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2025.01.12

「クリスマスはいっしょの時間」ようやく入手

今日は何日だ?…てなことで、ようやく「クリスマスはいっしょの時間」を入手しました。

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装丁を見れば一目瞭然ですが、「しあわせはあったかい子犬」と同じ出版社によるシリーズです。

内容は「しあわせ~」と比べるとあまり簡潔でないものが多いですね。パシッと決まっているものもありますが、多くはノリツッコミになっていますし、端的に言ってしまうと「クリスマスあるある集」ですね。しかしまあシュルツさんの粋なギャグセンスは存分に味わうことができます。

気になったものをチョイスしてみますと、

「クリスマスはハロウィーンの翌日から始まる飾りつけ……まだ感謝祭だってきてないのに!」
 どちらもキリスト教のお祭りですが、感謝祭を飛ばすことってあるんですかね?。アニメの「チャーリー・ブラウンのイースター」ではイースターの前なのにクリスマス・セールを始めているスーパーが出てきましたが、シュルツさん流のギャグなんでしょうか。

「クリスマスはなけなしの5セント玉2枚を救世軍に寄付すること……喜んで……。」
 救世軍の募金って今でもやってますよね、日本でも。
 この最後の「喜んで……。」の「……。」は谷川俊太郎さんの付け加えで、原文は普通にピリオドになっています。これはNHKで言ってました。

「クリスマスはカリフォルニアのアグネスおばさんから今年も届いた砂糖づけフルーツの盛り合わせ。」
 ちょっとちょっと、フリーダのおばさんはアグネスですか?。原作にもない設定がこんなところで作られているとは。

「クリスマスは丘をこえ森をぬけておばあちゃんちに行くこと……おばあちゃんがマンションに越しちゃってたら話はべつだけど。」
 これはTVスペシャル「チャーリー・ブラウンの感謝祭」のクライマックスの元ネタじゃないですか。シュルツさんはこの頃から温めていたんでしょうか?。

その他引用はしませんが、「あるある」がとても多くて面白いですな。

・・・・・・

以下、ちょっとうんちくです。

この本は先にも書きましたが1960年代にアメリカのDetermined Productions Inc.から発行された絵本のシリーズの1冊です。「しあわせはあったかい子犬」がベストセラーになったので、引き続きどんどんシリーズ化していったわけですね。

のちに版権(?)がCider Mill Press Book Publishers lnc.に移ったりしまして、2008年に主婦の友社からシリーズが刊行された時は奥付ではこちらがクレジットされていました。

このシリーズは何冊あるんだろうと思って調べましたが、どうやら誰もちゃんとしたリストを作っていないようで…。同じ出版社内でも再販があったり、イラストを全取っ換えして全然別物にしたものを刊行したり(コレ、よくシュルツさんが許したなあ)、出版社が変わったりで整理がつかないんでしょうかね。で、自分なりにまとめてみました(和書中心です)。

最初は1978年に鶴書房から「幸せはあったかい小犬」と「僕の家は屋根の上」の2冊が刊行されました。

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御覧のように判型が違いますね。で、これらは『スヌーピーハピネスブック』という叢書で7冊刊行される予定だったんですが、それが果たせずに鶴書房が倒産してしまいました。

間が空いて2005年に角川書店から「スヌーピーのしあわせは…あったかい子犬」と「スヌーピーの大好きって手をつないで歩くこと」の2冊が刊行されます。

悪名高いイラスト差し替え版です。

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そしてようやく2008年にオリジナルデザインに忠実なものが主婦の友社から4冊刊行されました。

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主婦の友社はそれに先立ち1980年に所謂「料理三部作」も刊行しています。

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この3冊は、料理研究家がレシピを書いていたりしてシュルツさんの著作とは言い難いんですが、原書では統一感のある装丁が成されていました。原書の装丁は以下の通りです。

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「お菓子絵本」の原題は"Great Pumpkin Cook Book"なんですが、ハロウィンがどっかに行っちゃってますね。

その後、学研プラスから2015年に「ウッドストックの小さいって大きないのち」、2016年に「スヌーピーのぼくの家は屋根の上」が刊行されました。

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この「ウッドストックの~」、装丁はそれっぽくなっていますが、どうやら日本で勝手に作った本っぽいです。イラストは使いまわしみたいですし、検索しても原書が出てきませんので多分そうでしょう。

そして2024年に今回の「クリスマスはいっしょの時間」の刊行となるのでした。

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でもまだ翻訳されていないのもあるんですよね。

"Happiness is A Sad Song"と"SUPPERTIME!"の2冊がそれです。

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他にもまだあるかもしれませんが、とにかく全体がつかめていないのでよくわかりません。しかし引きが強そうなクリスマスの本が2024年にようやく翻訳というのも不思議な感じがしますね。

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