ピーナッツのコミックとの出会い:その4
私的50周年回顧ネタ。
37巻→26巻→30巻→19巻…と読み進めていたワタシが次に手に取ったのは、当時の最新刊である40巻「スヌーピーのげきつい王」でした。
最初にワタシがK君から37巻を借りた時、巻末の既刊リストは38巻まででしたが、当然現役の漫画ですから新刊が出るわけです。月刊スヌーピーに39巻と40巻が新刊として発売されるという広告が載り、次に読むのはこれだ!と思ったのでした。
しかしこの40巻は、それまでギャグ漫画として接してきたピーナッツの印象を変えるものだったのです。
前半こそ撃墜王ネタの総決算的内容で大いに楽しめるものでしたが、後半に収録されたチャーリー・ブラウン主役の続き物エピソードには衝撃を受けました。
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チャーリー・ブラウンは科学の自由研究で赤毛の子とペアを組む事になりますが、彼は彼女に話しかけることすらできません。何もできないまま、何故か彼は交通係に任命されてしまいます。チャーリー・ブラウンは自由研究の事でモヤモヤしつつも交通係を一所懸命頑張りますが、ある日ライナスから赤毛の子が別の人とペアを組む事にした事を告げられます。
赤毛の子だって自由研究をやらなければならないわけですし、何もアクションを起こさないチャーリー・ブラウンに嫌気が差したんでしょうな。しかし、これでチャーリー・ブラウンはパートナーを失ったわけで、自由研究ができなくなってしまいました。
赤毛の女の子とペアを組むチャンスを失ってしまったこと、自由研究ができなくなり落第点を付けられること、それによって交通係の仕事も剥奪されること、チャーリー・ブラウンは一気に三重の苦しみを背負うことになりました。果たして彼の運命は?
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これが、ワタシが初めて読んだチャーリー・ブラウンの苦悩エピソードでした。
数ある苦悩のエピソードの中において、今作は決して特筆するべき物ではないのかもしれません。が、初めてということもあり、ワタシはとても衝撃を受けたのでした。
雨の中、交通係の仕事を奪われることに涙を流しながら交通整理をしているチャーリー・ブラウンの姿には感情移入したものです。
そして、それまで割とスヌーピーを中心にして面白がっていた読み方が改まるきっかけにもなったのでした。
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一方で、やはりアメリカへの憧憬が頭を擡げてきます。
自由研究の内容とか誰が誰のパートナーだとかが掲示板に貼り出されるのです。でもってシャーミーが「掲示板を見たかい?」とか話しかけるわけです。何かカッコよくないですか?これがアメリカの小学校なんでしょうか?
ちょうどその頃兄のクラスに帰国子女がいまして、アメリカでは生徒は掃除しないなんて話を伝え聞いたりしまして、なんで自分らは教員用のトイレまで掃除させられているんだろう、この抑圧された日本の学校生活に比べ、アメリカは何と自由で進んでいるんだろうか、なんてことも思ったりもしました。…これはピーナッツとは関係ありませんでした。
あと、あの斜めになっている机です。自分たちの使っている木製の机とは大違いでなんてカッコイイんだろう。
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やがてワタシは中学生になり、新刊を押さえつつも既刊も徐々に揃えだし、ほぼほぼ在学中に全巻を揃えるほどになっていったのでした。
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