えー、本題の前にスヌーピーの誕生日のストリップの最後のセリフ "Well, I'll be a brown-eyed beagle" について。
これについては8月10日ブログで扱いましたが、パックンが訳した「ワーオ、ありえない!(くらいにうれしい)」というのが一番しっくりくるのでは、とまとめました。
その後、9月に祥伝社から『英語が楽しくなるスヌーピー』という本が出版され、この本で「なんと、こりゃびっくり仰天!」と訳されておりました。ということで、もうこの方向でいいですね。完結。ピーナッツ全集には誤訳が載ってしまったわけですが…。
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さて、"You Blockhead!" 。「このマヌケ!」てな感じでしょうか。懐かしの谷川訳ですと「このオタンコナス!」ですね。
しかし、これが最近のアニメでは「この石頭!」と訳されてしまうのです。ワタシはこれが不快でたまりません。
説明するまでもないですが、「石頭」というのは考え方が固くて融通が利かない人のことで、「この石頭!」というのはそういう人に向かって投げかける言葉です。マヌケという意味はありません。
チャーリー・ブラウンは石頭でしょうか?
石頭と言われる時はそう言われるようなシチュエイションだったでしょうか?
意味も考えずに、block=石、head=頭、おお、石頭でいいじゃん、と安易に訳しちゃったんでしょうね。
この訳が登場したのは、2015年に公開された映画「アイ・ラブ・スヌーピ」からです。翻訳者は小寺陽子さん(東北新社)。この映画はとにかくルーシーの"You Blockhead!"発言が多く、そのたびに石頭!石頭!と聞かされるのでツラかったですね。
それも過去の事と流そうと思っていたんですが、Apple TV+ で配信された新翻訳でこれが復活してしまいました。
翻訳者は池田美紀さん、太田てるみさんなど。Apple TV+ 版の翻訳は一人ではなくチームでやっているんですね。
チーム翻訳の場合は決まり文句などについては人によって違う訳になったりしないように話し合って統一しているそうです。おそらくチームのリーダーか演出家かの誰かが "You Blockhead!"は「石頭」と訳そうと指示を出していて、その結果こうなったのでしょう。
となると、演出そのほかをしているACクリエイトという会社にも問題あるのかも。ACクリエイトのチームが、決まり文句の統一に「アイ・ラブ・スヌーピー」を参考にしたという可能性もありますね。
吹き替え版を観なければいい?…それはそれとして。
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