ピーナッツのコミックとの再会:その6
私的50周年回顧ネタ。
今回は1996年から1998年にかけて出版された本についてまとめます。
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1996年から1997年にかけて、講談社は「スヌーピーのもっと気楽に」「ピーナッツ・エッセンス」に続き、「SNOOPYののんきが一番」全7巻を刊行しました。これは、角川書店が過去に刊行した「スヌーピー全集」を編集したもの、つまり70年代のサンデー版の傑作選といったものでした。
まあ70年代のサンデー版ですから内容的に悪いものではありませんが、1971年から1980年までのサンデー版がごちゃ混ぜに登場するのはちょっとどうなのかな、とは思いました。
当時ワタシは暇人なのか各年のストリップがどれだけ収録されているのかを集計していました。そのときの記録がまだ残っていて、ちょっと確認してみましたが、最も少ない年が1980年の43片で最も多いのが1979年の49片でした。平均値で46~46片が収録されており、これでしたら普通に「スヌーピー全集」を文庫化すればよかったんではないか、と思ったものです。
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講談社の文庫本が好調なのを意識してか、本家角川書店も文庫本を刊行しました。1996年の「スヌーピーの初恋物語」全3巻と、1998年の「SNOOPYのちいさな恋人たち」 全1巻がそれです。
これらもお世辞にもいい本とは言えませんが、「恋」というワンテーマに絞った編集と長編も選んで載せている点で、講談社よりも遥かに高く評価しています。初心者に勧めるのならばコレだろうと今でも思っています。
角川書店はそのほか1996年から1997年にかけて角川MINI文庫からミニサイズの「SNOOPYの○○恋物語」全3巻を出しました。ページ数は少ないですが、これはこれで安くて読みやすかったと思いました。同叢書ではスヌーピーの料理本も出ていました。
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1997年、今度は集英社が「スヌーピー・ブックス」という紛らわしいタイトルの本を出しました。全20巻で初めに16巻が一気に刊行され、1999年に4巻が追加で発売されたと記憶しています。
これはグリーティング用の洋書を翻訳したもので、パルコ出版の「スヌーピーはゴルフに夢中」と同様に谷川俊太郎以外の訳者が起用されていますが、今回は何とさくらももこでした。さくらももこの英語力が如何程かはわかりませんが、ひょっとしたら土台となる翻訳があってダイアローグライター的な仕事をしただけかもしれません。まあ真相はわかりません。
ワタシは地元の本屋で16冊を一気買いしました。レジに持って行ったとき、レジ係の女性に「プレゼント用ですか?」と訊かれたので、「いいえ、自分用です」と思わず強く返してしまいました。
この本は1回しか読みませんでした。ハードカバーで紙が固く、とても読みにくい本でした。グリーティング用の本ですので、読みやすさはあまり考えていなかったのかもしれません。
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講談社は1998年に講談社SOPHIA BOOKSという叢書から「スヌーピーたちの心の相談室」全3巻を刊行しました(のちに講談社+α文庫で文庫化)。岩宮恵子という心理学者が文を書いています。
講談社は1995年からの3年間でピーナッツに『読むと癒される』といったイメージを固定させ商業的に成功しましたが、これはタイトルからしてその集大成といった感じがしました。買いはしたものの嫌悪感の方が強く中々読む気がしませんでしたが、いざ読んでみると講談社にもかかわらず、まだ角川書店も出版していない1990年代のサンデー版を網羅していて驚いたものです。つまり、この本で初めて読むことができたストリップが多数あったわけです。
ただ、やはり本のコンセプトなので仕方が無いですが挿入される解説が多すぎて、「黙って読ませてくれ」と言いたくなりました。ここは残念でした。
谷川俊太郎はルーシーの『精神分析スタンド』を後年『心の相談室』にすべて修正してしまいましたが、もしそれがこの本の影響だとしたら迷惑な話です。
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