「スヌーピーがいたアメリカ」第2章まで読む
「スヌーピーがいたアメリカ」を第2章まで読みました。第2章はピーナッツと冷戦について書かれているんですが、これは面白い本ですね。
いままでピーナッツとシュルツさんについて書かれた本は翻訳されたものはすべて読んできましたが、冷戦時代のピーナッツの読まれ方についての考察はこれまで無く、非常に興味深かったです。
ピーナッツの連載開始日1950年10月2日の新聞のトップは「国連軍、38度線を越える」だったんですね。知らなかった。そういう時代だったんだ。
1950年代のアメリカがどのような社会だったのかということを知り、当時ピーナッツがどのように読まれていたかを想像すると、50年代のコミックの解釈もちょっと変わってきそうな気もします。
ライナスが雪を死の灰と勘違いするエピソードが紹介されてました。私がこれを読んだのは小学生の時。一応ギャグだと思って面白がってました(友人の中村君の方が受けてました)が、アメリカの当時の新聞や雑誌では連日核爆弾の恐怖をあおり、学校でも原爆投下されたときの身を守る方法を教えていたりしたそうで、そういう背景を知ると当時は笑い事ではなかったんだな~ということが伺い知れました。
そんな日常を過ごしていたらライナスのように過敏になってしまう子供も出てきてしまいますよね。
しかし、日本に原爆を投下し戦争を終わらせたと誇らしげにしていた国が、数年後には原爆の恐怖におびえていた、というのはちょっと滑稽にも感じます。
・・・・・・
ついでに。
かなり古い話ですが、2011年に「しあわせはあたたかい小犬」が再販されたときのこと、公式サイトにはこんな文章が踊りました。
『発売された時期は、米ソ間の緊張がピークに達した「キューバ危機」直後、ささやかな幸せを描いたこの絵本は当時の人々の心をつかみベストセラーになりました』
私は当時からこの文章には懐疑的でした。なんかこじ付けっぽかったので。
今回の「スヌーピーがいたアメリカ」でもこの本について触れていますが、特にキューバ危機云々ということは書かれていませんでしたね。やっぱりな、と思いました。
シンプルだけどいい本だから売れたんですよ。
| 固定リンク
コメント