"You're Not Elected, Charlie Brown" のサントラを聴く
本日(9/6)"You're Not Elected, Charlie Brown"のサントラが発売になりました。CDの入手はゆっくり待つとして、本日は配信を聴きました。
どこから書いていいものか…一言でいえば、素晴らしかった!
やはり、ジョン・スコット・トロッターがスーパーバイザーに退いたというのは大きかったと言わざるを得ません。1969年の段階で映画 "A Boy Named Charlie Brown", "It Was A Short Summer, Charlie Brown" と、ガラルディのアルバム "Alma-Ville", "The Eclectic Vince guaraldi" とでは既にサウンドが全く別物になっていましたし、ようやくガラルディの個性が存分に表現されたのだと言えましょう。エレクトリック・ピアノを使った曲も多くなり、これぞガラルディの70年代サウンドといった趣です。
冒頭を飾る "Incumbent Waltz" 。この作品のメインテーマ曲と言えるもので、ヴァリエーションが何度も登場しますが、サウンドがとても良くて驚きました。2006年に発売された "Vince Guaraldi And The Lost Cues From The Charlie Brown Television Specials(長いので以下"Lost Cues"とします)" にも収録されていましたが、こちらはモノラルであまり良い音質ではありませんでした。ところが今回のものは特に低音が良く出ていて本当に素晴らしいサウンドになっています。
"Incumbent Waltz", "Great Pumpkin Waltz", "Heart Burn Waltz" この3曲をヴィンス・ガラルディの3大ワルツと呼んでもいいでしょう。
13曲目の"Deserted Charlie Brown" も中々感傷的でいい曲ですね。この曲はライナスが選挙演説でカボチャ大王の話をして失笑を買ってしまった後の落ち込んでいるシーンにかかる曲です。1975年のTVスペシャル"Be My Valentine, Charlie Brown" にも使用されていて、こちらではライナスが「犬にでも食われちまえ~!」と叫びながらチョコレートを投げるシーンに使用されています。タイトルにチャーリー・ブラウンが入っていますが、何故かライナスのシーンにばかり使われていますね。
あと、何といっても目玉はガラルディがヴォーカルを執る8曲目の"Joe Cool" でしょう。この曲は前出の"Lost Cues" では翌年(1973年)のTVスペシャル "There's No Time For Love, Charlie Brown" で使用されたヴァージョンと繋げて1曲に編集されていましたが、今回のアルバムでは本来の形で収録されています。しかし全体的にキューに合わせた尺で1分前後の短い曲が多い中でこの曲だけ5分あり、ガラルディは一体何を頑張っていたのか不思議な感じがします。
実際に作品に使われた曲は16曲目までで、17~25曲目は別テイクなどのアウトトラックになっていますが、この中に "African Sleigh Ride" があるのに驚きました。この曲は1973年の"There's No Time For Love, Charlie Brown" に使われていましたが、その前年のTVスペシャルのセッションで既に演奏されていたんですな。この曲も "There's No Time For Love, Charlie Brown" のタイトル曲同様に名曲です。あああ、"There's No Time For Love, Charlie Brown" のサントラも欲しい!
気になるのが2曲目のタイトル曲 "You're Not Elected, Charlie Brown"です。ヴォーカルの入ったものがTVスペシャルで使用されていましたが、今回のものはカラオケ。ヴォーカルはどこへ消えたのでしょうか?
元々BGMの印象が薄いTVスペシャルだったんですが、結構いいじゃないですか。今まで本作のサウンドを見くびっていたことを反省します!
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