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2025.05.11

ペイジ・ブラドック氏のコミック

シュルツ・ミュージアムのYouTubeチャンネルの"Paige Braddock: 2025 Sparky Award Recipient" という動画についての3回目です。

この動画の対談によりますと、ブラドック氏は最初はカウボーイの漫画を描いていたようです。ある時、漫画家のデイヴ・グローリーに「なぜカウボーイ漫画を描いているのか?」と質問されたそうで、このことが結構印象深かったそうです。

デイヴ・グローリーの意図は、何故、女性なのに男性(よりによってカウボーイ)の主人公の漫画を描いているのか?という事だと思われますが、ブラドック氏としては当時のコミックにおける女性キャラの立ち位置が主体的なものが少なかったから自然とそうなっていたという感覚だったようです。ともかくこれを機に女性主人公ものにシフトチェンジして、そこから新聞に掲載されるようになっていったようです。

ちょっと話がずれますが、地元の図書館に「アメリカン・コミックスへの旅」というのがありまして、著者が女性でしたので変わっているなと思って借りて読んでみたんですが、タイトルでアメリカン・コミックと謳っているものの、実はアンダーグラウンド・コミックの紹介本だったのでとても驚きました。

一般にアメコミというとマーベルやDCなどの大手を指しますが、その他にもアンダーグラウンド・コミックなども存在するんですよね。そしてもちろん四コマ漫画も。で、マーベルやDCのような所謂分業制の大手のコミックと違い、アンダーグラウンド・コミックはもっと作家性が強いものが多いようです。大手にはいない女性コミック・アーティストもここには結構いるようで、同書では女性作家ならではの悩みなどを題材にしたアンソロジーの存在なども紹介されています。

何というコミック作家だったのか忘れましたが、コミックはもっと作家の主張が反映されるようになっていくべきだ、というようなことを割と早い段階で言っていた人がいて(そういった中でピーナッツなども登場したようですが)、女性作家でしたら自分の主張を出すのに女性主人公を使うのが自然でしょう。ですからブラドック氏のようにカウボーイ漫画を描いていたというのは不思議だったんでしょう。キャシー・ガイズワイトの「キャシー」も女性主人公ですし名前からして作者の投影っぽいですよね。

ブラドック氏の"Jane's World"のジェーンは新聞社に勤めているようですが、この辺もブラドック氏の経験に基づいてますね。

20250511

プロジェクターにとある"Jane's World"のストリップが映されてその説明をしていますが、ジェーンが研修生にドーナツを買いに行かせて、グレイズドドーナツを期待していたのにヴィーガン用のドーナツを買ってきてしまって高くついたとか、いきなりゾンビが出てきてゾンビは医療も休暇も必要なく健康保険にお金を払いたくない新聞社的にOKだとか、ゾンビがアルミホイルを電子レンジに入れて火事を起こすとか…この辺はちょっと英語力が足りなくてよくわかりませんが…結構エキセントリックでナンセンスなコミックを描く人なのかな?というような印象を持ちました。

ブラドック氏にしてもガイズワイト氏にしても日本ではコミックが読めませんので残念ですな。アメリカの女性作家の本をもっと読んでみたいと思ったのでした。

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