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2024年12月

2024.12.31

2024年私的ピーナッツ10大ニュース

2024年も約12時間したら終わりですな~。

今年は個人的には厄年かと思えるほど小さいトラブルが絶えませんでした。特に小銭を稼ぐというか節約しようとして裏目に出てしまうなんて事が本当に多くてがっかりですよ。来年はいいことが多いと願いたいです。

さて、今年のピーナッツはどうだったんでしょうか(あくまで私的な事柄のランキングです)。

・・・・・・

1位:谷川俊太郎死去

12月に入ってきたこのニュースが一番の衝撃ではないでしょうか。私事ですが、翻訳をしていたのが谷川さんであり、そしてあのようなダイアローグでなかったとしたら、ここまでこのコミックに惹かれることは無かったと思います。それほどのインパクトでした。
谷川さんは1979年に一度翻訳を降板すると宣言していたんですが、1980年に角川から刊行が再開した時にはしれっと復活していました。最近思っているのは、谷川さんと鶴書房の間に何か確執が生じ、それが降板宣言にまでなったんではないか、ということです。想像ですがそうであれば、角川で復活したことも合理的です。
逆に、鶴書房が倒産せずに月刊SNOOPYが継続していたら谷川さんは予定通り降板して50年の連載のうちの最初の28年分の翻訳者に留まっていたわけで、これはもう運命としか言いようがありません。
そういえば、谷川さんは生前フランチャイジーの集まりに行くと原作書籍関係者は肩身が狭かったと語っていましたね。
ご冥福をお祈りいたします。

2位:ヴィンス・ガラルディが手掛けたTVスペシャルのサントラ盤が2枚発売になる

2023年は1枚、今年は2枚発売されました。個人的には夢のような気分です。特に "It Was A Short Summer, C.B." のクロージング・テーマの完奏ヴァージョンが聴けたのはン十年分の夢がかなったと言っても過言ではありません。
残念なのは、ここ日本に於いては公式サイトもお買い物スヌーピーもブラウンズストアもその他諸々販売店・販売サイトも完全に黙殺しているところです。この国にもTVスペシャルが好きでガラルディの音楽に魅せられた人は多数いると思います。そういう方々に果たして届いているのかどうか。公式と名の付くところはもうちょっと考えていただきたいものです。

3位:Apple TV+ にて新作アニメ「おかえり、フランクリン」が配信される

Apple TV+ の新作アニメ・シリーズ(所謂「スヌーピー・プレゼンツ」シリーズ)は良作揃いで、ワタシは基本的に大好きです。
悩み落ち込むルーシーや、ゴルフに造詣が深いマーシーなど、原作とはちょっと違う性格設定になっていますので無問題ではないんですが、それを補って余りあるストーリー・テリングがあるので良作たり得ていたんだと思います。
しかし今作はちょっと首をかしげたくなるような内容でした。
”父親の仕事の都合で転校を余儀なくされてきた少年が遂に親友を得て町に受け入れられた”、というストーリーは良かったんですが、”父親がベトナムに従軍している”という原作の設定を”軍人の父親の転属に伴って転校を繰り返している”ことにしたために、いろいろと不都合が出てきました。
まず、チャーリー・ブラウンたちが住んでいる町が「基地のある町」になってしまいました。このような舞台の具体化はあまり良くないのではないかとワタシは思います。また、基地のある町であればフランクリン同様軍人の子息が学校にもたくさんいるはずですので、何故そのコミュニティに入らず孤独になろうとしているのかという疑問も出てきました。
フランクリンのアームストロング姓のモデルであるロブ・アームストロングをスタッフに入れたり、フランクリンに「この町は多様性が足りない」と言わせたり、わざわざ黒人歴史月間に配信したりと、ちょっと政治的なにおいも感じさせたのもワタシ的にはマイナスでした。
それに輪をかけて残念だったのが日本語吹き替えです。これまでの新作はみな女の子が主人公で、優等生のフランクリンはそれなりのセリフをしゃべるだけで済んでいました。しかし今作は性格に深みがあるキャラになっていたので演技力が必要とされましたが、現声優ではちょっと不充分だったかな、と思えました。こう書くとキツイですが、「スヌーピー宇宙への道」の時の声優だったら良かったと思いました。
ダイアローグもよろしくなく、子供っぽい言い回しが多くて作品の性質に合っていませんでした。カートゥーンネットワーク作品などのような生き生きしたところもなく、谷川俊太郎訳のように惹かれるところもありませんでした。視聴するなら英語音声がおすすめです。

4位:Apple TV+ にて新シリーズ「スヌーピーのハッピーキャンプ」が配信される

アニメですともう一作、夏場に(といってもアメリカの夏休みに準じて6月ですが)「スヌーピーのハッピーキャンプ」というシリーズが配信されました。
内容はキャンプに参加するような子供向けのもので、アニメとタイアップしたキャンプの手引書も発売になっていましたね。8月には早くも来年のシーズン2が決定しました。
人間たちのストーリーには見るものがありましたが、スヌーピーのパートについては「スヌーピーのショータイム!」に見られたような "ヌケサク鳥たちが馬鹿なことをしてスヌーピーがキレる" というような展開が多くてちょっとう~ん、でした。
あと、これは誰も言及していないのですが、ナオミが明らかにブラックウォッシュされていました。何故だれもこれを話題にしないのかちょっと不思議でしたね。

5位:ピーナッツ関連の書籍、刊行される

ピーナッツは深い、癒しだ、哲学だ、という風潮は、1995年にツワルスキーが著した「いいことから始めよう 」が新潮社から刊行され、それに講談社が乗っかったところがスタートだったとワタシは分析していますが、これはもう覆せないほど完全に根付いてしまったようです。ワタシ的には残念なことです。
「13歳からのきみへ スヌーピーの自分らしく生きることば」は正にそういう本でした。ブルータスの6月1日号ではピーナッツをして「ワンフレーズの金字塔」とまで書かれてしまいました。これを「ヤレヤレ」と思わずなんとすればよいでしょうか。
アメリカではZ世代のピーナッツ・ファンが増えているといいます。シュルツさんが亡くなり、70年代辺りからの再掲載が新聞で始まったころに読み始めた世代だと思いますが、子供の頃に読んでいたピーナッツを読み返して別の解釈ができるようになり再びファンになる、というようなことのようです。日本で例えれば、何気なく歌っていた「アンパンマンのマーチ」の深さに大人になってから気づくとか、そんな感じですかね。
やはり子供のころから読んでいるという土壌があることが大切だと思います。大人相手に癒しや哲学として売り込み子供を置き去りにするという今のやり方では確実に先細っていくでしょう。

6位:年末恒例、河出書房新社から書籍刊行

「しあわせはあったかい子犬」と「クリスマスはいっしょの時間」の2冊が刊行されました。前者は何度目かの再販ですが、後者は本邦初登場であり、谷川俊太郎さんの遺作ということでもありましたので、NHKのニュースにも取り上げられていました。 
谷川さんを亡くし、果たして来年以降の翻訳はどうなるのでしょうか。
コミックを引用した評論タイプの本の場合は、恐らくコミック部分については谷川さんの訳を使用するでしょう。そういう意味では「谷川俊太郎:訳」というクレジットは永久に不滅でです!と言えるかもしれません。
仮にKaBoomのグラフィックノヴェルのようなコミック本の翻訳となった場合、どのような方がこれを担当するのか。人選は河出書房新社の方にかかってくると思いますので、編集の方には吟味をお願いしたいところです。

7位:スヌーピーミュージアムには金輪際行かないと誓う

ワタシは元々2021年を最後にミュージアムには行っていませんでした。理由は企画展が2000円に見合わないと思ったからなんですが、全く行かないつもりだったわけではありませんでした。しかし館長がテレビで大嘘をこいたのでもう絶対行かないと決めました。アイツは許せません。
それにしても、近頃の企画展は企画に無理があるものが多いんじゃないでしょうかね。
ピーナッツというコミックには子供しか登場しないが故の「ファミリーが描けない」という致命的な欠陥があるのです。
そのため、食がテーマの「きみの大好物はなに?」では団欒である夕食が全く扱えていません。「旅するピーナッツ。」では旅ではないサマーキャンプや海水浴で水増しをしていました。チャーリー・ブラウンの家族旅行にしてもペパミント・パティの父とのフランス旅行にしても、話の中心になるのは残された者たちについてでしたし、そもそも旅行嫌いの漫画家の展示会で旅をテーマにしてはイカンということですな。「ホリデー」では謳い文句こそ”ピーナッツを通じてアメリカ文化を…”でしたが、家族こそが重要である感謝祭はもちろんイースターについてもアメリカ文化を知るには程遠い内容でしたね。少なくとも感謝祭をテーマにするならTVスペシャルの原画を展示した方がまだ良かったと思います。
企画はもっと熟考した方がいいでしょうな。

8位:ピーナッツ連載開始75周年祭が始まる

5年ごとの周年祭を前後合わせて足掛け3年やることになりますので、周年祭の期間が2年9か月となり、祝っていない期間の方が短くなってしまうという計算になります。何だかすごいですよね。

9位:ピーナッツ声優、堀絢子さん、田中敦子さん死去

お二方とも映画版の声優で、それぞれクララ役、女教師役、と脇役を担当されていました。ご冥福をお祈りいたします。今年はメインキャラ声優の訃報はありませんでしたね。

10位:ファン歴50年を迎え過去を振り返る

拙ブログにて自分とピーナッツについての歴史を綴ったりしました。過去を振り返ったことにより、何故こんなにピーナッツに惹かれるのかということを改めて考えるいいきっかけになりました。拙サイト LOCAL CACTUS CLUB を移転リニューアルする際には書き直して掲示したいと思っています。来年のいつ頃になりますかね。

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以上、良いお年を。

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2024.12.30

劇伴の巨匠死す

「ウルトラセブン」で有名な冬木透がお亡くなりになられました。ご冥福をお祈りいたします。

子供心に「ウルトラセブン」って「ウルトラマン」よりも大人っぽいよな~と思わせてくれたのは、ほとんどビッグバンド編成だった「ウルトラマン」に対して小編成ながらもフル・オーケストレーションを施していた冬木透の功績だったと思います。

冬木透は、伊福部昭と並び幼いワタシに劇伴を通じて音楽の素晴らしさを伝えてくれた恩人のような方です。ワタシに影響を与えた劇伴作曲家はこの後「リボンの騎士」の冨田勲、「ルパン三世」の山下毅雄、「ピーナッツ」のヴィンス・ガラルディと連なっていきます。

それにしても「ウルトラセブン」の劇伴は本当に素晴らしかったんですが、特筆すべきは何といっても最終回で使われたシューマンのピアノ協奏曲ですよね。元々の劇伴が冬木透のフルオケでしたから、急にクラシックが出てきても浮いてしまうことなく実に感動的なシーンになっていました。使用された音源は、ピアノがリパッティ、カラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏でした。この音源を探し求めた青山通著の『ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた』という本もありましたね。

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冨田勲は劇伴を超えてワタシに影響を与えてくれました。「月の光」をはじめとした一連のシンセサイザー作品は愛聴したものです。個人的なピークは「惑星」で、次作の「宇宙幻想」以降は正直白けていきましたが…。

ワタシが最も好きなのは世間一般で評価の高い「ジャングル大帝」ではなく「リボンの騎士」です。あのオープニングの音と映像のシンクロはどうでしょう!素晴らしいではないですか。

1999年にバンダイミュージックから「ジャングル大帝」の4枚組CD(全109曲ステレオ)が発売になりましたが、この後続く予定だった「リボンの騎士」や「どろろ」は発売されませんでした。どうやら冨田勲本人からクレームが入ったようなのですが、当時のワタシは何故最初に「リボンの騎士」を発売しなかったんだ!と悔しがったものです。

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確かに「ジャングル大帝」の音楽は素晴らしく、第1弾に選ばれたのは当然かもしれませんが、『子供のための交響詩「ジャングル大帝」』という作品が作られたりと、既に充分に評価は得られていたのです。対して「リボンの騎士」は一応サントラの発売はありましたが効果音入りのSEトラック音源のものであり音楽的に満足のいくものではありませんでした。

冨田勲の死後、「手塚治虫作品音楽選集」というCD-BOXが発売され、「リボンの騎士」の良好なステレオ音源は初めて陽の目を見ましたが、このBOXは1作品につきCD1枚であり、当初の4枚組構想からは遠く離れたものでした。実際に聴いてみても聴きたかった「曲」は入っていても、聞きたかった「テイク」は入っておらず、とても残念でした。

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「ルパン三世」の山下毅雄も後任の大野雄二に比べると扱いがあまりにも雑です。そしてそれはヴィンス・ガラルディにも当てはまってしまいます。

ヴィンス・ガラルディの再評価が高まったのは1989年のピーナッツ連載開始40周年前夜の公式アルバムリリース時でしたし、子息のデヴィッド・ガラルディによる失われたテイクのリリースが行われたのは2003年からでした。

来年発売される「チャーリー・ブラウンのヴァレンタイン」のサントラ盤には "50TH Anniversary Extended Edition"と書かれています。もう50年経ってしまっているんです。放送時に小学生だったワタシももうジジイです。この音源のリリースを夢見ながらも間に合わず天に召された方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。余りにも、余りにも時間がかかりすぎています。こんなにも待たされなければならなかったんでしょうか。しかもこの情報が求めている方に充分に伝わっているかと言えば…。

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劇伴作曲家に栄光あれ!

 

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2024.12.29

先輩が持っていた貴重な「スヌーピーの大冒険」のサントラ

図書館からこのような本を借りて読んでいます。

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タイトルではアナログレコードとなっていますが、中古レコードにまつわるアレコレについて書かれた本で、ワタシのような者には中々ためになります。

シュリンクについての記述を読んでいるときに、大学時代の先輩が持っていた「スヌーピーの大冒険」のサントラのことを思い出しました(このブログでも過去に何度か触れていますが)。

先輩はこのレコードを中古で購入しているんですが、ゲートフォールド・スリーヴ(見開きジャケット)でありながらシュリンクされた状態になっていました。

レコードのシュリンクというものはジャケの傷みを防ぐ効果がありますから無下に剝がしたりはしないものです(ステッカーが貼ってあることもありますし)が、ゲートフォールド・スリーヴとなりますとちょっと事情が変わってきます。

つまり見開いたところに解説文や写真など図柄が書いてあるので、シュリンクを剝がさないとこれらを拝むことができないのです。このレコードの元の持ち主は、それよりも保存性を優先していたわけですね。

コレクター気質があったのかもしれませんが、確実なのは子供に触れさせるようなことは全くしなかったということです。子供の手に渡ったら絶対にシュリンクは剥がされますよね。

そういえばネタはレコードではないですが、「パワーパフガールズ」のエピソードでPPGのグッズコレクターのコレクションルームに子供たちが乱入して未開封の箱などを開けまくってコレクター氏が悶絶するというのがありましたね。コレクターにとって子供はある意味敵ですな。閑話休題。

斯様にコレクター気質のある元の持ち主はアニメのレコードでありながら子供には触らせずに保管していたのでしょうが、何があったのかこれを手放し、巡り巡って(その過程でシュリンクが破かれることもなく)先輩の手に渡ったのでした。

先輩も中古レコードの価値というものを理解していた人でしたから、そのシュリンクを剥がすようなことはしませんでした。中を見たい誘惑に駆られるとは言っていましたが。多分今でもそのままで保管していることでしょう。

これが「スヌーピーの大冒険」のサントラではなく、60~70年代のロックの名盤だったりしたら結構な値が付いたかもしれません。それでも50年以上前に発売されたゲートフォールド・スリーヴのシュリンクされたレコードですからイイ線行くとは思います。

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2024.12.26

「チャーリー・ブラウンのヴァレンタイン」サントラの先行シングル

Lee Mendelson Film Productions, Inc.が、来年1月発売の「Be My Valentine, Charlie Brown(チャーリー・ブラウンのヴァレンタイン)」からの先行シングルをYouTubeにアップしました。

 

タイトルは、"Paw Pet Overture" 。スヌーピーの足人形劇の入場前のシーンでかかる曲ですが、実際にアニメで使われたものよりも尺が長く、更にフェイドアウトせずに完奏しています。もちろんステレオです。

これは発売が楽しみですな~。

それにしてもチャンネルの登録者数が177人って、天下のリー・メンデルソンなのに寂しすぎます。日本のみならず世界中から注目されていないというのは非常に遺憾ですな。

何とかならないもんでしょうかね。これでリリースが途切れたら悲しいです。

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2024.12.24

クリスマス・イヴ

さて、クリスマス・イヴですので宗教を超えてそれなりのものを鑑賞しようではありませんか、シュローダー。

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ということで、J.S.バッハの「マタイ受難曲(抜粋)」とかどうでしょう。カール・リヒターですよ。

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でもってそのあとは、カラヤン指揮のクリスマス協奏曲集とか。このアルバムはイタリア・バロック時代のクリスマス・イヴに演奏されることを前提に作曲された曲集になっています。

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ところで今夜のディナーはドミノピザにしました。

こんな企画をやっていたので頼もうかとおもいましたが…

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プレートが付く分、割高になるんですな。オマケじゃないんだ、ということで普通に頼みました。

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2024.12.21

ジングルベルス

昨日のNHK「チコちゃんに叱られる」で、ジングルベルのベルって何?というのをやっていました。

その前段として、そもそもこの歌は本来はクリスマス・ソングではなく、書かれた当時に流行していたソリについての歌だったのだそうで、レコード(円筒)のクリスマス・ソング・メドレーに収録されたことで人気が出てクリスマス・ソングとして定着したということが語られていました。

こういう事ってありますよね。

ピーナッツに関しても、「チャーリー・ブラウンのクリスマス」のサントラ盤に収録されたがために「ライナス・アンド・ルーシー」や「エリーゼのために」がクリスマス・アルバムや演奏会で演奏されたりという実例がありますね。

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ジングルベルというのは原題は "Jingle Bells" で、直訳だったわけですが複数形であるところに注目です。

ピーナツブックス第32巻「空とぶスヌーピー」に、ライナスがPTAのクリスマス・プログラムでジングルベルを歌わせられるというエピソードが収録されていますが、ここで谷川俊太郎さんはジングルベルではなくジングルベルスと訳されました。

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どちらかというとではなくだとは思いますが、ともかく小学校時分にこれを読んだ時は驚きました。そうか、本当はジングルベルじゃなかったんだ!

ここからワタシの悪い癖が出てしまって、日常会話でもジングルベルスと言ったり、合唱するときも自分だけジングルベルスと歌ったりと、ヤな小学生でしたね。

それにしても、何故谷川さんはわざわざジングルベルスと訳したんでしょうか。今同じことをやろうとしたら絶対に編集者に修正されると思います。鶴書房が大らかだったんでしょうかね。

因みに、河出書房新社の「ピーナッツ全集」では、ジングルベルとなっています。

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谷川さんが直したのか、はたまた河出書房新社の編集者が直したのかはわかりません。

ついでに、ピーナツブックスで読んだ時には意味が解らなかったチャーリー・ブラウンの「足でも折れよ」というセリフに注釈が付いて助かりました。

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2024.12.20

アメリカのコミック作家は報われない?

こういう動画を観て思うのは、なんでみんな「アメコミ対漫画」でしか語らないんでしょうね。

日本の漫画家というのは、原作付きもありますが大抵は著作者でもあります。対してアメコミはキャラクターの権利は企業が所有していて描いている人は作画スタッフでしかありません。土俵が違うんですよね。

アメコミと比較すべきはゴルゴ13のさいとう・プロダクションとかでしょうし、日本漫画と比較すべきはシュルツさんのような独立した新聞漫画家ではないでしょうかね。シュルツさんは著作者であり、自分の創造したキャラクターを他者に勝手に使用させない権利も持っています。ピーナッツはヒットして広大な土地を有してましたよね。

アメリカでは日本の漫画が売り上げを伸ばしてアメコミは減少方向にあると言いますが、ピーナッツに代表される新聞漫画はどうなんでしょうね。古くはチック・ヤングやモート・ウォーカー、近年ではジム・デイビス(近年でもないか)といった著作者なんかは結構稼いでいるんじゃないでしょうかね。このあたりが全然語られないのは何でなんでしょう。

しかし、アメコミのスーパーマンやスパイダーマンにしても一番最初にキャラクターを創造した人はいるわけですが、どうやらこういう人たちも作品を買い上げられたりしていて恩恵に預かれていなかったりするようです。この動画を観て、スタン・リーのような著名なクリエイターですら充分ではないということを知ってちょっと驚きました。スーパーマンの創造者は本当に気の毒です。

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2024.12.16

ベートーヴェンの誕生日

今日はベートーヴェンの誕生日です。

今年は「第九」初演から200年という記念すべき年です(初演は5月でしたが)。NHKの「偉人の年収」という番組も今日はベートーヴェンですね。

ワタシに12月16日がベートーヴェンの誕生日だと教えてくれたのはシュローダーとその後ろにいたシュルツさんでした。子供のころからクラシック好きだったワタシにとってシュローダーはとても共感できるキャラでしたね。コミックの中で誕生日会をする彼を見て、自分も真似をしたくなったりしたものです。マジで1回だけ友達を集めてやりましたが。

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何故シュローダーはベートーヴェンを尊敬しているのか、についてシュルツさんは確かブラームスでは面白くないというようなことを言っておられました。

シュルツさんはブラームス好きだったと思いましたが、それでもブラームスではギャグにならないからと捨てたわけです。これはやはり崇高さではベートーヴェンが勝っていたということでしょうかね。

なんでベートーヴェンがそんなに偉いのか、と訊かれれば、ワタシは「エグモントを聴け」と答えます。音楽劇エグモントは主人公の死で終わるのに何故曲のほうはああいう終わり方をするのか。池辺晋一郎によればベートーヴェンは「英雄は死をもって完結する」と考えていたとのことで、正に彼の思想が反映されていると言えましょう。暗い感じで始まっても不屈の闘志で勝利するというような曲調のものはいくつもあり、これが他者にはないベートーヴェンの魅力ではないかと思います。

しかし、これは確か園田高弘が言っていたことですが、ドイツ人にベートーヴェンが好きだというと、日本人から最も遠いのがベートーヴェンだろ、と馬鹿にされたりするそうで、これはベートーヴェン好きからするとちょっと残念です。

ベートーヴェンは上にへつらったりすることをとても嫌っていましたし、貴族もたとえ侯爵だとしても見下していました。長い物には巻かれろ的な日本人とは全然違いますな。…まあだからこそ憧れるというところもあるんですがね~。

・・・・・・

谷川俊太郎さんに「ベートーベン」という詩があります。色々とベートーヴェンのダメなところを書き連ねて最後に意外なオチが付くという詩ですが、

遺書を書いた
死ななかった
かっこわるかった

というところが特に好きです。

そう、彼は「ハイリゲンシュタットの遺書」というのを書いているんですが死ななかったんですよね。

この遺書は自らの耳の病の告白から始まり、如何に自分が絶望しているかについて書かれていて痛ましくなります。しかし、読み進めるうちに弟などに対する不満になってきたりしてあれ?となり、そのうちどんどん燃え上がっていって遂にはコレは死なないな~という感じで終わります(ちょっと記憶が曖昧)。確かにこれはカッコ悪い。

岩波文庫の「ベートーヴェンの書簡」というのも読みましたが、結構おマヌケな手紙があったりして笑えましたね。「借金を返すから、それをまたすぐに貸してほしい」とか。

あれ?ベートーヴェンって崇高だったのでは? …芸術は崇高でも人間臭かったというか…。

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しかししかし、昨年のブログにも書きましたが、最近は「ベートーヴェンの誕生日と言われている日」、「ベートーヴェンの誕生日(諸説あり)」などとXに書く輩が出てくるようになりました。で、ワタシのスタンスは去年も書きましたがいいじゃないか細かいことは」ですよ。ベートーヴェンの誕生日は12月16日!ということでスパッとお祝いしましょうよ。ね。

というわけで、例年通りシュローダーと一緒にレコードを聴くのですが、今年のチョイスは…

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やはり初演200周年ですから「第九」でしょう。フルトヴェングラーの「運命」(スタジオ録音)と「第九」(バイロイト)。疑似ステレオですが。

ともに祝おう、シュローダー。

ところで、このフィギュアのベートーヴェンの胸像なんですが、小さい割には出来がイイんです。

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こんな感じで。

かくして、ベートーヴェンの誕生日は過ぎゆく…。

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2024.12.13

アメリカのファンが羨ましい

既報の通りアメリカやカナダなどでは12月になると「チャーリー・ブラウンのクリスマス」やヴィンス・ガラルディのナンバーを中心にしたライヴが盛んに行われるようになります。

主にトリオですが有名無名問わず色々なライヴがあり、いくつかは配信されYouTubeで視聴できるものもあります。

そんな中で、12月6日に配信されたヘザー・ピアソン・トリオ(Heather Pierson Trio)のライヴを観てみました。

 

曲目は、ヴィンス・ガラルディの「チャーリー・ブラウンのクリスマス」の曲、それ以外のヴィンス・ガラルディの曲、クリスマスの有名な曲などで構成されています。

正直、このトリオのことは全く知りません。ニューハンプシャー州で活躍しているようですね。公式サイトを見てみますと、マジェスティック・シアトルという会場で24日までほぼ毎日、1日2セットを続ける模様です。がんばってますね。

チケットは、指定席が25ドルで18歳以下が5ドル!…一気に下がりますな。

これを書いている今の為替レートが1ドル153.3円ですので、指定席は3833円ということになります。物価高と言われている今のアメリカですが、日本の同等のライヴハウスの料金とあまり変わりませんね。向こうの相場ってこんなもんなんでしょうか?

しかしどうでしょう。観ていただければわかりますが、とてもいいライヴですよ。いいなあアメリカ。

ともかくですね、ワタシが求めているのはこういうのなんですよ。城田優さんの仕事にケチを付けるつもりはありませんが、ブルーノート東京みたいな高級なところでやるのが全てではないんです。安くていい演奏が聴けるライヴハウスだってたくさんあります。そういうところでヴィンス・ガラルディのトリビュート・ライヴが聴けたら最高なんですがね~。

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2024.12.12

2010年のカートゥーン・ネットワークの人気投票がヤバかった

LOCAL CACTUS CLUB 移転のために色々と古い資料を漁ったりしています(今度は画像ももっと増やしたい)が、ちょっとヤバいものを見つけました。

2010年、カートゥーン・ネットワークはピーナッツ連載60周年を記念して「みんながえらんだチャーリー・ブラウンとスヌーピー」と題し人気投票を行い、上位3位の作品を放送するという企画をしました。

この時のプレスリリースが出てきました。

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企画はまあいいとしまして、問題はこのプレスリリースの後半です。

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このように「珠玉のエピソードを紹介」と題して、3エピソードを紹介しています。一応「実際の放送エピソードは投票結果によって決定しますので、今回紹介のものとは異なります」という注釈付きです。

で、投票結果なんですが、

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このように、プレスリリースで紹介された3エピソードがそのまんま上位3作品になってしまいました。え?まさかプレスリリースを見たまんま投票したとか??

・・・・・・

こういう表現をするのは良くないかもしれませんが、カートゥーン・ネットワークの視聴者は各作品についてあまりこだわりを持たず、惰性で観ていたのではないでしょうか。

個人的意見としてですが、70年代にNHKでホリデーシーズンにポチポチと放送されていた時分、当時は一期一会のような感覚で観ていましたし、1話1話に対するこだわりや思い入れはとても強いものがありました。

そういう放送形態だった頃と比べますと、TVスペシャルだけでなく "The Charlie Brown and Snoopy Show" の作品とごちゃ混ぜで帯で放送されてしまうのを見せられてしまいますと、どうしても気持ちが入らず、どれが面白いのかな~と曖昧な気持ちになってしまうのもある程度仕方が無かったのかもしれません。

もう一つ証拠があります。

この投票は、なぜそれに投票したのか理由を書くようになっていました。2位に入っている「#1 君の犬だ」ですが、これの投票理由として「やはり第1話だから」と書いている人が割といました(ログを取っておけばよかった)。ホントですよ。

一応説明しますと、この「#1」というのは放送するために便宜上振られたただの数字であり、別に第1話ではないんです。思考停止と言いますかホントに作品の中身はどうでもいいという人が多かったんでしょうな。まあ偶然この「#1 君の犬だ」は名作の部類に入りますが。

・・・・・・

それにしても、欧米で名作として扱われている作品が全然上位に入っていないことに改めて驚かされますな。「クリスマス」ですら11位ですもんね。

アメリカ人には知られたくないな~。

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2024.12.04

ピーナッツの新刊がNHKで紹介される

昨日(12/3)のNHKニュースで、河出書房新社の新刊「クリスマスはいっしょの時間」が紹介されました。

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切り口としては『谷川俊太郎さんが亡くなる直前まで手がけていた翻訳絵本が完成』というところで、単にピーナッツの書籍が出版されるだけではニュースになりません。

でもこれで売り上げアップにつながれば申し分ないですな。

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この方が担当編集者なんですが、着眼点が素晴らしい。

「谷川さんの翻訳は彼や彼女など翻訳小説では避ける傾向にある代名詞もそのまま訳されていて、それが魅力にもなっています」と言っていますが、正にその通りです。

そこに惹かれたんですよ!!!

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2024.12.03

LOCAL CACTUS CLUB の移行を考察中

え~、ワタシはパソコンを触り始めた当初からニフティさんにずっとお世話になっております。1990年代はNIFTY-Serveというサービスで所謂パソコン通信というものをやっておりました。

2000年になりますと、当時始まったばかりの @homepage というサービスを使って "LOCAL CACTUS CLUB" というピーナッツの情報サイトのホームページを開設しました。

更に2005年からは ココログというサービスで "JOE COOL STRUTTIN"というブログを開始。今はこれがメインになっております。

・・・・・・

2016年に @homepage がサービス終了(現在は@niftyホームページサービス)したのを機に "LOCAL CACTUS CLUB" をココログのウェブページに移動させたのですが、これが正直気に入っていません。

一覧表などの図を載せたりするのですが、ココログ同様のレイアウトになってしまいますので小さくなって不便です。TOPに "LOCAL CACTUS CLUB" と表示されっぱなしなのもどうも…。やはりココログでやるには限界があったんですな。

そんな訳で "LOCAL CACTUS CLUB" だけ別の場所へ移そうかなと思っています。"JOE COOL STRUTTIN" の方は今のココログのレイアウト(サイドバーとか)が気に入っていますので、このまま継続しようと思っています。

条件としてはやっぱり無料。

因みにですが、拙サイトおよび拙ブログはその成り立ちからしてパソコンで閲覧していただくことを前提としています。

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2024.12.01

12月スタート

感謝祭は終わり、12月になりました。いよいよクリスマス・ツリーを飾るときです。

・・・・・・

感謝祭を過ぎたので、アメリカなどではホリデー・シーズンとなり、「チャーリー・ブラウンのクリスマス」を題材としたライヴが盛んに開催されるようになります。

デリック・バング氏のサイトでもまとめが始まっていますが、昨年はアメリカ・カナダ・イギリスで171公演を数えたそうです。

今年はまだ12月が始まったばかりで、これからブッキングされるライヴもあるわけですから最終的にどうなるのかはわかりませんが、すでにアメリカでは36州、カナダで4州、イギリスでも1件のライヴが確認されているそうで、盛況なのは確実です。

デヴィッド・ベノワ、エリック・バードといったアーティストは今年もライヴをするそうで、毎年参加できるアメリカのファンが羨ましいです。

・・・・・・

日本でも一応コンサートはありますが…。

城田優さん演出のオーケストラコンサート!ビルボード「スヌーピー」マジカルクリスマスナイト 2024

スヌーピーの着ぐるみとかが登場するんでしょうが、発表されている曲目を見るとガラルディの曲は "Skating" の1曲だけのようですし、チケットも一番安いので9000円ですし、何というかコレじゃない感が半端ないんですよね~。

ライヴハウスでいいんで(ビルボードのようなところではなく)、ピアノ・トリオでいいんで、1ドリンク付き5000円でガラルディの曲が沢山聴けるライヴを誰かブッキングしてくれないもんでしょうか。無名でも上手ければいいんで。

いや~、本当にアメリカ在住の人が羨ましい。

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