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2013.08.09

PEANUTS RANKING BOOK (その10)

沢山書きましたが、最後にアニメベスト10について。

 
このムックでは2010年にカートゥーン・ネットワークが行った人気投票を採用して掲載していますが、出来ればこれは使って欲しくなかった…。出来ればこれもバング氏に選んでほしかったところです。
 
この人気投票が行われた2010年にもこのブログで書いたんですが、本国アメリカで名作として長年評価されている作品がせいぜい1本しか入っておらず、評価の低いものが入っていたり、低視聴率で打ち切りになった(実際、作画も内容もひどい)"Charlie Brown and Snoopy Show"から4本も入っていたり、というベスト10なのです。
 
引用されている"視聴者の声"というものをみてみますと、
 
「スヌーピーが怖がっているところがかわいい」
「スヌーピーが踊っているところが面白かった」
「おっちょこちょいなスヌーピーがかわいい」
「リランがかわいい」
 
…とか。キャラクターの可愛さを求めると、こういうランキングになってしまうのかもしれませんが。
 
因みに、名作と言われている作品というのは、
「クリスマス」
「カボチャ大王」
「感謝祭」
「イースター」
「ヴァレンタイン」
「選挙」
「君の犬だ」
「恋するチャーリー・ブラウン」
「オールスターズ」
といったあたりです。一つしか入っていません。
 
年中行事が多いのはアメリカでの評価の特性かもしれませんが、この辺の作品をちゃんと視聴すれば、スヌーピーのアニメは「スヌーピーがかわいい」とか、そういう類の物ではない事がわかるはずです。
 
しかし困ってしまうのが、2位の「君の犬だ(1話)」。一応名作群の中の一つなんですが…。
この"1話"というのは、カートゥーン・ネットワークが帯番組として放送するにあたって振った"ただの整理番号"でしかないんです。
しかし、これが"スヌーピーのアニメの記念すべき第1話"と誤解されて票を集めてしまった感があります。
 
"視聴者の声"を見ても、
「やっぱりスヌーピーとチャーリー・ブラウンが初めて出会うシーンがいい」
「最後には、チャーリー・ブラウンの元へ戻ってくる1話が最高!」
 
初めて出会うシーンなんてありません。そもそも1話ではないんですから。
こういう事実誤認な意見を精査せずにそのまま載せてしまうんですから困ったものです。
 
・・・・・・
 
最後に結構な不満を書いてしまいました(それにしても完全に時機を逸しています)が、感心したり考えさせられたりする事も多く、トータルとして読み応えのあるムックではありました。
 
ちょっとバング氏に頼りすぎなきらいもありますが。国内のランキングももっとしっかりして欲しかったところです。
アニメーション曲ベスト5については書きませんでしたが、2枚のアルバムだけからの選曲という縛りで、選者の渡辺シュンスケ氏が気の毒に思いました。
 
そろそろ銀座にも行かねば。

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