが残念。動画で観たことがありますが、チャーリー・ブラウンが来ると "Charlie Brown! Charlie Brown!" ってシュプレヒコールがすごいんですよね。いかに彼が人気者なのかが窺い知れるもので、この辺も紹介してほしかったですな。

・・・・・・

その次は、クリスマス。

ストリップのチョイスは可もなく不可もなくという感じでしたが、ちょっと別のことを感じました。

スヌーピーが犬小屋の電飾のためにブラウン家の中のコンセントからコードを引っ張るんですが、スヌーピーの犬小屋だったら当然通電してますよね。80年代以降は犬小屋のマジックがどんどん消えて行ってしまってたんだな~ということを改めて思いました。

あと、巻末の原さんの文でジンジャーブレッドマンやジンジャーブレッドハウスに触れているのを読んでちょっと懐かしくなりました。ウチの娘たちは幼少時から英語スクールに通っていたので、こういうアメリカ式のクリスマスには些か馴染みがあったんですよね。

・・・・・・

その次は、ニューイヤー。

ニューイヤーといっても午前零時前後のパーティーがメインで、夜が明けた後は普通でお祭りな雰囲気は全然ありません。次の日は仕事ですしね。紹介されているストリップもそんな感じです。日本は逆に午前零時前後は厳かに過ごし、夜が明けたらお祭りですよね。「暴れん坊将軍」の正月回とかは明るくて好きだったな~。

ここですごいのは、1953年の日本の英字新聞に載った日本独自のストリップの紹介ですな。おそらく原画の展示ではないんでしょうが。あと、日本在住のアメリカ人(米軍やその家族など)は日本に居たが故にピーナッツが読めていなかったということに今更ながら気付かされました。

あと、ローズパレードのストリップ(1974年)にも触れてました。これはピーナツ・ブックスで読んでまして、当時全然意味が解らなかったことを思い出しました。

・・・・・・

その次は、バレンタイン・デー(本当はヴァレンタインと書きたい)

スヌーピーが自分に届いたヴァレンタイン・カードを読み上げるストリップ(1968年)、最初に読み上げるのがジョイスということについては注目すべきかもしれません。

・・・・・・

その次は、イースター。

イースターというのはその性質上ストリップは常にサンデー版なわけで、その為わずか8編しかないのですが、そのうち半分の4編を展示しているというのはすごいことなのかもしれません。

しかしこれもイースターが何なのか伝わりませんな。イースターというのはイースター・バニー(orビーグル)がタマゴを配る日ではないんですが…。

・・・・・・

最後は、母の日、父の日。

これは残念でした。

例の、ヴァイオレットがチャーリー・ブラウンにマウントを取ってくるヤツ、アレが展示できないのであればやる意味ありませんよ。というくらいあのストリップはマストじゃないでしょうか?これを見たくて読み進んでいたのに…。

あと、ストリップのチョイスが犬と鳥のものばかりというのも不満ですな。

・・・・・・

本家キュレーターのベンジャミン・L・クラーク氏がまた何かやらかしてやしないかと心配していましたが、今回は大きな間違いはなかったようです。よかったよかった(実は突っ込みたかった)。

・・・・・・

まあしかしアレですよね。このところ「食」「旅」「祝日」といったテーマで企画展をやったりしていますが、それによって子供しか登場しないが故に家族の日常が描けないという、ある意味ピーナッツの「弱点」が凄く露呈してしまった感があります。気にしていない人は多いでしょうけど。

結局、家族・家庭を描いたものが必要となった時は犬たちのストリップに頼らざるを得ず、それがまた展示をなんか歪なものにしているんですな。

ハナからこういう日常的なテーマは避けるべきだったんではないかな、と思います。今後はどのような企画展が登場するでしょうか(実は突っ込みたいだけ)。

| | コメント (0)

2024.11.16

もうすぐ感謝祭

今月の28日は感謝祭ですな。

・・・・・・

感謝祭はアメリカやカナダのドメスティックなお祝いですので、まあ日本に根付くことは無いでしょう。翌日のブラック・フライデーだけは根付きましたが…。

それにしても、根付いていないのに「感謝祭」という翻訳語がまかり通っているのはちょっと不思議な感じがしますよね。日本に根付いている「クリスマス」や「ハロウィン」、根付きつつある「イースター」などは外来語のままなのに。

この辺り、ウィキペディアにも書いていませんね。ただ、アメリカ・カナダ以外にも、ブラジルやフィリピンといった外国も祝っていることが判りました。恐らく植民地化や布教によってもたらされたのだと思います。

日本のプロテスタントでは、「収穫感謝日」と呼んでいるそうですので、そうすると「感謝祭」はカトリックでしょうか?。ともかく、教会が頑張らなければこのような翻訳語が使われることもないでしょうし、大筋そうなんではないかと。

・・・・・・

さて、ここでピーナッツのTVスペシャルの話になりますが、個人的にはアメリカの行事関係は大体このアニメで知りましたのでとても重要なのです。

1973年。谷啓主演で吹き替えされたNHKのシリーズで、3月29日に「チャーリー・ブラウンのイースター」、3月30日に「チャーリー・ブラウンの感謝祭」が放送されました。2日連続で”年中行事モノ”が放送されたわけですな。

この1973年の時点で「感謝祭」という翻訳語が既にNHKで使われていたわけです。誰もが「感謝祭って何?」という状態であったにもかかわらず。憶測ですが、キリスト教関係者以外の人々に公共の電波を使って「感謝祭」という行事(言葉)を知らしめたのは、この番組が初めてだったんではないでしょうか?。

因みに、もう一つのアニメ「チャーリー・ブラウンのイースター」の劇中で、シュローダーが強欲のルーシーに向かって「貰える貰えるって貰う祭りじゃないよ。復活祭じゃないか。春の始まりだよ。」と言います。「イースター」は「復活祭」という翻訳語もあるんですよね。しかし「イースター」はあまり「復活祭」とは言われません。

そういえば、昨年公開された映画 "Thanksgiving" は邦題が「サンクスギビング」でした。今やっているスヌーピー・ミュージアムの企画展「ホリデー」でも、「感謝祭」ではなく「サンクスギビング」となっていますね。ひょっとすると外来語が翻訳語を駆逐する日が来るかもしれません。

大体にして、「復活祭」も「感謝祭」も、言葉として一般的な単語過ぎるんですよね。「オールスター感謝祭」とか「ユニクロ感謝祭」とか、紛らわしいものも多いですし。ユニクロなんかは時期も近いですしね。

・・・・・・

てな感じで、祭り自体は定着していないのに「感謝祭」という翻訳語だけ定着しているという妙な現象について書いてみました。

書きながら思い出しましたが、「チャーリー・ブラウンのイースター」のシュローダーの「春の始まりだよ」というセリフ。声優・田中亮一氏によるしゃべり方が雰囲気があって好きでした。

| | コメント (0)

2024.10.08

You're Not Elected, Charlie Brown のサントラCDを入手する:その2

20241008223950

さて、ライナーノートによると、本作 "You're Not Elected, Charlie Brown" のBGMは1972年8月22日に4時間のセッションで録音を完了しています。放送が10月ですからだいぶ余裕がありますね。"It Was A Short Summer, Charlie Brown" の録音が放送2週間前だったのと比べると雲泥の差です。やはり1969年は映画もあったので色々と狂っていたんでしょう。翌1970年にTVスペシャルが無かったのも多分そのせいでしょうな。

因みに、"You're Not Elected, Charlie Brown" は初の原作付き作品です。これまでもエピソードのつまみ食いはありましたが、がっつり大筋がコミックから取られているというのは初めてだったんですね~。

そして本作はジョー・クールのTVデビューでもあります。生徒会選挙イコール学校が舞台ですからジョー・クールを出そうという風に話がまとまったようです。ジョー・クールは前年1971年に登場したばかりのキャラで、ガラルディは彼のTVデビューを華やかにするためにテーマ曲を作り、しかも自分で歌うことにしました。

当初ガラルディが歌うことについてはリー・メンデルソンは難色を示したそうです。というのも、1969年のアルバムでガラルディは歌声を披露していますが、これがあまりイイ出来ではなかったからです(これはワタシも同感です)。

しかし、実際に仕上がった曲の出来が良かったのでメンデルソンはOKしました。やはり自身で歌うために作った曲はハマるものなんですな。ジョー・クールのテーマは次作 "There's No Time For Love, Charlie Brown" でも歌詞を変えて再登場しています(登場するのはジョー・クールではなく世界的に有名な売り子でしたが)。

・・・・・・

最後に、デリック・バング氏のブログから以下を引用しておきます。

Remember: The ongoing wave of these "new" soundtracks depends upon the sales generated by each release ... so buy one for yourself, and a second copy as a gift for a friend! 

今後もこのサントラ盤のリリースが継続されるには売れないとダメなんだ、ということです(とはいえ、自分用に1枚買ってプレゼント用にもう1枚とは…)。

リー・メンデルソン・プロダクションも慈善でやっているわけではないですからねぇ、文化事業的側面があるので頑張ってはくれると思いますが…。本来こういう時に協力的になるべきなのは、公式サイト、Peanuts Friends Club、スヌーピー・ミュージアムなんですが、彼らは何もしません。

いやいや、ブラウンズストアやおかいものスヌーピーはこのCDを売るべきでしょう。少なくとも予約販売くらいはやってくれないと。グッズを売って儲けることしか眼中にないのか?だとしたらとても悲しいことです。

| | コメント (0)

より以前の記事一覧