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2025.01.25

疑念は晴れるか:その3

『ピーナッツの "コミックはキャラクターグッズの引き立て役" 史観』にモノ申したいと思っている今日この頃、「イヤそんなことはないだろう」という方向に持って行きたいという思い(前提)があり、そのための材料を色々と探していきたいと思っているんですが、今回は個人的な印象に基づいて感覚で書きます。

昔、月刊SNOOPYという雑誌がありました。1971年から1979年まで刊行されていました。ピーナッツが日本に上陸したと言われている1968年から3年後の創刊であり、『第一次ピーナッツ・ブーム』『ピーナッツ現象』と言われていた時代のファン気質を紐解くのに結構有効ではないかと思っていますので、近々読み返そうと思っています。

月刊SNOOPYを資料にするとコミックを読んでいる層に偏るのでは?という懸念もありますので、ここは慎重にやらなければいけないところですが、ワタシの印象としては当時はコミック・ファンとキャラクターグッズ・ファンは特に分断していなかったと思うんですよね。

先日引用した小野耕世の本に『「まあ、かわいい」といいながら、スヌーピーの人形をかかえて、女の子はピーナッツ・ブックを読む』という一節がありましたが、正にこんな感じのコミックを読むがぬいぐるみも買うという人が大体だったんではないかと思います。コミックは書店でよく売られていましたし、キャラクターグッズの市場も大きくありませんでした。若い人には信じられないかもしれませんが、月刊SNOOPYにはグッズ紹介のページが全然無かったんですよね。せいぜい裏表紙のファミリアの広告程度で、紹介するほどのグッズそのものが無かったんです。

それが70年代末期になってきますと、森永がキャラクター菓子を販売開始し、サンリオもファンシーショップを出店しグッズを量産し始め、様子が変わってきます。個人的な感覚では、この頃からコミックを読まないファンが増えてきたように思います。

昔からコミックを読んでいたファン、特に男性は、そういった新参のファンから「男のくせにスヌーピーが好きなの?」的なことを言われるようになり、そんな嘆きが月刊SNOOPYの投書欄に載るようになりました。

サンリオのパワーが凄まじかったことと、運悪く出版元である鶴書房の倒産によりコミック本が書店から消えたことが重なり、コミック・ファンとキャラクターグッズ・ファンのパワーバランスは後者に大きく傾いていくことになります。一応指摘しておきますが、鶴書房の倒産理由は労務倒産であり、コミックが売れなかったからではありません。

その後、コミックは角川書店その他からも出版されますが鶴書房時代の面影はなく、書店側の事情(買い切り商品扱いのため大量に陳列できない、どこに品出しすればいいのかわからない…普通に漫画コーナーに出せばいいのに…)も重なり、コミック・ファンですら本を見つけられない状態になります。対してキャラクターグッズは市場拡大をし続け遂にはスヌーピータウンショップなる巨大施設が誕生するまでになります。

"コミックはキャラクターグッズの引き立て役" 史観というものは、アメリカのシュルツミュージアムのキュレーターによって伝播されたものですが、恐らく彼らは鶴書房倒産後の状態を1968年当初からそうだったのだろうと決めてかかっているに違いない、とワタシは思っています。

現段階ではワタシが描いたストーリーに過ぎませんが、何とかデータを揃えて史実にまで持って行きたいな~と思っています。どうなることやら。

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