邦題について考える(その3)
しかしそもそも、本当にタイトルに「スヌーピー」が付いていないと売れなものなんでしょうか?
私は結構メーカーさんの思い込みなんじゃないかと思うんですがねー。
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タイトルに何でもかんでもスヌーピーを付けるようになったのは1990年の学研ビデオ版以降で、1993年のポニーキャニオン版もそれに追随してました。両社でリリースした作品は合計39話になりますが、その内タイトルにスヌーピーが付かないのは唯一「ライナスは生徒会長?」のみ!でした。
それ以前は結構内容に忠実な邦題はあったんですよね、東映ビデオ版とか…。
学研ビデオのリリースが始まった1990年というのは角川書店が「フィーチャリング・スヌーピー」の刊行をスタートさせた年でもあるんですが、それまでは日本国内でのピーナッツ・コミックの流通が途切れてしまっていました。その為、巷におけるスヌーピー以外のキャラクターの知名度が下がり、このような事態になってしまったのではないか、と推測されます(それがオーバーだとしても一因にはなっていたかも)。
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因みにNHKの谷啓版の邦題はこんな感じでした(放送された順)↓。
「チャーリー・ブラウンのクリスマス」
「チャーリー・ブラウンの野球チーム」
「君の犬だよチャーリー・ブラウン」
「恋してるんだねチャーリー・ブラウン」
「短い夏だったねチャーリー・ブラウン」
「チャーリー・ブラウンとかぼちゃ大王」
「ミステリーだよチャーリー・ブラウン」
「恋するヒマもないよチャーリー・ブラウン」
「もう一度ひいてチャーリー・ブラウン」
「選挙に勝とうチャーリー・ブラウン」
「チャーリー・ブラウンのバレンタイン」
「チャーリー・ブラウンのイースター」
「チャーリー・ブラウンの感謝祭」
ものの見事にチャーリー・ブラウンでした。
「恋するヒマもないよチャーリー・ブラウン」とか「短い夏だったねチャーリー・ブラウン」というのは直訳ですが味があっていいタイトルだなー、と今でも思います。何かこう伝わるものがあります。
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最後に原題についてですが、スヌーピーのアニメは"Charlie Brown & Snoopy Show" と "This is America, Charlie Brown" のシリーズを抜かすと、全部で45話になります。
このうちタイトルに「チャーリー・ブラウン」が付かないのは、
"Snoopy, The Musical"
"Snoopy's Reunion"
の2作のみ、あとは全部チャーリー・ブラウンです。
チャーリー・ブラウン・メインでない話でもタイトルにチャーリー・ブラウンが付くので、これはこれでいいのかなという感じもしますが。まあ、スヌーピー・メインでないのに全部スヌーピーになっている日本と逆(?)という感じですね。
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コメント
どうも~
私もピーナッツを説明するときには「スヌーピーが出てくる漫画」と言ってしまうので,大スター,スヌーピーの存在はアニメ作品でも大きいですね~。なんでも「スヌーピーの~」なんてつけるのは,小さなお子様向けというイメージをつけたいという意図も感じられます。
まぁ,やたらとスヌーピーをつけちゃう理由は分からないでもないですが,確かに『Why,Charlie Brown.Why?』→「スヌーピーはお医者さん」はあんまりですねぇ
有名な話ですが,シュルツさんはピーナッツって題名が嫌だったそうですが,その理由の一つが,『「ピーナッツ」という登場人物がいると思われる』というものだったそうです。
「スヌーピー」アニメにはスヌーピーは出てこず,「ピーナッツ」漫画にはピーナッツさんは出てこない・・
元から題名に恵まれない作品なのかも(笑)
投稿: うさぎ | 2012.05.17 01:03
こんにちは。
タイトルが内容と違わなければ問題ないと思うんですけどねえ。
「サーカスの大スター、スヌーピー」とか、「スヌーピーのマジック」、「スヌーピーのフラッシュビーグル」とか。
そういえば『スヌーピーの漫画はどうしてピーナッツというんですか』というのを某知恵袋系のサイトで見た事がありますが、何だかなあ…。
シュルツさんの希望していたタイトルの一つに "Good ol' Charlie Brown" があったらしいですが、これはサンデー版で叶いましたね。
投稿: TOSHIKI | 2012.05.17 23:44