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2011.11.20

ピーナッツの第一話(1950年10月2日付)

これ、気付いていなかったのが自分だけだったら、とても恥ずかしい話なんですが…。

10年くらい前に講談社から「スヌーピー・マガジン」という未就学児童向けのムックが刊行されていました。当時は子供が生まれる前で、私はコレクションとして一応購入だけはしていました。最近は娘に少しづつ提供していまして、娘は10年前のものとも知らずに普通に遊んでおります。

これの第7号の巻末の所謂親向けのページに、コミックが幾つか掲載されているんですが、その一つに1950年10月2日のヤツがありまして、これの翻訳がちょっと変わっていました。

 

毎日グラフ別冊「スヌーピーの本」から引用しますが、元のセリフは

"Well, Here comes ol' Charlie Brown !"
「おや!おなじみチャーリー・ブラウンがやってくる!」

"Good ol' Charlie Brown ... Yes, sir !"
「お人よしのおなじみチャーリー・ブラウン…まさにね!」

"Good ol' Charlie Brown ..."
「むかしながらのチャーリー・ブラウン…」

"How I hate him !"
「ぼくあいつ大きらい!」

というもので、翻訳はどの本でも大体こんな感じですよね(この本では訳者のクレジットがありません、Yes, sir ...)。私は、これはシャーミーがチャーリー・ブラウンがいる前ではいい事を言って、いなくなってから悪口を言う、という話だと思っていました。

 

これが、「スヌーピー・マガジン」ですと

「おっ!おなじみのチャーリー・ブラウンがやってきたよ!」
「よっ!ごぞんじチャーリー・ブラウンくん、大統領!」
「チャーリー・ブラウンっていいやつなんだけど…」
「返事もしないなんて、かわいげがないよ!」

という風になっています。これにはびっくりしました。シャーミーはチャーリー・ブラウンに無視されたから怒っていたのか、と。

成る程、確かにそういう風に読めます。シャーミーはパティと一緒に座っていますが、パティと会話をしている訳ではありません。視線はチャーリー・ブラウンに注がれていて、彼が見えなくなった3コマ目でも明らかに目で追っています。口の開け方からしても、ある程度の大声でしゃべっている事が判ります。

第一話でいきなり「大嫌い」というのには、ついつい後のダメ男の萌芽を見てしまいますが、初期のチャーリー・ブラウンは、やんちゃないたずらっ子で女の子にも人気があるという、ほとんど別人格の子供なんですよね。ですから違和感がある事はあったんですが、シュルツさんは最初からダメ男にするつもりだったのかな?と思うようにしていました。

しかし「スヌーピー・マガジン」訳を通過した今は、周りを気にせずマイペースでずんずん歩いて去っていくという、「主人公颯爽登場編」に解釈が変貌してしまいました。おお、こうしてみると結構第一話っぽい内容じゃないですか!チャーリー・ブラウンも初期のチャーリー・ブラウンらしいし。これですっきりしました。

 

この第一話、一体誰が訳したのだろう、とクレジットを探しましたら、広淵升彦氏でした。さすが先生(著書で既出でしたらすみません…)。

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