ピーナッツのレコードの日々
私的50周年回顧ネタ。
ワタシは小学生の頃から大の音楽好きで、父親のステレオセットでやはり父親のコレクションのレコードを聴くのが大好きでした。自然とクラシックがメインになりましたが。
自分のレコードは誕生日プレゼントに1枚貰うことにしており、好きなものを選ばしてもらっていたんですが、決して貧乏ではなかったにも関わらず1300円くらいで買える廉価盤ばかりを選んでいました。今思うと無駄に気を遣ってましたね。ですので、カラヤンやベームといったグラモフォンのものは全く聴かずに育ちました(グラモフォンは全く廉価盤を出しておらず、且つ他メーカーより値段が100円高かった)。
そんな状況ですので、当時リリースされていた「スヌーピーとチャーリー」と「スヌーピーの大冒険」のサントラ盤には手を出せずにいました。
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中学校に入学してからは小遣いが貰えるようになり、それからは自分でレコードを買うようになりましたが、早ぐに「スヌーピーとチャーリー」や「スヌーピーの大冒険」を買ったのかといえばそうではありません(ひょっとしたら既に廃盤になっていたかも)。
1970年代後半、ワタシは横浜駅周辺によく出没するようになっていました。横浜はレコード店がたくさんあり、ダイヤモンド地下街(現在は相鉄ジョイナスに統合)だけでも5~6店はあったように思います。
そんな中でも、岡田屋(現・横浜モアーズ)の中にあった”すみや”は横浜最大の売り場面積で、輸入盤を取り扱っていたのも横浜ではここだけだったと思います。
1978年のある日、ワタシは”すみや”でなんとなく輸入盤コーナーを眺めていました。たまたま"SOUNDTRACK"のコーナーを見ていると、"CHARLIE BROWN"という見出しが目に留まりました。
え?と思い漁ってみると、"Charlie Brown Records Presents A Charlie Brown Christmas" と書いてあるLPが5枚くらい入っていました(それ以外は何も無く)。値段は確か1700円くらいでした。
ジャケには色々なことが書いてありました。
"Music and Story from the Original Soundtrack By CharlesM. Schulz" ・・・所謂ドラマを収録したレコードのようです。
"Includes a 12-Page Read-Along Book of Full-Collor Illustrations" ・・・12ページのカラーイラスト付きのシナリオがブックレットになっているようです。
躊躇する必要なくこれは買いです。早速1枚を手に取り会計を済ませ、家路を急いだのでした。
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こうして人生初の輸入盤購入はピーナッツのレコードになったわけですが、家に着いて開封してみると中々に粗悪なものだったことにまず驚きました。
レコードの内袋というものは大抵ポリ製なんですが、このレコードの内袋は紙製で、取り出したレコードは紙の埃でまみれていました。プレスもなんとなく荒い感じがしました。
アメリカのレコードは音がパワフルだけどカッティングは日本の方が良い、とは聞いていましたが...。ほろ苦い輸入盤デビューでした。
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レコードに針を下ろします。取り切れなかった埃のためノイズ混じりでしたが、少年合唱のあの曲のピアノのイントロが始まりました。まごうことなき「チャーリー・ブラウンのクリスマス」のドラマでした。ブックレットのシナリオを追いながら聴くこと約23分、聴き終えたワタシは充足感に浸っていました。ハッキリ言って音声はフィルムのサウンドトラックから取ったような低音質でしたし当然モノラルでしたが、そんなことは些細な事でした。
本物のチャーリー・ブラウンたちの声はこんななんだ…。「スヌーピーとチャーリー」の挿入歌が子供の声だったので子供が演じているのだろうと感じていましたが、まあこれがリアルなんだろうな~と思いました。でも正直、谷啓の方がいいな、とは思いました。
続く
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