ピーナッツのコミックとの再会:その2
だいぶ間が開いてしまいましたが、私的50周年回顧ネタです。
角川スヌーピーブックスは1987年に全86巻を以って刊行終了となり、ピーナッツは再び書店から姿を消しましたが、3年後の1990年10月に「A Peanuts Book featuring Snoopy」として三度復活を果たしました。
商業的に失敗したにもかかわらず何故復活できたのか?ということについては、ピーナッツが出版されていないというのは先進国にして有るまじき事態と信じていましたので深くは考えませんでした。勝手ながら出版業界の義務くらいに思っていました。このピーナッツが日本で出版されていない期間の1989年には、アメリカでは連載開始40周年を祝うレコードが発売されるなど大いに賑わっていました(過去記事:ピーナッツのレコード(CD)の日々:その5 参照)。後で知ったのですが、復活は谷川俊太郎の強い要望があり、角川春樹がそれに応えたということでした(ピーナッツ全集10巻別紙:角川春樹インタビュー)。
スヌーピーブックス86巻は1986年8月31日分まで収録していましたが、この「A Peanuts Book featuring Snoopy(以下「featuring Snoopy」と記す)」は同年9月1日分から収録となっており、間断無く読めるというのもありがたいところでした。
featuring Snoopy」の記念すべき第1巻は、巻頭4ページ目にしてタピオカ・プディングが初登場するというインパクトのあるエピソードが収録されており、ピーナッツ健在を大いに訴求する内容になっていました。ライナスとリディア(当時は名無しの謎の少女で初登場はスヌーピーブックス86巻)の絡みといった新しい要素もあり、やはりピーナッツの新作が読めるというのはいいことだ、としみじみ思ったものです。
ただ、1冊当たり6~7か月分の収録となって気軽に読むのは難しくなったこと、装丁も高級になって単価が上がったことなど、気になることもありました。今までのペーパーバック感覚とはちょっと違う戦略を考えてのことだったと思いますが…。
また、角川書店社内でのピーナッツの扱いもちょっと気になりました。刊行当初は「ピーチ編集部」という部署が担当していて、何でピーチ?とか思いましたが、10巻から「ザ・テレビジョン出版室」へと変更になり、増々??となりました。
角川書店は創業者が「漫画と週刊誌はやるな」と言っていたらしく、それを角川春樹が破って今日のKADOKAWAがあるわけですが、当時は「少年エース」もまだ無く、そもそも海外コミックですから何処が預かるのか明確ではなかったのでしょう(今更ながらスヌーピーブックスの時はどうだったんでしょう?)。
1992年11月、「featuring Snoopy」の11巻が刊行されました。刊行開始から約2年間で11巻を刊行するという順調な滑り出しでしたが、この11巻で1992年7月までのストリップを収録し、ストックがほぼ無くなった状態になりました。
ここからは刊行ペースが年2回くらいに落ちるだろう、そう構えていました。
しかし、いくら待てども新刊は一向に出ません。
そうこうするうちに、書店には「A Peanuts Book featuring Snoopy全11巻BOXセット」なるものが置かれるようになりました。
ピーナッツ、またしても!?
| 固定リンク
コメント