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2025.01.18

オスマー先生が彼氏の車で去ってしまうシーンの曲の聴き比べ

昨日の続き、というか補足です。

TVスペシャル「チャーリー・ブラウンのバレンタイン」の終盤、ライナスはオスマー先生に巨大なハート型のチョコレートを渡そうとしますが、彼女は彼氏の車に乗って去って行ってしまいます。見送るしかないライナス。そこにかかる10秒にも満たないピアノのフレーズが彼の虚しい心情を描き出していて実にイイのでありますが、音楽的にもそれまで流れていた "Heartburn Waltz" のヴァリエーションが急に曲調が変わり、ピアノの挿入とアープストリングスの余韻で終わるというドラマチックな構成になっているのがイイのです。

2007年に発売になったCD "Vince Guaraldi And The lost Cues Vol.2" では、そのオンエア版に忠実なセッション音源を収録していたのですが、昨日発売になった "Be My Valentine, Charlie Brown (Original Soundtrack Recording – 50th Anniversary Extended Edition)” に収録されたヴァージョンではその肝心のピアノのフレーズが入っていないのです。残念ですが、これは痛い損失です。

それぞれYouTubeに動画がありましたので貼りました。最後の10秒くらいを聴き比べると違いがよくわかります。

 

↑こちらがオンエア版に忠実な "Vince Guaraldi And The lost Cues Vol.2" の 「ピアノのフレーズ入り」の方です。カウントも入っていますので、セッションテープを基にしているのは間違いなく、モノですがそんなに悪い音ではありません。

 

↑それで、こちらが今回のサントラ盤の「ピアノのフレーズなし」ヴァージョンです。ステレオで音質はイイんですがね…。この音楽的損失は大きいですぞ。

・・・・・・

リー・メンデルソンの会社の倉庫にあったセッションテープにはピアノのフレーズが入っていなかったが、ヴィンスの子息デヴィッド・ガラルディが所有していたセッションテープにはピアノのフレーズが入っていた…ということなんですが、要はいつどこでピアノをダビングしたのか、という事なんでしょうな。

恐らくベースとなっているのはフェンダーローズ、ベース、ドラムのトリオのセッションで、そこにアープストリングス(とギターその他)をダビングするという形で仕上げていったのだろうと思われます。しかしここで急にピアノというのも唐突なんですよね。このサントラでは殆ど登場しませんし、一旦完パケにしておいてから後でピアノだけ入れたとか、そんな可能性もあるのかもしれません。

この辺り、デリック・バング氏が言及してくれるといいんですが。ライナーノートに期待ですかね。

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