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2024.09.18

ピーナッツのコミックとの再会:その5

私的50周年回顧ネタ。

1996年、講談社から待望の「ピーナッツ・エッセンス」が刊行開始されました。

果たしてその出来栄えは?

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この「ピーナッツ・エッセンス」、腰巻には“初めての傑作選!!”と書いてありました。厳密にはかつて鶴書房が「スヌーピー名作選」全6巻を刊行していますので、これは間違いです。そして同時に「SNOOPYのもっと気楽に」が傑作選では無いということになりました。まあそれは些末なことで大した問題ではありません。

問題はその内容です。

はっきり言って、これが傑作選といえるのか?といったものになっていました。

ちょうど先の「SNOOPYのもっと気楽に」で新規のファンを獲得したタイミングです。そういうファンに読んでもらい更にピーナッツを好きになってもらうためにエピソードを厳選し、ピーナツブックスの欠点である年代順になっていないところを正し、主要人物の初登場エピソードなどもちゃんと年代順に並べ直し、この15冊でピーナッツの面白さが完璧に伝わるように編集するべきでした。そしてそれは15巻もあるのですから十分可能だったはずです。長編の名作エピソードを収録することも可能だったでしょう。

しかし、実際出来あがったものはピーナツブックスを1巻から順にストリップを適当に間引いて収録したような感じで、ワタシが望んだような丁寧な編集はされていませんでした。これではとてもピーナッツの面白さが伝わりません。講談社はファンを拡大できる絶好のチャンスを潰してしまったのでした。

ワタシは思いました。もし自分が編集していたのならば、と。もし『ピーナツブックス86巻を15冊に編集しろ』と言われたら、ワタシは喜んでそれをやります。そして確実に面白い本を作ります。たとえ無償でも。それなのに…講談社の編集者を恨んだものです。

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「ピーナッツ・エッセンス」は復刊ドットコムで復刻され、今では電子書籍でも買うことができます。復刊リスエストをした人たちは、これがどんなに醜い本なのか知らないでしょうから仕方がありませんが、「スヌーピーブックス」86巻が復刻され「ピーナッツ全集」が完結している今、「ピーナッツ・エッセンス」には高額な代金を支払ってまで読む価値は全くありません。

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講談社の快進撃はこの後も続き、ピーナッツはどんどんあらぬ方向へ向かっていくのでした。

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