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2025年1月

2025.01.31

70年代におけるピーナッツのインパクト

昨日の続きになりますが、文献を漁れば漁るほど、70年代の経済界に与えたピーナッツのインパクトが大きかったと思わざるを得ません。経済関連の本を読むとどんどん出てきますからね。昨日のブログで上げたような版権経路図なんて普通は書かれませんよね。

昨日引用した本をもう少し深彫りしますが、先にオチを書いてしまうと、それまでの日本のキャラクタービジネス界隈では当たり前とされていた『キャラもの=安物』、『太く短く売る』というものを覆してこそ、息が長く成長し続けることができたんではないかと思います。

まず、当時のU.F.S.の基本というのが「安物を作るな」だったそうで、これはシュルツさんとU.F.S.ががっちり手を組んで管理を徹底させいたということで、その裏には著作者の権利尊重についての強い理念があることを感じられます。

「安物を作るな」の他に、「バーゲンをするな」「景品に使うな」を加えた3項目が契約上最も重要なものだったと。バーゲンをしないためには綿密な在庫管理が必要となります。景品に使うとなると安物感を助長することになります。いずれも守れれば連載中であるコミックの質をグッズが毀損することにはならないわけです。

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このくだりを読んで思ったのが森永のことです。1975年の後半から森永が参入しましたが、月刊SNOOPYの記事によれば数年越しの交渉ののち契約にこぎつけられたということでした。これはワタシの推測ですが、サンリオやファミリアが出しているピーナッツ・キャラが主体になるグッズとは違い、お菓子の場合は包装紙だったりとキャラがオマケ的に扱われることが懸念されて難航したのではないでしょうか?…推測ですが…。

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新商品の許諾がまた大変だったようで、ファミリアはU.F.S.に、サンリオはU.F.S.とホールマークの両方に試作品を送り、品質やデザインを精査されなければならなかったそうです。OKが出るまで1か月以上かかったとか。

これはグッズのみならず月刊SNOOPYでも同様で、毎回完成見本をU.F.S.に送って都度許可を得ていたというんですからすごいです。確かに月刊SNOOPYの投書欄には毎月『チャールズ.M.シュルツの許可を得て作画掲載』とクレジットが入っていました。みんな自由にイラストを投稿していたのではなく、実は許可をしてもらっていたんですな。

しかし考えてみますと、逆に今ってベルの設定とかご当地スヌーピーみたいなのとかってちょっとユル過ぎませんかね。少なくとも70年代にあったような著作物を尊重する姿勢は感じられませんな。まあそれはそれとして、斯様にしてスヌーピーは、ほぼノー宣伝状態でありながら、月刊誌などの媒体との相乗効果もあって、息の長い静かなブームが続いたというわけです。

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上記の『相乗効果』というのはワタシの意見ではなくこの本の著者が書いた言葉です。この言葉を信じるのならば、ほれみぃ、やっぱりコミックはグッズの引き立て役じゃないじゃん、ということになりますね。

シュルツさんもかつて言っていました。「最初からライセンスするつもりでキャラクターを創れるのか、わたしにはちょっとわからない。キャラクターはまずその存在を認められ、性格と容姿を確立しないと、価値を高められないのではないか」と。キティの後継キャラであるキキララとかマイメロなどもちゃんとバックホーンを作られストーリーが存在しますが、この辺はサンリオもU.F.S.のやり方とかを参考にしたんではないでしょうかね…これは推測ですが。

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2025.01.30

コミックも結構売れていました(疑念は晴れるか:その4)

『ピーナッツの "コミックはキャラクターグッズの引き立て役" 史観』を覆そうと、70年代に書かれた本を読み漁ったりしていますが、まあグッズの売り上げが大きくサンリオやファミリアといった企業が急成長したことは確かでした。

サンリオの売り上げは、スヌーピーを扱うことで3倍になり、ファミリアは3年間で10倍になったとのことです。

とはいえ、コミックの方も決して引けをとっていなかったことも明らかになってきました。

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叶井専著「実践・キャラクター戦略:イメージアップの商品学」という1975年に出版された本では、『おかしなワン公のスヌーピー商法』と章立てて10ページほど書かれています。

当時の具体的な売り上げの数字が示されていたので、とてもわかり易くなっています。

・月刊SNOOPYの発行部数:約10万部、最も多い読者層:13歳

・ピーナツブックス(既刊38巻)の発行部数:約150万部、1点あたり7万部以上売れた巻が6点、最も多い読者層:15歳

・スヌーピーのぬいぐるみ(ファミリア)の売上数(1973年度):11万3千個

・サンリオのピーナッツ関連売上(1974年度):約7億円

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因みに月刊SNOOPYの部数は別の本(「流通経済の手引1976年版」)では最大部数13万部とちょっと増えていますが、この部数を一般週刊誌や漫画雑誌と比べると確かに貧弱で、どう判断するかは意見が分かれると思います。

あの「いちご新聞」が最大で16万部だったと言われていますから、ピーナッツのコミックだけを載せている月刊誌が10万部も売れているのであれば悪い数字ではないとワタシは思います。贔屓でしょうかね?ぬいぐるみの年間売り上げと拮抗していたというのも考慮してもいいと思います(ぬいぐるみ購入者はリピーターではないので、毎年約10万人づつ増えていくぬいぐるみ愛好家と発行部数をそのまま比較するべきではないかもしれませんが…)。

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あと、当時の売り方ですが、百貨店に『スヌーピー・ハウス』というコーナーを設けてグッズと書籍をまとめて売り、訴求効果を上げていたらしいです(現場を見た記憶はありませんが、妹のぬいぐるみは百貨店で買ってましたので、ひょっとしたらそこがスヌーピー・ハウスだったのかもしれません)。

当時はまだ商品化権を持っているのがファミリアとサンリオと1974年に参入したばかりのシチズンだけで、お菓子を扱う森永はまだ参入前でした。そのためグッズとコミックをバランスよく売ることができていたわけで、ワタシの印象である『グッズ・ファンとコミック・ファンは分断していなかった』というのも強ち間違いではないのかなと思えます。

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シンプルですな。これはこれでいい時代だったのかもしれません。

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いかがでしょうか。これからも色々調べていきたいと思います。

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2025.01.26

サンリオのスヌーピーの商品展開

1979年に出版された「サンリオの奇跡 世界制覇を夢見る男達」という本を読みました。サンリオがどのようにキャラクタービジネスを考えて展開していったのかということを知りえる本であり、全体的にとても面白いんですが、その中でピーナッツに関連する箇所についてちょっと書きます。

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サンリオ社長の辻氏は、子供が使う文房具などが地味であり、子供ももっと可愛いものの方が欲しいだろうという深層心理に火をつけたい、いやらしく言えばそこに商機あり、と考えていました。

既にパティ&ジミーである程度成功していたので、次は動物のキャラクターだということになり、どういう動物が人気があるかとリサーチしたところ、最も人気があったのが「たれ耳の白犬」だという結果になったそうです。因みに2位は白猫だとのことです。後年サンリオは社内に正式な調査部門を作ったそうですが、調査結果は常に白犬・白猫・白熊の順だったそうです。

で、たれ耳の白犬が人気だと結論づいたところで、UPI通信社が白いビーグル犬の日本での使用権を売りたがっているという情報が入ってきたと。ホールマークが使用権を持っていて、UPIが売り込みをしても日本ではスヌーピーといっても見向きもされいという状況の中、ホールマークを通じて使用権を獲得したのだそうです。

早速、手提げ袋などにスヌーピーを付けてみるとこれが飛ぶように売れて、やはりリサーチしたデータは正しかったんだと思ったそうです。

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ここだけ読みますとちょっと論理の飛躍があって、何故見向きもされなかったスヌーピーがサンリオの手に渡っただけで大ヒットに至ったのかがよく解りません。実際にホールマークは売り上げ不振で撤退している事実があります。ポイントはグリーティングカードというところなんでしょう。要は日本にはグリーティングカードを贈るような文化が無かったから売れなかったということなんですな。サンリオの成功はグリーティングカードではなくそれを他のグッズに転用したところにあるわけです。

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この後の展開ですが、このスヌーピーの売り上げは『山梨シルクセンター』の業績向上に大いに貢献したものの、辻氏はスヌーピーがアメリカ産であることが気に入っておらず、やはり日本人の手によるキャラクターでなければということで、デザイナーたちに白猫か白熊のキャラデザインを命じたそうです。

楠侑子がデザインした熊を採用して「小熊のコロちゃん」として商品化したそうですが、ワタシはこのキャラは全然知りませんねえ。で、彼女は同時に白猫のキャラも作っていて、こちらにもキティと名付けて商品化したそうなんですが、結果的にこちらの方が大ヒットしてしまったという事なんですな。

驚いたのが、1979年の本なのに既にアメリカでキティが大人気だと書かれていたことです。ホールマークが逆に自分たちのフランチャイズ店にサンリオグッズを置くようにしたようなんですが、サンリオは自社のショップの海外展開も始めていて、そのための人材育成で外国語が堪能な社員を採用し始めている、といったことが書かれていて、いやーサンリオってワタシが考えていたより全然すごい会社だったんだな~と感心しました。

あと、辻氏は一般的なキャラクターの寿命は10年だろうと考えていて、当時既に6年目だったキティは人気の峠は越えたと見ていたようです。それでキティに続くキャラ展開として、リトルツインスターズやマイメロディといった新キャラを用意していると書かれています。

このようにキティの人気については完全に辻氏の読みは外れているわけですね。小熊のコロちゃんの方が人気になるだろうということも含めて2度も外していることになります。

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後半はキティの話になってしまいましたが、キティ誕生の裏にスヌーピーの存在があったというのは興味深い話でした。しかし「サンリオの奇跡 世界制覇を夢見る男達」というタイトル、1979年当時は夢見る男達だったんでしょうが、ホントに世界制覇してしまいましたからね。すごい話です。

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2025.01.25

疑念は晴れるか:その3

『ピーナッツの "コミックはキャラクターグッズの引き立て役" 史観』にモノ申したいと思っている今日この頃、「イヤそんなことはないだろう」という方向に持って行きたいという思い(前提)があり、そのための材料を色々と探していきたいと思っているんですが、今回は個人的な印象に基づいて感覚で書きます。

昔、月刊SNOOPYという雑誌がありました。1971年から1979年まで刊行されていました。ピーナッツが日本に上陸したと言われている1968年から3年後の創刊であり、『第一次ピーナッツ・ブーム』『ピーナッツ現象』と言われていた時代のファン気質を紐解くのに結構有効ではないかと思っていますので、近々読み返そうと思っています。

月刊SNOOPYを資料にするとコミックを読んでいる層に偏るのでは?という懸念もありますので、ここは慎重にやらなければいけないところですが、ワタシの印象としては当時はコミック・ファンとキャラクターグッズ・ファンは特に分断していなかったと思うんですよね。

先日引用した小野耕世の本に『「まあ、かわいい」といいながら、スヌーピーの人形をかかえて、女の子はピーナッツ・ブックを読む』という一節がありましたが、正にこんな感じのコミックを読むがぬいぐるみも買うという人が大体だったんではないかと思います。コミックは書店でよく売られていましたし、キャラクターグッズの市場も大きくありませんでした。若い人には信じられないかもしれませんが、月刊SNOOPYにはグッズ紹介のページが全然無かったんですよね。せいぜい裏表紙のファミリアの広告程度で、紹介するほどのグッズそのものが無かったんです。

それが70年代末期になってきますと、森永がキャラクター菓子を販売開始し、サンリオもファンシーショップを出店しグッズを量産し始め、様子が変わってきます。個人的な感覚では、この頃からコミックを読まないファンが増えてきたように思います。

昔からコミックを読んでいたファン、特に男性は、そういった新参のファンから「男のくせにスヌーピーが好きなの?」的なことを言われるようになり、そんな嘆きが月刊SNOOPYの投書欄に載るようになりました。

サンリオのパワーが凄まじかったことと、運悪く出版元である鶴書房の倒産によりコミック本が書店から消えたことが重なり、コミック・ファンとキャラクターグッズ・ファンのパワーバランスは後者に大きく傾いていくことになります。一応指摘しておきますが、鶴書房の倒産理由は労務倒産であり、コミックが売れなかったからではありません。

その後、コミックは角川書店その他からも出版されますが鶴書房時代の面影はなく、書店側の事情(買い切り商品扱いのため大量に陳列できない、どこに品出しすればいいのかわからない…普通に漫画コーナーに出せばいいのに…)も重なり、コミック・ファンですら本を見つけられない状態になります。対してキャラクターグッズは市場拡大をし続け遂にはスヌーピータウンショップなる巨大施設が誕生するまでになります。

"コミックはキャラクターグッズの引き立て役" 史観というものは、アメリカのシュルツミュージアムのキュレーターによって伝播されたものですが、恐らく彼らは鶴書房倒産後の状態を1968年当初からそうだったのだろうと決めてかかっているに違いない、とワタシは思っています。

現段階ではワタシが描いたストーリーに過ぎませんが、何とかデータを揃えて史実にまで持って行きたいな~と思っています。どうなることやら。

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2025.01.24

It's The Easter Beagle, Charlie Brown のサントラ発売決定!

今年はまだ始まったばかりですが、もう2枚目のサントラ盤の発売が決定しました。3月21日発売です。Fantastic!いいペースだ!!

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"It's The Easter Beagle, Charlie Brown" 、谷啓版の邦題は「チャーリー・ブラウンのイースター」でしたが、現在Apple TV+ で配信しているものも巡り巡って「チャーリー・ブラウンのイースター」となっています。これは個人的には初めて録音したTVスペシャルなので思い入れが強いです。何度も繰り返し聴きましたね。

テーマ曲(最初の谷啓版ではカット)とそのヴァリエーション(ウサギと踊るシーンとエンドテロップ)が実に美しく、また、イースタービーグル登場シーンのベートーヴェンの7番第1楽章とその直前の憂鬱なシーンにかかる第2楽章や、バッハのメヌエットに合わせて踊るシーンとか、クラシック曲の使用方法には唸ったものです。

作品順としては今月サントラ盤が発売になったばかりの「チャーリー・ブラウンのバレンタイン」の1つ前ですが、バレンタインで大活躍したアープストリングスの登場はありません。その代わりフェンダーローズやギターや木管楽器などの参加で華やかなサウンドになっています。

この作品の曲も既発のCD "Vince Guaraldi And The lost Cues Vol.2" でいくつかを聴くことができましたが、ステレオの高音質で聴けるのを楽しみに待ちたいと思います。

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2025.01.23

スヌーピーミュージアムの企画展に早速ツッコむ

スヌーピーミュージアムの企画展「ピーナッツ・ギャングのスクールライフ」について、公式サイトの方で詳細を確認しましたが、相変わらずの内容にツッコまずにはいられませんでした。

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昨年の失敗を全然反省していないと言いますか…まあ失敗とは思っていないんでしょうから反省のしようもないですか。

「スクールライフ」なんですよね。なんでエミリーがいるんでしょうか。

まさかダンススクールなんてこじつけではないでしょうね、と思ってよく読んでみますと、『アメリカでは学校行事に組み込まれるほど、ダンスは広く親しまれています 』と書かれておりました。エミリーは恐らく違う学校の生徒でしょうし、ペパミント・パティとピッグペンも違う学校の生徒です。これらのエピソードを学校行事として扱うのは強引であり単なるこじつけではないでしょうかね。

他にも『のんびり過ごせる夏休みは癒しの時間。でも必ず終わりがやってきます 』なんていうのもありますが、展示する原画は45点なんですよね。そんな夏休みの話にまで幅を広げる余裕がありますか?。

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そもそもの冒頭の説明文。『授業は毎日淡々と行われ、時には緊張する発表の機会もあり、 ご褒美にダンス・イベントも。家に帰れば宿題もするし、夏休みにはサマーキャンプで新たな出会いもあったりします…』

ご褒美のダンス・イベントなんてありましたっけね?

宿題とかサマーキャンプとか、こういう学生生活全般を総じて「スクールライフ」として扱うんでしたら、もうスヌーピー以外のエピソードの殆どが「スクールライフ」に定義されてしまいますので、この企画自体が成り立たなくなっちゃいませんかね。

扱うんであれば正課活動をメインにした方が良いのでは。課外活動まで含めますと何が何だかわからなくなってしまいかねません。

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2025.01.22

スヌーピーミュージアムの年間スケジュール + ブルックリン博物館所蔵 特別展 古代エジプト

昨日ウォーカープラスにスヌーピーミュージアムの年間スケジュールが出ていたようですね。

約2カ月ごとに「Happy Seasons!」と題したシーズンイベントを開催予定とか。

・~2025年3月2日(日):ハッピー・バレンタイン
・2025年3月8日(土)~5月9日(金):ハッピー・スプリング
・2025年5月10日(土)~7月4日(金):ハッピー・レイン
・2025年7月5日(土)~9月5日(金):ハッピー・サマー
・2025年9月6日(土)~10月31日(金):ハッピー・ハロウィーン
・2025年11月1日(土)~12月25日(木):ハッピー・クリスマス
・2025年12月26日(金)~2026年3月1日(日):ハッピー・ラブ

…だそうです。大方暦通りですが、ヴァレンタインを3月までやるのはどうなんでしょう?あと、ハッピー・レインですか?アメリカには雨季は無いしなあ。そういえば『雨は正しい者にも正しくない者にも降るのさ』なんてセリフがありましたね。一応世間ではチャーリー・ブラウンの名言扱いになっていますが、他のキャラも言ってますし、そもそもはイエスの言葉ですよね。スヌーピーの『じゃあ何故われわれ中間者にも降るんだ?』という突っ込みあっての引用だと思いますが、そこだけ抜き出しても…。

企画展の方も決まったようですね。

・2025年3月8日(土)~8月31日(日):「ピーナッツ・ギャングのスクールライフ School Life of the Peanuts Gang」
・2025年9月6日(土)~2026年3月1日(日):「ピーナッツ75周年記念『スヌーピー展』 PEANUTS 75th Anniversary Special Exhibition」※仮タイトル

前半は学校特集ということですね。ワタシの予想ですが、先生を困らせるペパミント・パティでひと枠あるんじゃないでしょうか。サリーと学校さんもあり得ますかね…これは今となってはマイナーネタですから難しいか…。チャーリー・ブラウンの孤独なランチタイムとかもあるかもしれません。

後半は何でしょうね。『スヌーピー展』という言葉が引っ掛かりますが、2013年のアレの再来でしょうか?想像がつきません。

図録を楽しみに待っています。

あと、蛇足ですが、商業主義が強いですよね。

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森アーツセンターギャラリーで古代エジプト展をやるという情報が、20日に出ていましたが、ピーナッツが駆り出されてしまうんですな。

今時は美術展とコラボカフェってもう必然みたいな感じになってますけど、難い展示で集客を増やすのには仕方が無いんでしょうな。現代美術とかサブカル的な展示会ならまだわかりますけど、ゴッホ展とかモネ展とかでもやりますもんね。

でもってピーナッツですよ。ゴッホ展とのコラボの時は、一応スヌーピーがゴッホの画を持っていたという設定があったのでまあいいかと思っていましたが、古代エジプトとピーナッツって何の関係もないですよね。出土品を可愛くしたグッズならともかく、何でピーナッツなんですかね。

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2025.01.20

「チャーリー・ブラウンのバレンタイン」のCD届く

1月17日発売の "Be My Valentine, Charlie Brown" 「チャーリー・ブラウンのバレンタイン」のCDが届きました。今回は早かったですな。輸入業者さんもワタシのような客がいることを認知して取っておいてくれたんでしょうかね。

…パッケージの紙質が少し粗悪になっています。う~ん、危機感を感じますね~。やはり売り上げが厳しいのでしょうか?

ともかくライナーノートを読んでいきます。

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ライナーを書いているのはショーン・メンデルソン、ジェイソン・メンデルソン、デリック・バングのおなじみの3名です。

巻頭のショーン・メンデルソンの "Garaldi's brillant and third-to-last score" という書き方が辛い…。「最後から3番目のスコア」ですよ。このあと2作手掛けた後にガラルディは亡くなってしまうんですよね。

このサントラが録音されたのは1974年(放送は75年)で、デリック・バングによりますと、当時ガラルディは北カリフォルニアの地元では人気がありましたが、契約しているレーベルは無くレコードはもう5年も作っておらず、全国的にはほとんど知られていない人になっていたようです。ピーナッツのTVスペシャルの仕事で全国的な知名度だったはずなのに。それはサントラ盤としてリリースされたのが最初の「チャーリー・ブラウンのクリスマス」だけだったというのもあったんでしょう。今のようにリリースされていれば…。それでもライヴで忙しかったようですし、サントラの仕事もあり経済的には問題なかったようです。

このサントラのレコーディングは、1974年の12月9・17・18・23・30日の5日だったとのことです。年の瀬に随分頑張っていたんですな。で、年が明けて75年、作品のオンエア後にガラルディはまたライヴに戻り、夏になると次作 "You're a Good Sport, Charlie Brown" のサントラのオファーが来た、という流れになっていきます。

デリック・バング曰く、この次作 "You're a Good Sport, Charlie Brown" がガラルディのシンセサウンドの頂点とのことですが、これはワタシも大いに同意しますね。詳しいことはサントラが出るときに書きたいと思います(出してね)が、一つだけ言っておきたいのはモトクロスをテーマにした作品のサントラだったら普通はああいうサウンドにはしないだろうということです。もしガラルディの死がもう少し早かったら凡庸な作曲家(エド・ボガスとか)が凡庸な曲を付けていたはずで、これはアニメ作品としての評価にも影響が出ていただろうと思います。

それはそれとして、本作についてもバング氏は新しいおもちゃを最高の使い方をしていると褒めています。 新しいおもちゃというのはこのサントラのサウンドを特徴づけているフェンダーローズとアープストリングのことです。バング氏は、このライナーノートの自分のパートのタイトルとして "A Sweet Treat from Vince Guaraldi" …「ヴィンス・ガラルディからの甘いごちそう」と題していますが、この甘さというのにローズとアープは大貢献していると言えるでしょう。アープの使用については「ヴァレンタインデーの精神に奉仕している」とまで書いています。

70年代のストリングス系のシンセといいますと、日本ではオランダのソリーナがよく使われていたように思います(ムーンライダーズの岡田徹とか)。これを機にちょっと調べましたがアープストリングというのはソリーナからOEM供給されていたものだそうなので基本的には一緒なんですね。アープはアメリカの会社ですのでガラルディはこっちを使ったんでしょうな。

曲についても色々書かれていて興味深いです。掻い摘みますが、まず本作は「ライナス・アンド・ルーシー」などおなじみのメロディの再利用が全然ありません。かわりに "Heartburn Waltz" という新曲をメインにしてそのヴァリエーションを多数使用しています。一応「ライナス・アンド・ルーシー」とクレジットされているトラックは2つありますが、言われても「ライナス・アンド・ルーシー」とは気づけないような曲になっています。よく聴くと「ライナス・アンド・ルーシー」のブリッジの部分とコード進行が一緒だということに気が付きますが、本当にその程度の類似です。

"Jennie L" というタイトルの曲が収録されています。これはサリーの所謂「プロペラ帽だ、ヨーヨーだ」のシーンにかかる曲ですが、ライナーによればこのタイトルが何を(誰を)指しているのかは解っていないようです。ガラルディはピーナッツ用の曲なのに "Cops and Robbers" とか "African Sleigh Ride" とか時々謎なタイトルを付けますね。余談ですが、ワタシはこの "African Sleigh Ride"は "There's No Time For Love, Charlie Brown" のキーになる曲なんではないかと思っています(サントラの発売を熱望します)。

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あと、ライナーノートでの音楽以外のネタですが、番組を観てチャーリー・ブラウンの処遇に腹を立てた子供たちがU.F.S.のオフィスやサンタローザにヴァレンタイン・プレゼントを贈り、それが何百にもなったんだそうです。こういうのは微笑ましいですね。

それとエンドテロップ。スヌーピーの足人形ですが、ライナーノートによると人形の顔とテロップの人物は符合しているとのこと。ガラルディはオンエアを観てびっくりしたんだそうです。

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しかしこれはデフォルメと言いますか、可愛くなりすぎていて気が付きませんでしたよ。なるほど、監督のフィル・ローマンはメガホンを持ってますし、音楽監督のジョン・スコット・トロッターは指揮棒を持っていますね。

…そういえば(また音楽に戻ってしまいますが)、ライナーノートを読んでも音楽監督であるジョン・スコット・トロッターが何をしていたのかが全然わかりませんでした。尺とかタイミングなどについてもガラルディ本人がかなり綿密にやっていたみたいですし、このエンドテロップの画像を確認するまでトロッターのことは完全に忘れていました。

高齢でしたし、契約上仕方がなくクレジットしていたのでしょうか?

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2025.01.19

植草甚一の「ぼくのニューヨーク案内」を読む

果たしてピーナッツのコミックはキャラクターグッズの引き立て役に過ぎなかったのか否か?

この疑念を晴らすには、自分がファンになる以前のことを調べなければなりませんが、その一環で植草甚一の本も読んだりしています。

この「ぼくのニューヨーク案内」は1978年に刊行された本ですが、色々な媒体に書いたものを集めたもので、中には1960年に書かれたものもあります。ワタシが読みたかったのは154ページからの「チャールズ・シュルツの日常生活」という章で、これは1970年に書かれたものです(先に書きますが、この本は疑念を晴らすタイプの内容はありませんでした)。

この章はまず植草氏がヴィンス・ガラルディの "Oh, Good Grief!" のレコードを見つけて買うところから始まります。氏は最初はどんなレコードなのかわからずに買ったようですが、すぐにTVスペシャル用に書いた曲の再演集だということに気が付きます。氏はジャズについての著作が多く(しかもわかり易いので評判がいい)、ここでも音楽について何か書いてくれればよかったんですが、話の主体でないせいなのか評価するほどのものではないのかスルーでした。で、ジャケット裏に "このレコードは「ピーナッツによる福音書」の音楽版だ" と書いてあることに気が付き、書棚から昔買っておいたロバート・ショート著「ピーナッツによる福音書」を取り出します。

"Oh, Good Grief!" のレコードというのはコレですね。

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で、ジャケ裏に "このレコードは「ピーナッツによる福音書」の音楽版だ" と書いてあったとのことなんですが、エッ?そんなこと書いてあったっけか?とワタシは驚きました。改めてジャケ裏を見てみましたが、"Vince Guaraldi is the musical gospel according to Peanuts" と確かに書いてはあります。うーん、ワタシは「これはピーナッツによる音楽の福音だ」くらいの感じに解釈してましたが…。

ともかく、氏は「ピーナッツによる福音書」を読みますが、第四章のタイトルが "Good Grief!" となっていることに興味を持ちます。氏はかねがね "Good Grief!" に相当する日本語が無くて谷川俊太郎が苦労していると感じていたようです。

ロバート・ショートはこの2語による言葉の分析もしていてそれを紹介しています。ワタシなりに要約しますと、"Good" と"Grief" という相反する言葉が並んでもキリスト教的には "Grief" には「いい悲しみ」と「あまり良くない悲しみ」の2種類の意味があり、言い換えると前者は「神聖な悲しみ」でそれを感じた人は改悛へ導かれ魂が救済されることを信者は理解しているので "Good" な"Grief" であってもそれをおかしいとは思わない…というような感じだと思うんですが、合ってますかね。でもって伝わりますでしょうか?

ともかく、ショート師の登場によってコミックが神学書までに引き上げられてしまい、シュルツさんは登場人物はどんな哲学を持っているのか、なんてことを質問されたりしたんだそうです。この辺、90年代のツワルスキーの本が登場したあとの日本の状況にちょっと似てますね。

しかし、別に哲学なんてないわけで。なんだかんだ言ってシュルツさんの理想の漫画は「ポパイ」であって「ポパイ」にすごく影響を受けていると公言していますからね。難しい漫画を描こうなんて意図があるわけがないんです。ただ、読み手が色々な解釈ができる懐の深さがあるだけなんです。

最後に植草氏は、登場人物が失敗をやらかす=苦い味が命であって、その過程で人生について深く考えるようになり次第に人として成熟した精神の持ち主になっていくのであり、シュルツさんは一流漫画家として見識があると感心する、という感じで結んでいます。

諸々解釈違いがあったらすみません。

ところで、160ページに以下のような記述があります。

どうやら最近の読者反応では、かんじんのチャーリー・ブラウンがスヌーピーに食われだしているのである。これではいけないとシュルツは考える。どうしたらいいだろうか。

1970年の状況からしたらそうでしょうなあ。

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2025.01.18

オスマー先生が彼氏の車で去ってしまうシーンの曲の聴き比べ

昨日の続き、というか補足です。

TVスペシャル「チャーリー・ブラウンのバレンタイン」の終盤、ライナスはオスマー先生に巨大なハート型のチョコレートを渡そうとしますが、彼女は彼氏の車に乗って去って行ってしまいます。見送るしかないライナス。そこにかかる10秒にも満たないピアノのフレーズが彼の虚しい心情を描き出していて実にイイのでありますが、音楽的にもそれまで流れていた "Heartburn Waltz" のヴァリエーションが急に曲調が変わり、ピアノの挿入とアープストリングスの余韻で終わるというドラマチックな構成になっているのがイイのです。

2007年に発売になったCD "Vince Guaraldi And The lost Cues Vol.2" では、そのオンエア版に忠実なセッション音源を収録していたのですが、昨日発売になった "Be My Valentine, Charlie Brown (Original Soundtrack Recording – 50th Anniversary Extended Edition)” に収録されたヴァージョンではその肝心のピアノのフレーズが入っていないのです。残念ですが、これは痛い損失です。

それぞれYouTubeに動画がありましたので貼りました。最後の10秒くらいを聴き比べると違いがよくわかります。

 

↑こちらがオンエア版に忠実な "Vince Guaraldi And The lost Cues Vol.2" の 「ピアノのフレーズ入り」の方です。カウントも入っていますので、セッションテープを基にしているのは間違いなく、モノですがそんなに悪い音ではありません。

 

↑それで、こちらが今回のサントラ盤の「ピアノのフレーズなし」ヴァージョンです。ステレオで音質はイイんですがね…。この音楽的損失は大きいですぞ。

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リー・メンデルソンの会社の倉庫にあったセッションテープにはピアノのフレーズが入っていなかったが、ヴィンスの子息デヴィッド・ガラルディが所有していたセッションテープにはピアノのフレーズが入っていた…ということなんですが、要はいつどこでピアノをダビングしたのか、という事なんでしょうな。

恐らくベースとなっているのはフェンダーローズ、ベース、ドラムのトリオのセッションで、そこにアープストリングス(とギターその他)をダビングするという形で仕上げていったのだろうと思われます。しかしここで急にピアノというのも唐突なんですよね。このサントラでは殆ど登場しませんし、一旦完パケにしておいてから後でピアノだけ入れたとか、そんな可能性もあるのかもしれません。

この辺り、デリック・バング氏が言及してくれるといいんですが。ライナーノートに期待ですかね。

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2025.01.17

"Be My Valentine, Charlie Brown" 50th Anniversary Extended Edition Soundtrack を聴く

遂に "Be My Valentine, Charlie Brown" 「チャーリー・ブラウンのバレンタイン」のサウンドトラックが発売されました。ワタシは毎度のことですが配信で聴きました。パッケージ盤は届くのをゆっくり待ちましょう。今回もライナーノートが楽しみです。

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全30曲収録で22曲目までストーリーに沿って収録されています。23曲目からラストまではオルタナテイクなどボーナストラックになっているんですが、1曲目の "Heartburn Waltz" からぶっ飛ばされました。何ですか、この音質は。同曲は今まで "Vince Guaraldi And The lost Cues" や "Charlie Brown's Holiday Hits" などでも聴くことができましたが、もう完全に別物ですね。本当はこういう曲だったんだ、こんな風に音を重ねていたんだ、ということが判って感慨ひとしおです。

こうして音質が向上すると、シュローダーが弾くピアノの音をわざとローファイにしているのが際立ちますね。トイピアノを弾いている設定ですから違和感が生じないように工夫をしていたんですな。

あと、去年の11月18日のブログで予測していた通り、ショパンのノクターンはワウフラのないサウンドで収録されていました。しかもワウフラ&スクラッチノイズ入りのヴァージョン(エンディングテーマ)も収録されていたので得した感じです。

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ただし、違和感があるテイクが2つありました。

1つは、"Valentine Interlude #2 / Heartburn Waltz (7th Reprise)" と題された曲で、チャーリー・ブラウンが空のカバンを捨てるシーンからライナスがオスマー先生を探して追いかけるシーンまでのBGMを続けて演奏しているんですが、ラストのボーイフレンドの車に乗って去っていくオスマー先生を見送るライナスのシーンのピアノの音が抜けてしまっているのです。

この曲は既発の "Vince Guaraldi And The lost Cues" にも収録されていましたが、こちらではちゃんとラストのピアノも入っていました。しかもアープストリングの余韻の音が思いのほか長くなっていて、よりドラマチックになっていました。

このヴァージョンが高音質で聴けることを期待していたんですが、ちょっと残念でした。

もう1つは、"Woodstock’s Revenge" という曲で、これもオンエアされたアニメではアープストリングスが分厚くてよかったんですが、このアルバムのテイクでは物凄く控えめになってしまっていました。そう、何故かアープストリングスがアルバムを通じて小さくなっている感じなんですよね。はっきり言いまして、このアニメのBGMはやりすぎと言えなくもないほどのアープストリングスをてんこ盛りにしているところが一種の魅力だったんですが、そういう異常さが薄められた感じがしますね。

そんな感じで、"Vince Guaraldi And The lost Cues" で補完しながら聞かないと些かフラストレーションが溜まるかもしれません。

それでもそれを補って尚素晴らしいアルバムではあります。「チャーリー・ブラウンのバレンタイン」を見てヴィンス・ガラルディにやられた人でしたら絶対にマストなアルバムですからぜひ買ってください。そうでない人にももちろんお勧めです。

ライナーノートに基づいた細かい分析はまたCDを入手してから行いたいと思います。

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2025.01.16

家庭画報2024年1月号を読む

1年遅れですが、家庭画報の2024年1月号を読みました。特集は「スヌーピーが愛される理由」なんですが、特集されていたという情報を知って図書館で借りたのでした。

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この令和の時代に改めて16ページも特集されていたとはちょっと驚きですね。

内容は順に、ピーナッツの歴史、ペイジ・ブラドックとジーン・シュルツのコメント、名言集(谷川俊太郎インタビュー含む)、パトリック・ハーランとバラク・オバマとデリック・バングのコメント(オバマはピーナッツ全集からの抄録)、グッズ紹介、ミュージアムとカフェと帝国ホテルの宿泊プランの紹介、となっていました。これまでピーナッツに触れてこなかった人向けとしては、いい企画だったと思います。

とりあえず、名言集のページについて…。

所謂名言と、それを言ったキャラの紹介という構成になっていましたが、ちょっとシャーミーがなぁ…。

「この人生には、飲まなきゃならない苦い薬もある」。ツルコミの時は「ニガい薬もあるもんさ」だったように思いますが、ともかくシャーミーの放ったセリフとしては最も記憶に残るものの一つでしょう。とはいえ…うーむ…シャーミーならでこそのセリフかというと、そうではないですよねえ。他の名言はみな言ったキャラにとても紐づいているのにここだけちょっと浮いているんですよね。キャラ紹介を交えているから余計にそう感じられます。うーむ。

あと特集のタイトルに関わることですが、谷川さんはピーナッツが日本人に愛される理由として「争いを好まないシュルツさんの作品だから、和を大切にする日本人の精神と調和するのでは」と語っていました。

・・・・・・

やっぱり他の記事についても少し。歴史のページでスヌーピーについて「漫画史上、動物として初めて主人公をしのぐ人気者になりました」とありましたが、これは本当なんでしょうか?

主人公の人気をしのぐ動物キャラと言って真っ先に思い浮かぶのは「モーレツア太郎」のニャロメですが、あれはピーナッツよりも全然後発ですよねえ。本当にピーナッツ以前には無かったんでしょうかね?。主人公よりもマスコット的なキャラが人気を得るというのは結構ありがちな気がしますし、その手のキャラは大方動物だったりします(ディズニー映画がいい例)。

近頃はどうにもピーナッツを上げようとする言葉には懐疑的になっていまして、そういう盛ったものには乗っかりたくないなーと思ってます。言質が取れてるのかどうか怪しい感じがしますので、こういうのには気を付けないといけません。

やはり怖いのは、こういうのを読んで信じてしまう人がいるというところです。そういう疑念を差し引けば、先にも書きましたがこれまでピーナッツに触れてこなかった人向けとしては、いい企画だったと思います。


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2025.01.15

疑念は晴れるか:その2

小野耕世の『ぼくの映画オモチャ箱』という本の中に気になる記述を見つけました。

おそらく、いま、「ピーナッツ」くらい、女の子に人気のあるマンガはないだろう。「まあ、かわいい」といいながら、スヌーピーの人形をかかえて、女の子はピーナッツ・ブックを読む。

この本は1976年に晶文社から出版されたものですが、文中に「ピーナッツが誕生して22年になるが」という記述がありますので、1972年つまり「スヌーピーとチャーリー」が封切られた時に書かれたものだとわかります(一応映画の本なんで)。

これは、ワタシが疑念を抱いている『ピーナッツの "コミックはキャラクターグッズの引き立て役" 史観』に一石を投じる重要な歴史的資料になるのではないでしょうか。

また、1972年当時はピーナッツは大人気で「ピーナッツ現象」と言われていたという記述もあります。

これら記述を信じるのであれば、「ピーナッツ現象」という言葉が生まれるほどのブームを支えているのがぬいぐるみとTシャツ(当時のグッズはその程度)と考える方が無理があるんじゃないですかね。

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以下はおまけです。

BUGS BUNNY というキャラがいますね。『バッグス・バニー』と訳されていますが、発音しづらいせいか、『バックス・バニー』と間違って書かれたりすることが多いです。

小野耕世はこだわりがあるようで、同書では『バグス・バニィ』と記述しています(日本上陸前でなく70年代に書かれた本ですからね)。

BUGSの発音は『bʌɡz』で、zは結構抜けるように発音されるので、小野耕世の表記はオリジナルの発音にかなり忠実だとは思います。

ワタシ個人としては、発音のしやすさを考えて『バグズ・バニー』としたほうがいいと思うんですがね。今更無理でしょうか。

『ピーナッツ』も80年代までは『ピーナツ』が主流だったんですがね。

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2025.01.14

1976年の「スヌーピーとチャーリー」リバイバル公開がいかに凄かったか

拙サイト LOCAL CACTUS CLUB 移転準備中ですが、また小ネタを一つ。

1月5日に「1972年の新聞記事」という題で「スヌーピーとチャーリー」の新聞広告を載せましたが、今度は1976年のリバイバル時についてです。

実は1972年のロードショーは字幕版のみの上映でした。1973年の「スヌーピーの大冒険」で初めて吹き替え版が登場し、1976年にこの「スヌーピーとチャーリー」の吹き替え版が満を持して登場したのですが、この3年の間にピーナッツの人気はかなり高まったのでしょう。2か月間で10万人以上を動員したとされています。

この数字について大したことはないと思われるかもしれませんが、各地のシネコンで上映していたのではなく、有楽町スバル座の単館上映でのものですからね。

当時のスバル座の座席数は270席でした。ざっくり10万人を60日で割って1日6回上映として更に6で割りますと、1回あたりの入場者は277人となります。つまり毎回ほとんど満席か立ち見状態だったわけです。

そのため、当初7月10日(土)から9月5日(日)までの上映予定だったものが9月24日(金)までの延長となったのでした。

この時の新聞広告がちょっとアレなんですけどね。

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8月20日の広告では『夏休みの想い出に…ぜひお見逃しなく!』と煽っていますが・・・

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当初の最終日の2日前の9月3日の広告では『大盛況につき9月24日(金)まで続映!』と、ちゃっかり延長しちゃっているのでした。煽られて急いで観に行った人の立場は?

やはり70年代のピーナッツ・ブームはすごかったんだな~と、当事者として改めて思うのでした。

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2025.01.13

ハピネス・シリーズにみるピーナッツ・ギャングたちの裏の顔

昨日に引き続いての話なんですが、この絵本群は所謂シリーズ名が無いので何と表現してよいのかちょっと困ります。仮に「ハピネス・シリーズ」とでもしておきましょうかね。

1冊目の「しあわせはあったかい子犬」発刊の元になったのは1960年のストリップで、これを見たコニー・ブシェー某が "Happiness is..." で始まる絵本の作成を思いついたわけです。これは有名な話ですね。

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まあしかし、犬を汚らわしく扱う普段のルーシーからすると、どういう風の吹き回し?と思えなくもありませんね。恐らくは、この "Happiness is A Warm Puppy" というセリフを言わせんがためだったんでしょう。この年は他にもスヌーピーに抱き着いたものの体が冷えていて拒絶されたり、スヌーピーの頭をカイグリカイグリしたりという謎行動が見られます。

こういう "普段のキャラクターとはちょっと違う行動" をとるというのは、このハピネス・シリーズ全般に当てはまることで、「大好きって手をつないで歩くこと」に至っては、テーマからして相思相愛のカップルを登場させなければならず、シャーミーとパティが連載以上にラブラブに描かれていたりします。

このハピネス・シリーズは、ギャングたちの普段とは違う別の顔を垣間見ることができるという趣向があり、そういうところを楽しむのもいいかなと思います。

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裏の顔その1:シャーミーとパティ

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シャーミー&パティは裏というほど裏ではないんですが、ここまでラブラブだったとは…。ピーナッツというのは必ずしも片思いばかりではないんですな。

裏の顔その2:ヴァイオレットの思い人

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『大好きって今この瞬間に、彼が何してるかなあって思うこと』だそうです。ヴァイオレットというのはどちらかというと男子を馬鹿にしている感じの子なんですがね。そんな相手がいたんだ…。

裏の顔その3:フリーダの暗躍

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フリーダが登場した時、ライナスは彼女に気がある風ではありました。おうちに遊びにいったりしてたんですな。名残惜しいとか、相当楽しかったのでしょう。

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このツーショットは連載では見ることができなかったものです。フリーダはピアノにもたれかかる権をめぐってルーシーと対立したことがありましたが、結局彼女はベートーヴェンのことを何も知らないのでシュローダーを怒らせていました。しかし、こんなこともしてたんですね~。ふーん。

裏の顔その4:ヴァイオレットはクラシックもイケる?

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これも連載では見られないシーンですね。シュローダーの趣味に付き合う殊勝な子もいたんですな。

裏の顔その5:野球カードのトレード

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ライナスとチャーリー・ブラウンが野球カードのトレードをしています。やっているとは思っていましたが。スヌーピーもホーナス・ワグナーのカードを持っているくらいのマニアですから、彼ともトレードをしてるんでしょうか?

裏の顔その6:悪そうな顔

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何をつるんでいるのかはわかりませんが、いつもと違って悪ぶった感じなのが面白いです。特にシュローダーが悪そう。

裏の顔その6:ホームタウンの名前

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裏の顔ではありませんが、彼らのホームタウンはパインツリーコーナーズで人口は3260人なんでしょうか?連載ではギャングたちが通っている学校がジェイムズストリート小学校だったりパインクレスト小学校だったりしますが、パインだけ合ってますね。うーん。

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まあこんな感じで、一応シュルツさんが描いていますから公式と言えますが、お前ら漫画の外ではこんなことをしてたのか、と突っ込みたくなるものが多々あるのでした。

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2025.01.12

「クリスマスはいっしょの時間」ようやく入手

今日は何日だ?…てなことで、ようやく「クリスマスはいっしょの時間」を入手しました。

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装丁を見れば一目瞭然ですが、「しあわせはあったかい子犬」と同じ出版社によるシリーズです。

内容は「しあわせ~」と比べるとあまり簡潔でないものが多いですね。パシッと決まっているものもありますが、多くはノリツッコミになっていますし、端的に言ってしまうと「クリスマスあるある集」ですね。しかしまあシュルツさんの粋なギャグセンスは存分に味わうことができます。

気になったものをチョイスしてみますと、

「クリスマスはハロウィーンの翌日から始まる飾りつけ……まだ感謝祭だってきてないのに!」
 どちらもキリスト教のお祭りですが、感謝祭を飛ばすことってあるんですかね?。アニメの「チャーリー・ブラウンのイースター」ではイースターの前なのにクリスマス・セールを始めているスーパーが出てきましたが、シュルツさん流のギャグなんでしょうか。

「クリスマスはなけなしの5セント玉2枚を救世軍に寄付すること……喜んで……。」
 救世軍の募金って今でもやってますよね、日本でも。
 この最後の「喜んで……。」の「……。」は谷川俊太郎さんの付け加えで、原文は普通にピリオドになっています。これはNHKで言ってました。

「クリスマスはカリフォルニアのアグネスおばさんから今年も届いた砂糖づけフルーツの盛り合わせ。」
 ちょっとちょっと、フリーダのおばさんはアグネスですか?。原作にもない設定がこんなところで作られているとは。

「クリスマスは丘をこえ森をぬけておばあちゃんちに行くこと……おばあちゃんがマンションに越しちゃってたら話はべつだけど。」
 これはTVスペシャル「チャーリー・ブラウンの感謝祭」のクライマックスの元ネタじゃないですか。シュルツさんはこの頃から温めていたんでしょうか?。

その他引用はしませんが、「あるある」がとても多くて面白いですな。

・・・・・・

以下、ちょっとうんちくです。

この本は先にも書きましたが1960年代にアメリカのDetermined Productions Inc.から発行された絵本のシリーズの1冊です。「しあわせはあったかい子犬」がベストセラーになったので、引き続きどんどんシリーズ化していったわけですね。

のちに版権(?)がCider Mill Press Book Publishers lnc.に移ったりしまして、2008年に主婦の友社からシリーズが刊行された時は奥付ではこちらがクレジットされていました。

このシリーズは何冊あるんだろうと思って調べましたが、どうやら誰もちゃんとしたリストを作っていないようで…。同じ出版社内でも再販があったり、イラストを全取っ換えして全然別物にしたものを刊行したり(コレ、よくシュルツさんが許したなあ)、出版社が変わったりで整理がつかないんでしょうかね。で、自分なりにまとめてみました(和書中心です)。

最初は1978年に鶴書房から「幸せはあったかい小犬」と「僕の家は屋根の上」の2冊が刊行されました。

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御覧のように判型が違いますね。で、これらは『スヌーピーハピネスブック』という叢書で7冊刊行される予定だったんですが、それが果たせずに鶴書房が倒産してしまいました。

間が空いて2005年に角川書店から「スヌーピーのしあわせは…あったかい子犬」と「スヌーピーの大好きって手をつないで歩くこと」の2冊が刊行されます。

悪名高いイラスト差し替え版です。

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そしてようやく2008年にオリジナルデザインに忠実なものが主婦の友社から4冊刊行されました。

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主婦の友社はそれに先立ち1980年に所謂「料理三部作」も刊行しています。

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この3冊は、料理研究家がレシピを書いていたりしてシュルツさんの著作とは言い難いんですが、原書では統一感のある装丁が成されていました。原書の装丁は以下の通りです。

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「お菓子絵本」の原題は"Great Pumpkin Cook Book"なんですが、ハロウィンがどっかに行っちゃってますね。

その後、学研プラスから2015年に「ウッドストックの小さいって大きないのち」、2016年に「スヌーピーのぼくの家は屋根の上」が刊行されました。

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この「ウッドストックの~」、装丁はそれっぽくなっていますが、どうやら日本で勝手に作った本っぽいです。イラストは使いまわしみたいですし、検索しても原書が出てきませんので多分そうでしょう。

そして2024年に今回の「クリスマスはいっしょの時間」の刊行となるのでした。

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でもまだ翻訳されていないのもあるんですよね。

"Happiness is A Sad Song"と"SUPPERTIME!"の2冊がそれです。

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他にもまだあるかもしれませんが、とにかく全体がつかめていないのでよくわかりません。しかし引きが強そうなクリスマスの本が2024年にようやく翻訳というのも不思議な感じがしますね。

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2025.01.11

疑念は晴れるか

ワタシにはどうしても腑に落ちずはっきりさせたいことがあります。

それは、本当に日本に於けるピーナッツのコミックは初めからキャラクターグッズの添え物だったのか?ということです。

一昨年に『「"日本での人気はグッズ先行"史観」に物申す!』というタイトルで記事にしていますが、ワタシには日本の事情をよく知らないアメリカ人(シュルツミュージアムのキュレーターとか)によって勝手に決めつけられているとしか思えないのです。

ワタシの体感としては、それは違うんじゃないか?ということになるんですがね。

近年の『ピーナッツ〇〇周年おめでとう』という記事が出ると必ず「スヌーピーって漫画もあったんだ」という複数の書き込みがSNSに上がってくるという状況を考えても、昔の方がコミックの認知度は高かったと思うんですよね。

この辺を年長の方から話を訊いたり古い文献を漁ったりして検証していきたいと思っています。結果次第ではミュージアムに苦情を申し立てるかもしれません。

この件に限らず、『日本語版は初期だけ吹き出しの中が日本語になっていた』とか間違ったことを書いている人がいて、歴史が捏造されることにとても不快感を持っているんですよね。

どうなりますか・・・

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2025.01.08

昔の「スクリーン」誌

ワケあって「スクリーン」誌の古い号を図書館で借りて読んでいますが、1973年度外国映画ベストテンを見ていたら「フリッツ・ザ・キャット」が27位に入っていて驚きました。

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「フリッツ・ザ・キャット」というのはツルコミ・ファン(?)だったらご存じでしょうが、ロバート・クラムのアンダーグラウンド・コミックであり、その映画版であるアニメはアメリカ映画史上初のX指定のアニメとして燦然と輝いています。中々ヤバいアニメです。

ヒットしていたとは聞いていましたが、評論家評もまあまあ高かったんですな(ただし、クラムの評価は低かった)。

んで、何でここで「フリッツ・ザ・キャット」について書いているのか?ですが、音楽を担当しているのがヴィンス・ガラルディ亡きあとにピーナッツのTVスペシャルを任されたエド・ボガスだったからです。エド・ボガス的には出世作だったんではないでしょうかね。案外、この仕事の評価がピーナッツに繋がっていたりして…なんて思ったりもします。

・・・・・・

それはそれとして、スクリーンという雑誌は一応今も存続していますが、昔のを読むと全然別物なんで驚かされます。なんというか、読者を無理やり映画ファンにしてしまおうという熱意があります。テレビの洋画劇場にも結構なページを割いていて、放送される映画の解説なども懇切丁寧ですし、この雑誌を1年間読んだらそこそこの映画通になってしまいますな。

あと、ジャーナリズムなので当たり前なんですが、批評があります。今のスクリーンには無い要素です。今は宣伝ばっかり。

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2025.01.05

1972年の新聞記事

サイト移転の準備で色々とスクラップを漁っていますが、一つ新聞記事をちょい載せします。

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1972年9月14日の新聞広告です。

これは1969年の映画 "A Boy Named Charlie Brown" がいよいよ日本でも公開される(英語版のみ)という広告で、翌9月15日から指定席券の前売りが始まるというタイミングで出されたものになります。

昔は金曜日の夕刊には映画の広告がたくさん載っていましたね。最近はどうなんでしょうか(実はワタシは夕刊をとっていないのです)。因みに1972年の9月14日は木曜日でしたが、翌15日は敬老の日だったので前売り券も土曜日ではなく金曜日発売となったようです。また、祝日は夕刊が休刊になります。

前売りも好調のようで、もう結構ピーナッツは人気だったというのがうかがえます。『ホロにがい人生の味が大人たちをとらえ 面白さと可愛さが子供たちを熱狂させる 世界で人気No.1の傑作がスクリーンで動く!』という説明文からも期待感の高まりが感じられます。

しかし何と言いますか、見ていてワクワクする広告だと思いませんか?。図柄的にはスヌーピーを押し出てはいるものの、冒頭の雲を見るシーンをチョイスしているのと、余白が多めなレイアウトになっているのが中々に寂しげな感じが出ていてすごくいいんじゃないでしょうか。ピーナッツを知らない人でもちょっと目を引く仕上がりになっていると思います。

散りばめられたコメントは、試写を観たのであろう愛川欽也、落合恵子、犬養智子、やなせたかし、といった面々。愛川欽也のコメントがいいですね。

広告はこの後、公開前日に1回と、「大ヒット上映中」といった感じのヤツなど複数回打たれることになります。

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2025.01.01

謹賀新年2025

あけましておめでとうございます。

年が明けました。本年もよろしくお願いいたします。

今年は長らく更新が滞っている拙サイト "LOCAL CACTUS CLUB" を移転させて全面的にリニューアルしたいと思っています。移転先はGoogle SITE にしようかな、と。

それで、まだ話をしていませんが、某若手のマニア氏に編集権限を付与させていただいて、ワタシが死んだあとは引き継いでもらおうか…なんて野望も持っています。

ともかく、更新しやすい仕様にしたいですね。そうすれば新しい情報もすぐに上げられると思いますし。

あと、こんなところでちまちましていないでウィキペディアに書けば?という意見もありますが、歴史的にはワタシのサイトの方が古いですし、誰かがこちらのサイトをパクってをウィキペディアに書いたりしてますので、まあワタシが率先する必要はないかと思っています。『谷啓時代第1期』なんていう分類とかはワタシが作ったものなんですけどね…。

・・・・・・

それはそれとして、今年こそがピーナッツ連載開始75周年です。

グッズ商戦の方は置いておいて(充実するでしょうな)、ワタシは新刊本に期待をしたいところです。

アメリカでは、8月に "Snoopy, the Story of My Life: The Myth, the Legend, the Beagle!" というハードカバーが刊行されるようです。

著者はアンドリュー・ファラゴというサンフランシスコのカートゥーン・ミュージアムのキュレーターをしている人です。タイトルからするとスヌーピーがメインのようですし、レビューの感じでは子供向けの本っぽいんですが、今のところこれが75周年記念本ということになるのかもしれません。8月ですから翻訳を頑張れば12月の刊行に間に合うんじゃないですかね?河出書房新社さん。期待していますよ。

・・・・・・

その他、スヌーピーミュージアムでどんな企画展があるのか一応興味深く見守っています。

Apple TV+ の新作アニメも期待ですね。そろそろリディアが出てくる話があってもいいんじゃないでしょうか?というような期待もしていますが、どうなることやら。

サントラ盤の発売にも期待したいです。今年も2枚出してほしいですな。ワタシも老い先短いですから。

劇場用新作映画については情報が出たのが一昨年の11月で、「アイ・ラブ・スヌーピー」の時のことを考えますと公開は恐らく来年でしょう。これは気長に待ちますかね。

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そんな感じで、仕事は頑張らず、ピーナッツを頑張りましょうかね。

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