ベノワ・デイヴィッドはデヴィッド・ベノワに非ず
プログレッシヴ・ロック・バンドのイエスの10年ぶりのニューアルバムが先週発売されました。リード・ヴォーカルはジョン・アンダーソンではなく、彼の代役でツアーに参加していたベノワ・デイヴィッドです。
それにしてもベノワ・デイヴィッドとは、ジャズ・ファンやピーナッツ・ファンにしてみればまるで冗談のような名前ですね。
…以上、無理矢理ピーナッツにこじつけました。あとは関係ない話になります。すいません。
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今回のイエスのアルバム「フライ・フロム・ヒア」は、1980年のアルバム「ドラマ」以来2度目のジョン・アンダーソンがリード・ヴォーカルを執っていないアルバムです。しかもメンバーはその「ドラマ」の時の布陣(当時のヴォーカリスト、トレヴァー・ホーンはプロデューサーに回っていますが)で、タイトル・ナンバーは当時のツアーでは演奏しながらもアルバムには収められなかったアウトナンバーのリメイクなのであります。
私はイエスのアルバムでは「ドラマ」が一番好き(それってイエス・ファンなんだろか?)なので、久々にエキサイトしました。特に「フライ・フロム・ヒア(または、"We can fly from here")」はブート版で聴いた時から好きでしたし、昨年再発売されたバグルスの2ndアルバムに収録されたバグルス・ヴァージョンも未完成ながら素材はいいなと再確認させられるものでした。期待しようってなのもです。
それにしても、改めてクリス・スクワイアとアラン・ホワイトの「ドラマ」に対する執着心を感じないわけにはいきません。この2人は後のライヴでも「ホワイト・フィッシュ」と題して「ドラマ」収録のナンバー「光陰矢の如し」のリフを使いまわしたり、アラン・ホワイトは別バンド"White"で「ドラマ」収録の「マシン・メサイア」を演奏したりしてました。中止になりましたが、当時のナンバーを演奏する"モア・ドラマ・ツアー"という企画もあったんですよね。
兎に角、ジョン・アンダーソンが居ないうちに(?)「ドラマ」の落とし前をつけてしまいたかったんでしょう(私は大好きなんですが、あのアルバムは当時評判がよろしくなかった)。
で、ニュー・アルバムを聴いたわけですが、「フライ・フロム・ヒア」は特に大きくいじくられる事も無く、ここに30年越しの完成をみた、という感じでした。全般的にトレヴァー・ホーンが歌うとしっくりするようなメロディーばかりで、ツアーは無理でもアルバムは全曲トレヴァー・ホーンが歌っても良かったんではないか、と感じました。そうしたらもっと良くなっていたかもしれません。何故かベノワ・デイヴィッドはYouTubeで観たライヴよりも存在感が無いですねえ。
メンバーもあれから30年経っていますから、「ドラマ」と同レベルの疾走感とかプログレとポップの巧みな融合とかはみられませんが、ジョンやリック・ウエイクマン(彼はもっと前に去っていたか)だったら、まあどんな内容になるのか大体想像がつきますので、それよりは良かったかなあと思いました。
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イエスとピーナッツ絡みで一つ思い出しました。あれは何のビデオだったか。確かスティーヴ・ハウの自宅だったと思いましたが、ライナスのポスターが貼ってありました。…やっぱりこじつけですね。
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