ついてないとき心が晴れるスヌーピー 入手
祥伝社刊「ついてないとき心が晴れるスヌーピー」、ちょっと遅れて入手しました。
とあるweb書店のレビューでは "コミックのチョイスは角川書店刊「A Peanuts Book featuring Snoopy」から" という事だったんですが、これが大間違いで、1967年から1974までの足かけ8年分からのチョイスとなっていました。
祥伝社からの1冊目「悩んだときに元気が出るスヌーピー」は選者(香山リカ)の妙が出ていて、それはそれで面白いと思いましたが、1965年から1999年までのものが割とランダムに配置されていたので些かの読みにくさはありました。4コマ時代と3コマ時代以降が混ざるとページによって絵の大きさが全然違ってしまうので違和感も。
2冊目の「気持ちが楽になるスヌーピー」は前半が1987年から1999年、後半が1960年から1963年プラス飛んで1967年という変わった構成になっていました。1968年から1986年が未収録という中抜け状態でしたが、60年代の分は続きものが結構収録されていたのが中々良かったです。
この「気持ちが~」は、80年代以降と60年代のそれぞれのパートでコミックが年代順に並べられていたんですが、今回の3冊目「ついてないとき~」でもそれが踏襲されていまして、ほんの少し前後するものはありますが、8年間のコミックが殆ど時系列で掲載されています。
ただ残念なのは、今回の「ついてないとき~」は、「気持ちが~」ほど続き物が収録されていなかったことでしょうか。しかも続き物が部分的に収録されたりしていまして、かつての講談社X文庫の編集を彷彿させます。
例えば、P44ではフランクリンとライナスの初対面、P138ではマーシーとサリーの初対面エピソードが収録されていますが、前後の話がカットされているので、何故ライナスがフランクリンにカボチャ大王の話をするのか(及びその笑いどころ)とか、マーシーは何しにやって来たのか、とかいうのが全然解りません。
ペパミント・パティのチームにグローブを貸しに行ったチャーリー・ブラウンはその後どうなったのか?
P185のライナスとマーシーの会話も、2人が初対面というのが判ってこその面白さです(これは流石に文脈で解るかな?)。
ひょっとして所謂「ピーナッツ名言集」に取り上げられるようなコミックをチョイスしているのかな?とも思えますが、だとするとそれはそれで結構成功していると思います。1970年前後からチョイスしているのですから、クオリティは元々高い訳ですし。
あと、年代的にツルコミックのピーナツブックスからの採録かなと思ったんですが、ピーナツブックス未収録のものも幾つか収録されています。Complete Peanuts があるとはいえ、谷川訳で読めるというのは貴重かもしれません。
三田誠広氏の後書は、ちょっといただけませんでした。
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