「ピーナッツ・ギャングのスクールライフ」の図録を読む③
さすがに今回で終わりにします…。
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これは図録のみで実際には展示されていないものだと思いますが、192ページに「眠りっ子、ペパーミント パティ」というコラムがあります。
ここでは彼女が居眠りをする理由として『シングルファーザーの父親が仕事から帰ってくるのを、毎晩遅い時間まで寝ないで待っているからなのです』と書かれています。
ワタシ的には、これは半分は合っていますが100%ではない、という風に思えます。
父親がいないために夜更かしをしているというのは間違いないと思いますが、それは必ずしも帰りを待っているわけではないと思います。心ある父親であれば、自分の帰りを待たずに早く寝てほしいと考えるでしょう。要するに彼女は父親が不在で干渉が無いのをいいことに奔放にしているだけじゃないんですかね。
父親は帰りが遅いだけでなく、出張で家を空けることもあるようです。ペパミント・パティは夜中の2時に電話を掛けたりすることもありますが、こういう日は恐らく父親が出張なんでしょう(さすがに在宅していたら注意するでしょう)。
そもそも、彼女は最初から居眠りキャラだったわけではありません。確か最初はスケート大会に出場するために早起きして練習をしているために昼になると眠くなる、というものだったと思います。しかしシュルツさんは居眠りネタが面白いと感じたんでしょうな。そこで定番化に際し父親の設定を絡めて夜更かしをしているということにしたんじゃないでしょうか。
ともかく、このネタでペパミント・パティを父親想いの優しい子みたいに評するのは微妙だな~と思うのであります(彼女が父親想いで彼を愛しているのは紛れもない事実ではありますが)。
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あともう一つ。チャプター3「宿題の時間です」で、1974年1月3日のストリップ(月刊SNOOPYで言うところの『アメリカ版オバQ』最終回)を取り上げていますが、これはコミックを読んでいないとさすがに意味不明でしょうな。注釈にあるようにこの時期はコホーテク彗星が地球に接近していたんですが、スヌーピーはこれをこの世の終わりと考えて布を被るという行動に出たわけです。
何故布を被るのかスヌーピー本人も理解していなくてナンセンスですな。このエピソードのちょっと前にも『スノウリーグが設立されて雪ダルマ作りは大人の監視下に置かれることになり、子供は自由に雪ダルマが作れなくなる』というナンセンスなエピソードがありまして、これも面白かったですね。クライマックスのチャーリー・ブラウンの"自由への疾走"にはテンションが上がりましたし、その後訪れる虚しい幕切れには苦笑したもんです。当時はピーナッツを読み始めたばかりでしたので、中々に思い入れがあります。
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最後は企画展から脱線しましたな。特定のストリップを観てそれを読んでいた当時が思い出されるということは往々にしてあるわけでして、ワタシにとってピーナッツはある種の郷愁装置になっているのです。
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