「怠け目」という言葉は谷川俊太郎さんが作ったのか?
この図柄、スヌーピーとサリーが楽しく海賊ごっこをしているのではありません。この2つのカットは合成で、スヌーピーは正に海賊ごっこをしていますが、サリーは怠け目治療中のために眼帯をしているだけなのです。しかも彼女は作中で眼帯のために海賊とからかわれたりしており、これは病人を冒涜する不謹慎極まりないグッズなのです。
ジーンさん、貴方もこのエピソードが怠け目のために偏見に苦しむ全米の子供たちの心の支えになったことはご存じでしょう。ダメですよ、こんなグッズを販売許可しては。可愛ければいいというものではないんです。
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それはそれとしてこの「怠け目」ですが、英語では "Lasy Eye" 、日本語では「怠惰な目」「弱視」と表記するのが一般的で、はじめは「怠け目」という表現は使っていなかったようです。
1974年の「眼科臨床医報」という本刊行物に『谷川俊太郎訳「スヌーピー」における LasyEye の訳語「怠け目」の効用について』という広瀬泉医師による興味深い一文が掲載されていました。
これによりますと、一言「弱視」といっても「機能弱視」と「機質弱視」の2つの概念があり、父兄や養護学校等で感じる「弱視」とは「盲」の手前の「機質弱視」であり、自分たちの主としている「怠惰な目」とは違うということで悩んでいたところ、月刊SNOOPY(1974年2月号)において谷川氏が「怠け目」と訳しているのを知り、以来「機能弱視」の説明にこの言葉を使用することで少なからぬ恩恵を受けている、とのこと。
ということは、谷川さんは "Lasy Eye" という言葉にぶち当たった時に、翻訳語を調べずに自分で言葉を作ってしまったという事なんでしょうか?
しかも、現在それが実際に現場で使われているという(実際には医療現場では使われていないかもしれません)…今でも「怠惰な目」「弱視」という言葉が使われていますが、「怠け目」も検索すると引っ掛かりますから使われているんでしょう(憶測を出ません。また、専門用語になったわけではありません)。
これは、"security blanket" が医学用語になってしまったことには及ばないかもしれませんが、結構すごいことなのではないでしょうか。
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コメント
「検索すると引っ掛か」る事柄について、検証することなく鵜呑みにしてしまうことは誤りを広める可能性があります。また、特定の専門分野に関わる用語についても注意を払う必要があります。専門家ではないという言い訳は悪手です。
例えば「眼科臨床医報」は俗にいう本ではありません。これは専門用語ですらなく、一般的に使われている言葉です。これを、通じるからいいだろうというスタンスである書いておられるのならば、貴殿の文章すべてが同様の姿勢で記されていると思う者が出てきてもおかしくありません。以前「移転先はGoogle SITE」と仰っておられましたが、これもなかなかに強烈な造語でした。
また、「怠け目」なる言葉が「検索すると引っ掛かりますから使われている」と書いておられますがそれは事実なのでしょうか。厚労省や大学の研究者や臨床医で広く使われている言葉なのでしょうか。
貴殿の文章からは「こうあってほしい」「これは事実誤認に間違いない」というお気持ちが強く感じられます。
文化を正しく伝えるという趣旨には賛同しますが、結論ありきの手法はいただけません。
どうかご一考をお願いします。
投稿: K | 2025.03.14 21:33
Kさん
拙ブログへご来訪ありがとうございます。
厳しいご指摘をありがとうございます。
当方としては、検索して引っ掛かるのであれば少なからず流布しているという言葉だと考えて書いたつもりです。谷川さんの造語が専門用語になったと言っているつもりは毛頭ないですが、表現の仕方は反省します。訂正も入れておきます。
「移転先はGoogle SITE」が強烈な造語とのことですが、改めて調べましたが英語表記では Google sites が正しく、日本語では Googleサイトとなるようです。このことのご指摘でしょうか。移転という表現がおかしいのでしょうか。ここは申し訳ありませんが良くわかりませんでした。
また、「こうあってほしい」「これは事実誤認に間違いない」ということろですが、これは明文化したこともありますが、これをゴールとして証拠集めをしているというのは事実です。違った結論になれば残念ですが、そのように書きますし、歴史を捻じ曲げるつもりは勿論ありません。
投稿: TOSHIK | 2025.03.15 15:03
お返事いただけたこと、感謝いたします。
まずは「移転先はGoogle SITE」については当方の勘違いでありTOSHIKIさんを侮辱していると思われる表現でありましたことをお詫びします。
申し訳ございません。
「検索して引っ掛かるのであれば少なからず流布しているという言葉だと考えて書いたつもり」ということであれば、TOSHIKIさんがやっておられるのは「少なからず流布している」事柄は事実とは異なると異議を唱えることである一方で、記事にすることで検索に引っかかるようになり「少なからず流布」することに加担することになります。
流布しているならOKという稚拙な考え方は非常に危険です。
訂正とのことですが。
AはBである(確認していません)。
こうした表記を訂正と呼ぶのであれば、こちらのページの信頼性は損なわれることになります。
「これをゴールとして証拠集めをしているというのは事実です」とのこと。
歴史改変を許さない姿勢、感服します。ピーナッツファンのひとりとして応援します。
しかしながら現状では信憑性のない資料や出典不明な記述、背景情報が不足していることを是とする姿勢、主観を重視するスタンスが伺われ、大変残念に思います。
わたしから書き込みすることは今後ありません。
不躾な投稿にお付き合いいただきありがとうございます。
投稿: K | 2025.03.16 09:13
訂正の仕方はもう少し考えます。
ワタシは何か指摘を受けた際に大本の文を丸ごと削除することは逆にフェアではないと考えています。もちろんワタシの書いた文章が誰かを傷つけてしまうと言った場合は残すべきではないと思います。
元の文を残すことによって検索件数に影響を与えるという事には考えが及んでいませんでしたが、加担といわれますと何かこの言葉は広めてはいけないと言われているように感じます。やはりポイントはここなのでしょうか。
これは谷川俊太郎さんが創造したことばであり、ここはピーナッツについて書くブログですから完全に消去するつもりはありません。
また、このブログでは自分の記憶や経験に基づいたことも多く書いています。記憶違いもあるかもしれません。訂正されない限りここに書いたことが定説となる可能性もあり危険な側面も確かにありますが、自分の思うことと考えることは大事にしています。
出典については書いていないことも多いですが、でっち上げはしていません。
過去の書籍や雑誌に書かれていたことが信憑性があるかないかの判断は付けられませんが、出版されているものは一定信頼をしています。
また、情報不足していることを是とは考えていません。
投稿: TOSHIKI | 2025.03.21 21:27