ピーナッツのレコードの日々:その7
私的50周年回顧ネタ。
ピーナッツのアニメによってヴィンス・ガラルディというアーティストを知り、そして、ヴィンス・ガラルディからジャズの世界に足を踏み入れようとしていたワタシでした。
しかし、ジャズの敷居は中々に高かった…。
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ワタシは父親の影響もあり、音楽的ルーツはクラシックです。クラシック音楽というのは、緩急があったり強弱があったりするのが当たり前で、それに深く馴染んでしまっていたワタシは均等にリズムを刻む音楽は退屈に思えていたのです(…まあそんなワタシも後々クラフトワークや所謂クラウト・ロックのようないい意味で単調な音楽が好きになるのですから判らないものですが)。
そういう音楽でもメロディアスならイケたんですが、ジャズは中々そうはいきません。ジャズというのは、最初にテーマがあって、その後ソロを各楽器で回して、最後にまたテーマに戻る、といったような感じが大体です。最初のテーマだけならまだいいんですが、アドリブ・ソロになってくるともう何が良いのかわからなくて全然楽しめませんでした。
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ヴィンス・ガラルディのピーナッツ以外の音楽を聴こうと思って最初に買ったレコードは、1956年の「ヴィンス・ガラルディ・トリオ」と、1957年のカル・ジェイダー・カルテットの「ジャズ・アット・ザ・ブラックホーク」の2枚でしたが、これらは正にドジャズなレコードで、最初は全然楽しめませんでした。
こういう真剣に(?)ジャズをやっているレコードは、慣れ親しんでいたはずのヴィンス・ガラルディですら取っつき難いものでした。こういうのを聴くと、ピーナッツ・アニメ用の曲というのはジャズであってジャズではない、というのがよくわかります。考えてみれば、ピーナッツ用の曲は所謂ジャズのセオリーに立った曲出ないものが多いですからね。
それでも、随所にピーナッツっぽい雰囲気があったりするので、そういうのを頼りに楽しくなるまで頑張って聴いたものです。
その他、「ブルーノートの100枚」といった入門書を買い、図書館などを駆使して頑張ってジャズを聴き続けました。とにかくジャズのいいところを知りたい、楽しみたい、という思いでした。
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結論から言いますと、あまり頑張る必要はなかったようです。
そのうちに、流れてくる音楽に身を委ねる方法を知ったといいますか、自然と楽しめるようになりました。きっかけが何だったのかは自分でもよくわかりませんが、とにかくそうなったのです。「考えるな、感じるんだ」ということなんでしょうか?
クラシック好きが災いして遠回りになりましたが、今ではすっかりジャズ大好き人間になりました。
ただ、色々聴いて気付いたのは、「ヴィンス・ガラルディ・トリオ」というアルバムはジャズの中でもだいぶ渋い部類のもので、初心者が聴くものではなかったな、ということだったりします。
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