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2024年7月

2024.07.30

You're Not Elected, Charlie Brown のサントラ盤発売決定

It Was a Short Summer, Charlie Brown(「短い夏だったね、チャーリー・ブラウン」)のサントラ盤の興奮冷めやらぬ状況ですが、今度は
You're Not Elected, Charlie Brown(「選挙に勝とう、チャーリー・ブラウン」)のサントラ盤の発売が決定しました。

発売日は、9月6日です。

"You're Not Elected, Charlie Brown"は、映画 "A Boy Named Charlie Brown" を挟んでの "It Was a Short Summer, Charlie Brown" の
次のTVスペシャルであり、70年代最初の作品でもあります。

音楽は勿論、ヴィンス・ガラルディです。

前作まで補作曲と編曲を担当していたジョン・スコット・トロッターは、本作以降は何故か肩書がスーパーバイザーとなり、作曲も編曲もしなくなりました。特に映画ではヴィンス・ガラルディを上回ろうかという大活躍だったんですが、あれは花道だったんでしょうかね。

トロッターが退いたことにより70年代の作品ではガラルディの個性が前面に出てきます。世間におけるジャズの変化と同様に、ガラルディもエレクトリック化していくのですが、本作ではまだピアノ中心の過渡期的な音楽になっています。とはいえ、既に自分で歌を歌ったり(「ジョー・クール」)変革は始まっています。

ワタシ的にはあまり音楽的評価の高くない本作ですが、音楽だけを抜き出したサントラ盤として聴くことにより、どのように印象が変わるのかが今から楽しみであります。

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しかし、悩ましいのはどこで買うのが賢いのか考えなければならないことです。

昨日も書きましたが、"It Was a Short Summer, Charlie Brown" のサントラCDは、発売日の5か月前に予約したにもかかわらず発売日を3週間過ぎた今でも未だ取り寄せ中となっています。これは店のチョイスを考え直さなければなりません。

"It Was a Short Summer, Charlie Brown" の時に最も情報の早かったHMV(故に予約した)は、今回はまだ情報がありません。タワーレコードでは予約受付中です。ディスクユニオンとアマゾンでは情報がありません。ということは一択!?

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2024.07.29

It Was a Short Summer, Charlie Brown のサントラを聴く

7月5日に"It Was a Short Summer, Charlie Brown" のサントラ盤が発売になりましたが、まだワタシの手元には届いていません。

発売日の5か月前の2月にHMVで予約したのですが、発売日を3週間過ぎた今でも「取り寄せ中」になっています。アメリカのサイトで購入して船便で送ってもらっていたとしても、もう届いていたんじゃないでしょうか?

いい加減7月も終わりますし、これ以上は待てませんので配信で入手しました。ヤレヤレ。

20240729

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本作の邦題は、「短い夏だったね、チャーリー・ブラウン」です。TVスペシャルとして1969年に放送されました。映画 "A Boy Named Charlie Brown" の同年の作品となります。

音楽は勿論ヴィンス・ガラルディ。音楽監督はジョン・スコット・トロッターで補作曲・編曲をしています。配信では、全曲ヴィンス・ガラルディ作曲となっていますが、7曲目の "Bus Blues" あたりはトロッター作曲なのではないかという感じがします。この辺りはCDが届いてから確認したいと思います。

音声はモノラルでした。残念でしたが音質は悪くないので良しとしましょう。同年の映画のサントラはしっかりステレオで収録されていたんですがね…。

映画と同年ということで、アレンジには共通性が結構見られます。はっきり言ってしまいますと、映画共々古臭いアレンジです。1966年の "Charlie Brown's All Stars" の頃でしたらギリギリOKだったかもしれませんが、さすがに1969年となりますと当時のジャズ・シーンを考えると中々に痛いです。

とはいえ、今の耳で聴く分にはこれが1969年だからどうだったのかということにはあまり意味はないでしょう。また、古臭いとしても、映画のサントラの "Snoopy On Ice" のような時代を超越した名曲・名アレンジもあるわけですから、一概に悪いとも言えませんな。

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曲はストーリーの流れに沿って収録されています。掻い摘んで紹介します。

6曲目の "Schroeder" は、キャンプに行く前のバスを待つシーンでシュローダーが弾いている曲です。この曲のオリジナルは、ガラルディの1963年の最初のピーナッツ・アルバム "A Boy Named Charlie Brown" に収録されていますが、実際にアニメで使われているのはこの作品だけではないかと思います。数年越しに陽の目を見たと言えましょう。

12曲目の "Bon Voyage" 。この曲は前年のTVスペシャル "He's Your Dog, Charlie Brown" でも使われていた憂鬱な雰囲気の印象的な曲です。このスペシャルもサントラ盤化希望ですね。ガラルディのアルバムには収録されていませんが、ジョージ・ウィンストンがカヴァーして陽の目を見た感じでしょうか。

14曲目の "Love Will Come" 。これはいい曲ですね。ジョージ・ウィンストンはアルバムのタイトルにもしました。

19曲目の "Masked Marvel" 。これもいい曲で、ガラルディも気に入っていたのでしょうか、同年発売のアルバム "Alma-Ville" に収録されました。この曲はスヌーピーがルーシーとの腕相撲対決の練習をしているシーンでかかります。

20曲目の "Air Music" 。1966年のTVスペシャル "Charlie Brown's All Stars" で子供たちが遊ぶシーンで使われていた印象的な曲です。この曲はあまり陽の目を見ていませんね。

23曲目の "Linus and Lucy" 。いわゆるAメロは出てきません。腕相撲の試合中にかかる曲で試合の顛末に合わせたアレンジで、あっという間に終わります。

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そして26曲目。"It Was a Short Summer, Charlie Brown" 。エンド・テロップにかかる曲です。遂に!遂に完全版を聴くことができました。

思い起こせば1978年2月23日。東京12チャンネルの「まんがスヌーピー」の再放送枠でちゃんと曲のラストまでかかったのが最後、以降のテレビ放送、ビデオ、DVDではカットされたり編集されたりでまともに聴くことが叶いませんでした。

苦節46年。この日をどんなに待ち望んだことか。52秒の短い曲ですが、感慨ひとしおです。

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あとはCDが届くのを待つだけですが、このサントラのセッションには、ヴィクター・フェルドマンやハーブ・エリスといった著名なジャズ・マンも参加していたんですな。ちょっとびっくり。

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2024.07.28

ウィリー・メイズのドキュメンタリー番組の動画公開

リー・メンデルソン・フィルム・プロダクションが1963年に制作した、ウィリー・メイズのドキュメンタリー番組の動画が、YouTubeの公式サイトで公開されました。

タイトルは、"A Man Named Mays"。

なるほど。

それでピーナッツのドキュメンタリー番組を作るときに付けた番組名が、"A Boy Named Charlie Brown"だったんですな。後年リー・メンデルソンが語った「最高の野球選手の番組を作ったから、次は最低の野球選手の番組を作ろうと思った」というのもあながち冗談ではなかったというのが判ります。2つの番組は対になっていたんですな。

しかしこのリー・メンデルソン・フィルム・プロダクションのYouTubeチャンネルですが、登録者数が現時点で108人と無茶苦茶少ないです。ワタシはもちろん登録しました。今後、ピーナッツ関連の番組(アニヴァーサリーものなど)が公開されることを期待してます。

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2024.07.25

アサクリ問題とピーナッツ

ゲーム「アサシンクリードシャドウズ」とか、トーマス・ロックリーの偽書とかが色々と問題になっています。

ゲームに関しては、先日ゲームを作っているUBIソフトが謝罪文を公開しました。この謝罪文で「フィクションですから」と言っているんですが、そもそも最初に「史実に忠実」と宣伝しておいて中身が無茶苦茶だったことが問題だったので、ここを訂正して謝罪しないと意味がないんですがね。

トーマス・ロックリーの方は本当に根深い問題になっています。完全に誤った日本史を信じてしまった外国人が多数いますし、否定をすると極右だとかレイシストだとか言われてしまいます。

日本の研究者も情けなくて、はっきり抗議して訂正を求めないと嘘が史実になってしまいます。困ったものです。

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この歴史改ざんについてはピーナッツ界隈も他人事ではありません。

アメリカのチャールズ・シュルツ・ミュージアムのキュレーターが日本におけるピーナッツの歴史について書くことがありますが、これが事実誤認であることが多いです。そして日本の公式や公式近隣には間違いを指摘できるだけの人材がいないのか、それをそのまま垂れ流すような状態が続いています。

大して調べもせず「大体こうだろう、こうに違いない」といった思い込みで書いているのは明らかです。はっきり言ってしまうと日本のことを軽視していますね。

例えば、2011年のスヌーピー・ハッピー・パーティー展の展示物では、

日本では初期のころ、吹き出しの中を日本語のセリフで置き換えていましたが…』といった文言がありました。

吹き出しの中が日本語のコミックの新刊は1995年頃まで刊行されていました。1995年といえば連載最末期です。これは初期でしょうか?多くのファンが日本語の吹き出しを読んできたのは事実です。

また、2019年のスヌーピー・ミュージアム展の図録では、

『スヌーピーが日本にデビューしたのは1960年代終わりのことで、主役はキャラクター商品でした。』
『コミックもいくつかの媒体で出版されましたが、こちらはあくまで脇役で、バッグや文房具、ぬいぐるみなど、スヌーピーの顔をあしらった小物の引き立て役にとどまります』と書かれていました。

確かにぬいぐるみは大ヒットしましたが、果たしてコミックが読まれていない状況でただの白黒の犬のぬいぐるみが売れるでしょうか?ワタシの体感としては寧ろコミック人気がグッズ売り上げを支えていた印象ですし、実際に当時の日本にコミックの読者がどれだけいたのかを慎重に調査したうえで書くべきだと思います。

このように我々は『権威はあるが日本のことは知らない』者によって嘘の歴史を押し付けられているのです。過去のことを知らない若いファンはこういった誤った情報を信じてしまいます。

ワタシはこのような状況を非常に苦々しく思っています。

これを黙っていたら、アサクリ問題における研究者と同類になってしまいますかね、ワタシは。悩ましいです。

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2024.07.22

シュローダー役田中亮一について考える(付:肝付兼太)

谷啓、松島トモ子、と来たので、次は田中亮一を。

田中亮一というのはあまり知られていない声優だと思います(失礼)。一番有名なのが先代「ドラえもん」の先生役ですかね。良い声をしているのに、あまり二枚目役で有名になっていないのがとても残念です。過小評価と言ってもいいのではないでしょうか。

田中亮一の二枚目声が聴ける2大キャラクターは、「デビルマン」の不動明と、かのシュローダーではないでしょうか。…聖闘士星矢?

忘れもしない1975年の12月30日。この日はNHKで「もう一度弾いて、チャーリー・ブラウン」が放送された日であり、ワタシが初めて田中亮一演じるシュローダーを観た日でもあります。

聴いてすぐに、「デビルマンの声だ」とわかりました。と言いますか、特にデビルマンと演じ分けをしている感じがしませんでしたが、とにかくとてもいい声で感激しましたね。いい人選をしてくれましたよ。「もう一度弾いて、チャーリー・ブラウン」以外はあまり出番がありませんでしたが、要所でいい仕事をしてくれていました。

とはいえ残念なこともありました。「チャーリー・ブラウンのヴァレンタイン」のクライマックス、シュローダーの男気が炸裂するいいシーンなんですが、何故かこの時の田中亮一は鼻声になっていたのでした。ほかのシーンでは問題なかったんですがね。うつみ宮土理曰く「録り直しをしない現場」だったそうですので、ちょっと鼻が詰まったくらいではやり直さなかったんでしょうな。

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田中亮一の前任、所謂第一期谷啓時代のシュローダー役は肝付兼太でした。この時代の作品は放送がNHKから東京12チャンネルに移ってから初めて観たのですが、田中亮一に慣れてしまっていたので非常に違和感を持ちました。

好きですけどね、肝付兼太。スネ夫とかジャングル黒べえとか999の車掌さんとか。ただ、シュローダーにはどうかな?と思いました。

まあ今ではこれもアリかな?と思ったりしています。どういうことかと言いますと、キャスティングした人はカラヤンを意識したのではないか、という。…いや、さすがにそれは無いかもしれませんが、ともかくカラヤンという人はあの端正な顔立ちからは想像できないアヒル声をしていまして、最初に声を聞いたときはかなりショックを受けたものです。カラヤンがああなんですから、シュローダーがこうでも問題ない、そういう理屈も通るんじゃないでしょうか。

 

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2024.07.21

サリー役松島トモ子について考える

昨日は谷啓について書きましたので、松島トモ子についても少し。

松島トモ子はかつては天才子役と言われていました。キャリアが長いので意外な感じがしますがまだ79歳です。最盛期を知らない人にはミネラル麦茶のCMかライオンに嚙まれた人という認識でしょうけど、これすら通じない人も多くなってきたんじゃないでしょうかね。

松島トモ子は1975年からNHKのピーナッツ・アニメでサリー役を務めるようになりますが、実はその3年前に「マジンガーZ」のヒロイン弓さやか役でアニメ声優デビューをしています。

彼女の最盛期は1950年代までで60年代以降はあまり映画やテレビに出なくなっていましたが、70年代になって突然アニメでヒロイン役をすることになったわけです。しかしアニメが未完成で画のない画面に合わせて声をあてるというのが非常に難しかったらしく、すぐに降板を申し出て役を降りてしまいました。ちなみに後任は映画「スヌーピーとチャーリー」などでライナス役をやった松島みのりでした。

この「マジンガーZ降板劇」についてはブログにも書かれています。畑違いというのもあったのかもしれませんが、元天才子役でも声優の仕事というのをこなすのは難しかったんですな。

もうアニメはコリゴリだと思っていたはずの彼女が何故サリー役を受けたのか?これは不思議ではありますが、恐らく、「この作品は吹き替えなので画がありますから大丈夫です」的なことを言われたのではないでしょうかね。でなければ受けなかったのでは?。のちにやはり海外アニメの「マファルダ」を演ったのも同じ理由ではないでしょうか。

NHKのアニメの最初のサリー役は加藤みどりがサザエさんとは全然違う声を出して演じられていましたが、松島トモ子に交代したことによって確実にキャラが立つようになりました。この配役変更は成功だったと思います(加藤みどりのサリーも決して悪いわけではなく、今では放送できないセリフを叫ぶシーンがあったりして歴史には残ると思いますが)。

「チャーリー・ブラウンのヴァレンタイン」での迷セリフ「プロペラ帽だ~ヨーヨーだ」とか、「植樹祭」でのクライマックスのクラス発表とかは本当に松島トモ子にしか出せない味があってとてもよかったと思います。色々な人がサリーを吹き替えていますが、ワタシ的には今のApple TV+の子役と一位二位を争うくらいにハマっていており、イメージはピッタリだったと思います。

サリー役についてもブログに書いてほしいですな。リクエストしたら書いてくれるでしょうかね。

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追記

松島トモ子は永六輔と親交が深く(シゴかれていたそうです)ラジオにもよくゲスト出演していました。著名人や立場のある人が不祥事を起こして謝罪会見で涙を流してお詫びをする、というのが非常に多かった頃に、ゲストの彼女が子役時代には泣けと言われればいくらでも泣けた(天才と言われる所以)ことを振り返り、「私にとっては涙なんて何の価値もない」と言っていたのがとても印象に残っています。

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2024.07.20

改めて谷啓のチャーリー・ブラウンについて考えてみる

最近BSテレ東で「釣りバカ日誌」をやっていますね。テレ東の土曜日は「釣りバカ」と「寅さん」を順繰りやってますけど。「釣りバカ」が終わったら、また「寅さん」になるでんでしょうな。「釣りバカ」はイイです。ワタシも昔は仕事をバリバリやっていましたが、今は楽しく生きることの方が大事です。

「釣りバカ」といえば、ワタシ的には谷敬の佐々木課長ですね。彼はイイです(原作はちょっと…ですが)。

ちょっと前にCSで「浮浪雲」を放送していましたが、これにも谷啓は欲次郎役で出ていました。

私感ですが、谷啓というのは『本人は真面目だが周囲にお騒がせな人がいるせいでイライラさせられ眉間に皺を寄せて怒鳴ったりしている』という苦悩するタイプの役を演じさせると非常にハマるといいますか、いい味を出すんですよね。

佐々木課長も欲次郎も、どちらもそういうタイプの役どころなので観ていて楽しいです。

で、この佐々木課長と欲次郎のラインにチャーリー・ブラウンも乗っかっている、とワタシは思うのであります。

彼も同じタイプですよね。同じタイプなんですが、そこに気づいている演出家はあまりいないんじゃないかという気もします。

最初は「なぜ谷啓がチャーリー・ブラウン?」なんて思ったものです。

丸顔で選んだのか?とも思ったりしましたが、ひょっとしてこういう苦悩する男としての演技力を買ってキャスティングしたのではないか、という気もしてきました。まあ違うかもしれませんが、もしそうとしたら、キャスティングした人はチャーリー・ブラウンのことをよく解っていたのだと言えましょう。

色々な人がチャーリー・ブラウンの吹き替えをしましたが、こういう苦悩の部分まで踏み込んで演技した人は谷啓以外にはいないんじゃないでしょうかね。

まったくもって余人に代えがたしと言いましょうか。

…以上、ちょっと思い出補正が入っているかもしれませんが。

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2024.07.15

ピーナッツの贋作

もうずいぶん日が経ってしまいましたが、7月1日のNHKの「アナザーストーリーズ」で、マーク・ランディスという希代の贋作画家の特集をやっておりました。ドキュメンタリー映画にもなっていますね。

マーク・ランディスが特徴的なのは、とにかく夥しい数の贋作をアメリカ中に美術館に寄贈しているのですが、すべて純粋な寄贈であって金銭が発生していないというところです。そのため、彼は裁判で無罪になっているんですね。だまされた人は納得いかないでしょうが。

で、この人はシュルツさんのサインの贋作も手掛けています。

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どうですかこれ。絶妙ですね。恐らく元ネタがあってトレースしたんでしょうが、いかにも晩年に書いたかのような崩れ具合が何ともリアリティがありますね。

しかし、どこの美術館に寄贈したんでしょうか?本家シュルツ・ミュージアムだったら絶対にバレますから、それ以外ですよね。

因みに、この番組は19日(金)にBSで再放送されます。

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