ブルータス6月1日号を読んでアメリカのZ世代でピーナッツ人気が高まっていることを知る
ブルータス6月1日号の表紙がピーナッツで、「PEANUTSに関する考察が深い」というFacebookの書き込みを信じて購入しました。
実際に読んでみますと、考察は深くも何ともなかったんですが、「ピーナッツがZ世代に流行している」という興味深い現象を知ることができましたので収穫はありました(でもbrutus.jpでタダで読めるんですよね)。
特集ではNPRイリノイに「Z世代が突然スヌーピーに夢中になったのは、単にかわいいからではない」という記事が載ったことを取り上げています。
TikTokやインスタグラムでピーナッツが大流行したこと、シュルツ・ミュージアムが過去最高の来場者数を記録したことを挙げ、子供の頃からスヌーピーに親しんできた世代がその哲学的な内容に気づき共感しているのだろうと書いていますが、大元の記事はもっと詳しくて、スヌーピーの公式TikTokアカウントは、2023年の第2四半期から第3四半期にかけてエンゲージメントが223.8%増加(19万8000人の新規フォロワーを獲得)して「アカウント史上最高の成長」となったこと、シュルツ・ミュージアムのリサーチ・センターのインスタグラムでのリーチが一時200%以上増加し、18歳から24歳の層でのエンゲージメントが最も高かったことが書かれています。
その他、昨年4月に赤十字が献血者に「落ち着いて献血を」Tシャツ(スヌーピーのものと思われる)をプレゼントするキャンペーンをしたところ、3週間で約40万枚のTシャツを配布し、期間中の新規献血者が7万人以上で大半は35歳以下だったことも書かれています。
因みにシュルツ・ミュージアムが過去最高の来場者数を記録したことについて、Z世代の割合がどうだったかという記載はありませんでした。
大元の記事の後半は「スヌーピーが時代を超えてタイムリーである理由」について書かれていますが、先の「新美の巨人たち」でもこういう視点があればよかったんじゃないでしょうかね。
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ワタシはここで重要なのは「子供の頃からスヌーピーに親しんできた世代が初めてその哲学的な内容に気づき」というところだと思っています。
まず基本的に子供の頃から読んでいて、大人になって再発見するわけですよ。ここが日本との違いで、漫画を読んでこなかった大人がいきなり名言だなんだと言うのとでは深みが全然違います。
話しをブルータスの方に戻しますが、この特集でも見出しからして「Z世代からオバマまで。老若男女を魅了する、ワンフレーズの金字塔『ピーナッツ』」なんですよね。何ですか、ワンフレーズの金字塔って。こういう読み方から脱却しないと、真のピーナッツには迫れないんではないかな~と思います。
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追記)
「漫画を読んでこなかった大人が」と書きましたが、これはそういう人たちに対する批判ではなく、子供時代にピーナッツを読める環境が無かったことが問題だと思っています。読めなかったんですから仕方が無いですが、それでもそういう人たちに対して、いつまで経ってもこういう切り口でしかピーナッツを紹介できないメディア側には問題が大いにあると言っていいでしょうね。
この辺はいずれ私的50周年回顧ネタにも出てくると思いますが。
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あと、このシュルツさんの絵。晩年のものですが良くないですね。
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