"Jazz Impressions of A Boy Named Charlie Brown: Expanded Edition"のCD届く
4月11日発売のこのCDをようやく入手しました。
ヴィンス・ガラルディがFantasyで録音したピーナッツのアルバムは「チャーリー・ブラウンのクリスマス」ばかりが評価され、こちらの1964年のアルバムは些か日陰者のような存在になっていました。全セッションを収録した5枚組CD/DVDが発売になっている「チャーリー・ブラウンのクリスマス」に比べれば、今回の2枚組という仕様もほんのささやかなものかもしれませんが、それでも発売されたということが大きいですね。
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「チャーリー・ブラウンのクリスマス」は同名のアニメーション番組のサントラですが、「A Boy Named Charlie Brown」は同名の未公開ドキュメンタリー番組のサントラです。
ワタシはこの「未公開」というところにずっと疑問符が付いていましたが、今回のデリック・バング氏のライナーによって真相を知ることができました。何と、番組を制作したものの、三大ネットワーク(NBC,CBS,ABC)すべてが興味を示さなかったというのです。前作"A Man Named Mays" が好評で、人気漫画家のシュルツさんのドキュメンタリーであるにも関わらず、です。リー・メンデルソンは30分の短縮ヴァージョンも作りましたが、それてもダメだったそうです(シュルツミュージアムで販売されたDVDはこの短縮バージョンで、フルサイズのものは残っていないようです)。
ヴィンス・ガラルディとFantasyは、「番組はお蔵入りしたけどレコードは作る」と発言し最後までやり遂げましたが、このようにして恐らく史上初であろう『放送されない番組のサントラ盤』という珍妙なレコードの誕生と相成った、とのことです。
確かに、アルバムのタイトルは"Jazz Impressions of A Boy Named Charlie Brown" となっており、サントラとは謳っていませんが、のちにジャケを差し替えて再発した際はしっかりと "The Original Sound Track Of The CBS Television Special" と書かれています(ここでCBS云々と書かれているのは1969年に"Charlie Brown and Charles Schulz" のタイトルで放送されたドキュメンタリーに一部が流用されたことに因るのかもしれません)。
Fantasy側は完成したアルバムに出来については評価していて、実際世間の評判も良かったようですが、テレビ放映による相乗効果が得られなかったことによる売り上げの消失は不満だったようです。まあそうでしょうな。
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ちょっと長くなりましたので、音楽の話はまた改めて。
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