小池朝雄版刑事コロンボと谷啓版チャーリー・ブラウン。共に1970年代にNHKで放送され、今なおコアなファンを有する作品であります。
1号遅れですが、ハヤカワミステリマガジン11月号「特集・刑事コロンボに別れの挨拶を」を読みました。
巻頭特集がミステリ界の有識者によるアンケートで、1位になったのが「二枚のドガの絵」。感無量であります。「別れのワイン」とか「忘れられたスター」もドラマとして素晴らしくてとても好きですが。やはり「二枚のドガの絵」はあのラストシーンですね。初見の時のあの感動は今でも忘れられません。
で、特集の中に作家・大倉崇裕による「刑事コロンボ 録画激闘史」というのがありまして、これが中々世代的に涙ぐましく思える内容でありました。コロンボをチャーリー・ブラウンに置き換えるとまるで我が身の事のようです。
『(今はDVDがあるので)いつでも好きな時に刑事コロンボを見ることができる。たしかに幸せなことではあるけれど、たった1回の放送にすべてをかける、キリキリとした緊張が、なつかしくもある。』以上、引用。
例えば、谷啓版「チャーリー・ブラウンのクリスマス」はNHKでは1971年12月25日と1972年12月24日の2回しか放送していません。他のNHK谷版もみな1話につき2回づつの放送でした。しかもバケーションのシーズンに突発的に放送するので、そろそろかな、と思いつつ朝イチで新聞のラテ欄を確認するという日々。
チャンネル権の問題とか、放送時間に用事を頼まれたりとか、法事と重なったりとか色々ありました。あー、塾を休んだことも(勿論家族には嘘を…その後ろめたさからより真剣に観ました)。そんな感じで一話一話それぞれに思い出があり、谷啓版を見返すと昔のことがよみがえってきてしまいます。
まあ、昔好きだった物に対しては誰でもそうですよね。
その後民放やU局で再放送の機会はありましたが、そこらへんはコロンボも同様。
しかし、日本のコロンボ・ファンは幸せです。
12月に発売されるブルーレイBOXは「新・刑事コロンボ」までを含んだ35枚組\71,400と高額ですが、日本放送ヴァージョンや日本語吹替にもこだわった日本ならではの商品になっているのです(話せば細かくなりますが、コロンボも吹き替えには諸々事情があるのです)。コロンボのDVDは全部(新・は除く)買い揃えましたが、どうするべきか…。
で、思うことは一つ。やはり「谷啓版チャーリー・ブラウン・コンプリートBOX」を発売してほしい。
谷啓版は全15話しかないですから、DVDでしたら5枚組で収まります。ワーナーさんだったらきっと単価も抑えてくれるでしょう。そして、「チャーリー・ブラウンのクリスマス」は存在する吹き替え6ヴァージョン全てを収録するとか、谷啓さんがチャーリー・ブラウンについて語ったテレビ番組「TVジェネレーション」を未放映部分を含めノーカット収録するとか、マニアを唸らす商品にしてほしい。
夢です、夢。
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